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フランボワイヤン・ワールド
海の冒険者たち
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イオの末裔
〔Kindle版〕

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《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。


カリブの海賊・バカニーア
第一章 カリブ海を荒らしまわるバカニーア

2.初期のバカニーアたち

 バカニーアが登場する以前、16世紀のカリブ海は、いわゆる私掠船海賊が活躍する海だった。私掠船海賊は、国家の許可を得て敵国船を襲撃する、ある意味で合法的な海賊だった。フランシス・ドレークなどもこのような私掠船海賊ということができるだろう。

 しかし、私掠船による略奪は敵国船にのみ可能であり、いったん講和が成立すると、目の前を莫大な富を運ぶ商船が通過しても、それを襲うことはできなかった。私掠船船長たちの中には、目の前の商船が敵国船であるかどうかいちいち区別するのは面倒だと考える者もいた。
 さらに時代が下り、各国間に講和条約が結ばれるようになると、もはや私掠船の必要はなくなり、時代が下れば下るほど、カリブ海にはもと私掠船船長だったバカニーアが増えていった。
 このような形でカリブ海に最初に登場したバカニーアは、フランス人だったといわれている。

 16世紀の前半、コンキスタドーレス(★2)と呼ばれる悪名高いスペイン人たちは、メキシコやペルーを次々に征服したが、彼らはそこから得られる金銀に完全に心を奪われてしまった。こうしてスペイン人たちは、金銀を手に入れるためにこぞって大陸に進出したので、カリブ海では、彼らの重要な拠点であるはずの大アンティル諸島の防備さえ手薄になってしまっていた。
 その間隙を縫うようにして、フランス人の私掠船海賊たちが最初のバカニーアとしてエスパニョラ島北西部の無人の海岸地帯に住み始めたという。エスパニョラ島には大陸に進出したスペイン人たちが置き去りにしていった牛、馬、羊、豚などの家畜が野生化して生息していた。バカニーアたちは、これらの動物を自分たちで食し、さらに薫製にして近くを通る船乗りに売りつけたりした。薫製を作る時、彼らは ブカン(boucan)(★3)という窯を用いた。これがバカニーアの語源だった。

 こんなわけだから、バカニーアという言葉は最初から純粋に海賊を意味していたわけではなかった。彼らは国家とはほとんど関係なしに、原住民や船乗りたちとの自由な取引によって、勝手気ままに生活していた。

◆エスパニョラ島バカニーアのコスチューム◆

 初期のバカニーアたちは、動物の血痕が染みついただぶだぶのシャツ、ズボン、丸い帽子、豚皮の長靴といういでたちで、岩穴や岩影を住処にして野蛮人のような暮らしをしていた。彼らはいつもマスケット銃を肩にかつぎ、腰に弾帯を巻き、ナイフをぶら下げていた。

◆私掠船◆

 私掠船は、いわば国家お墨付きの海賊である。16世紀のヨーロッパは、たとえ本格的な戦争状態にない時でも、各国が激しく対立していた。そこで各国は、自国の一般の船に「敵国の船であれば略奪行為を働いてもよい」という許可証を与えたのだ。このように、国家に与えられた許可証を持って略奪を行う海賊が私掠船である。これは敵国に打撃を与えるというだけでなく、国家にとっても大きな収入源として役立った。通常、私掠船による略奪品のうち10分の1が税金として国家に納められたからだ。

◆脚注◆
★2 コンキスタドーレス
 スペイン語で「征服者たち」の意味。単数形でコンキスタドールともいう。16世紀初めに中南米を征服したスペイン人たちのことで、アステカを征服したコルテス、インカを征服したピサロなどが有名。

★3 ブカン(boucan)
 薫製を作るための窯のこと。小さな小屋ほどの大きさだった。
カリブの海賊・バカニーア目次
●第一章:カリブ海を荒らしまわるバカニーア|1.カリブ海の無法者2.初期のバカニーアたち3.カリブ海に散らばったバカニーア
●第二章:バカニーアの冒険|1.スペイン船を狙え2.バカニーア時代の初期の船長たち3.バカニーアの掟4.総勢400人の大海賊船団5.バカニーアの悲惨な最期
●第三章:バカニーアの総本山|1.トルチュガ島の時代2.バカニーアの生活3.海賊都市ポート・ロイヤル
●第四章:バカニーアの船|1.バカニーアの船と17世紀の造船術
●第五章:残虐非道のヘンリー・モーガン船長|1.ヘンリー・モーガンの名声2.火船作戦で危機を脱出3.ヘンリー・モーガンのパナマ攻略
●第六章:バカニーア時代の黄昏|1.海賊の時代は終わった2.カリブ海を逃げ出した海賊とパイレーツ
海賊学

 小説
イオの末裔
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 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。

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