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フランボワイヤン・ワールド
海の冒険者たち
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 小説
イオの末裔
〔Kindle版〕

販売開始しました。
《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。


カリブの海賊・バカニーア
第六章 バカニーア時代の黄昏

1.海賊の時代は終わった

 16世紀、17世紀とカリブ海には私掠船、バカニーアといった海賊たちが跳梁(ちょうりょう)していたが、やがてカリブ海の海賊時代にも終わりの時がやってきた。ヨーロッパ諸国の間で植民地に関するいろいろな条約が結ばれ、これ以上の海賊行為がどの国にとっても少しも利益にならないことがはっきりしたからだった。なかでもマドリード条約(★14)によってイギリスとスペインが互いの植民地の境界を明確にし、長い間の戦争状態を終結させたことが、海賊時代を終わらせる大きな原因になった。
 マドリード条約が結ばれたのは、1670年。ヘンリー・モーガンがパナマを攻撃するよりも前のことだった。しかし、モーガンが遠征に出発したのは、ヨーロッパから条約の調印が伝えられるよりも早く、ジャマイカ総督もそれを止めることができなかったのである。
 この結果、モーガンはイギリス本国に強制送還され、裁判にかけられることになった。イギリスに対してスペインが激しく抗議したからだ。ところが、モーガンは逮捕されるどころか、ロンドンの生活を十分に楽しみ、裁判は無罪、その上でチャールズ2世によってナイトの称号を与えられたのである。

 これにはいろいろな事情があった。いくらマドリード条約で海賊を禁じたからといって、カリブ海の海賊がすぐにいなくなるということはなかった。イギリス本国としては、どうにかしてこのような海賊を退治しなければならなかった。そこで考えられたのが、海賊上がりを利用して海賊を退治する、つまり、毒をもって毒を征すという方法だった。モーガンこそ、そのような任務にうってつけだったのだ。
 1674年、モーガンはジャマイカ島の副総督に任命された。その仕事は海陸の防衛、すなわち海賊退治だった。

 モーガンの変わり身は比較的早かった。当初こそ、ある程度の海賊活動を黙認していたが、数年後にジャマイカ総督となると、本格的な海賊退治に乗り出したのである。

◆脚注◆
★14 マドリード条約
1670年にイギリス・スペイン間で植民地の境界線を決定した条約。これによってジャマイカは正式にイギリス領と認められた。
カリブの海賊・バカニーア目次
●第一章:カリブ海を荒らしまわるバカニーア|1.カリブ海の無法者2.初期のバカニーアたち3.カリブ海に散らばったバカニーア
●第二章:バカニーアの冒険|1.スペイン船を狙え2.バカニーア時代の初期の船長たち3.バカニーアの掟4.総勢400人の大海賊船団5.バカニーアの悲惨な最期
●第三章:バカニーアの総本山|1.トルチュガ島の時代2.バカニーアの生活3.海賊都市ポート・ロイヤル
●第四章:バカニーアの船|1.バカニーアの船と17世紀の造船術
●第五章:残虐非道のヘンリー・モーガン船長|1.ヘンリー・モーガンの名声2.火船作戦で危機を脱出3.ヘンリー・モーガンのパナマ攻略
●第六章:バカニーア時代の黄昏|1.海賊の時代は終わった2.カリブ海を逃げ出した海賊とパイレーツ
海賊学

 小説
イオの末裔
〔Kindle版〕

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《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。
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