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フランボワイヤン・ワールド
海の冒険者たち
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イオの末裔
〔Kindle版〕

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《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。
カリブの海賊・バカニーア
第二章 バカニーアの冒険

2.バカニーア時代初期の船長たち

 バカニーアたちは、島々の入江などに隠れ、近くを通る商船を襲うのがふつうだった。よく狙ったのはユカタン半島のカンペチェに出入りするスペイン船だった。カンペチェはスペイン植民地の中でも非常に豊かな部類に属していたし、季節風の関係で商船が定期的に行き来していたからだ。
 しかし、獲物が見つからない時には、はるか遠方にまで遠征に出なければならなかった。こうした無謀な遠征によって、名を残した船長たちがカリブ海には数多くいた。年代ははっきりしないが、バカニーア時代初期だけでも次のような船長たちの海賊行為が残されている。

①ピエール・フランス

 フランスは、ラプラタ河口のランチェリアス付近で、スペインの船団を襲撃し、10万ペソ相当の真珠を略奪したことで知られている。真珠取り船団には8門の砲を搭載した艦船と、さらに大きな武装船が護衛していたが、彼はたった26名の部下と共に戦い、スペイン人を降伏させたのである。

②バーソロミュー・ポーチュギース

 ポーチュギースはキューバ島沖で、わずか4丁の小銃と33人の部下だけで、20門の砲と水夫70人が乗り込んだ客船を捕獲したことで有名だ。ところが彼は、この直後にスペインの大型船3隻によって、獲物をすべて奪われ、逮捕されてしまった。その後なんとか脱走したものの、以降は不運続きで二度と成功することはなかった。

③ロシェ・ブラジリアノ

 オランダ人のブラジリアノは、西インド会社と年季奉公の契約をし、長年ブラジルで暮らしていたので、このように呼ばれるようになった。年季が明けてから、彼はジャマイカに渡って海賊の仲間になり、力を発揮した。彼は、たった一隻のボートで大量の金の延べ板を積んだ大型船を略奪し、一躍名前を上げたのだ。カンペチェ付近で難破し、スペインの騎兵隊100人に追われたこともあったが、この時彼はマスケット銃しか持たないわずか 30人の部下と共に戦い、騎兵隊に大きな打撃を与えたのである。
 ブラジリアノは、生まれながらの乱暴者だったらしく、飲んで暴れまわることもしばしばで、その大胆不敵さにも目を見張るものがあった。ある時彼は、カンペチェ近くでスペイン兵に捕らえられ、地下牢に入れられた。彼は有名な海賊だったから、死刑になるのは確実だった。そこで、ブラジリアノはスペイン総督あてに次のような手紙を書いた。
「もしあなたが私たちに危害を加えれば、私の仲間は必ず激しい報復を行うでしょう」
 この作戦はまんまと成功し、釈放された彼は、ジャマイカに舞い戻ると、これまで通りに海賊稼業に精を出したのだ。

④ジョン・デイビス

 ジャマイカ生まれのデイビスは、50人の部下を引き連れて、500名以上のスペイン守備兵を蹴散らし、グラナダ植民地を略奪して名を上げた海賊だった。その時彼は、4000ペソの現金、50000ペソ相当の金の延べ板のほか、大量の戦利品を手に入れたという。しかし、ほかのバカニーア同様にあっというまに金を使い果たした彼は、今度は7、8隻のカヌーを引き連れてフロリダ半島のセント・オーガスチンという町を襲撃。200名の守備兵をものともせず、ものの見事に町中の貴重品を奪ったのだ。しかも、仲間には一人の怪我人も出さなかったという。

◆船長の選挙◆
 バカニーアたちは、百戦錬磨の船長に率いられて海賊活動に乗り出したが、この船長はバカニーアが自分たちで選ぶのが常だった。よりよい船長を持つことで海賊行為の成功確率は高くなり、多くの戦利品があれば当然分け前も多くなるからだ。ジャマイカを拠点とした最大の海賊ヘンリー・モーガンも、航海中に前船長が死んだために、その後釜として選挙で選ばれたのが、船長になった最初だった。
 有名な船長になると、船員を募集するたびに、何百というバカニーアが集まったのである。
カリブの海賊・バカニーア目次
●第一章:カリブ海を荒らしまわるバカニーア|1.カリブ海の無法者2.初期のバカニーアたち3.カリブ海に散らばったバカニーア
●第二章:バカニーアの冒険|1.スペイン船を狙え2.バカニーア時代の初期の船長たち3.バカニーアの掟4.総勢400人の大海賊船団5.バカニーアの悲惨な最期
●第三章:バカニーアの総本山|1.トルチュガ島の時代2.バカニーアの生活3.海賊都市ポート・ロイヤル
●第四章:バカニーアの船|1.バカニーアの船と17世紀の造船術
●第五章:残虐非道のヘンリー・モーガン船長|1.ヘンリー・モーガンの名声2.火船作戦で危機を脱出3.ヘンリー・モーガンのパナマ攻略
●第六章:バカニーア時代の黄昏|1.海賊の時代は終わった2.カリブ海を逃げ出した海賊とパイレーツ
海賊学

 小説
イオの末裔
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《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。

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イオの末裔
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 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。
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