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フランボワイヤン・ワールド
海の冒険者たち
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イオの末裔
〔Kindle版〕

販売開始しました。
《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。
カリブの海賊・バカニーア
第六章 バカニーア時代の黄昏

2.カリブ海を逃げ出した海賊とパイレーツ

■逃げ出したバカニーア

 モーガンが海賊退治を始めてから、カリブ海の海賊行為は非常にやりにくくなった。彼は海賊上がりで海賊のことに詳しかったからだ。とくにイギリスの海賊たちの活動は、モーガンがジャマイカ総督になると同時にほとんど完全に終わってしまった。残るはトルチュガ島のフランス人を中心とするバカニーアだが、これも17世紀末期にイギリス、フランス、スペイン、オランダ間でライスワイク条約(★15)が成立すると、カリブ海から出ていかざるを得なくなった。

 こうして、カリブ海を出ていった海賊たちは、以降は一匹狼として活動するようになった。このように一匹狼で活動する海賊がいわゆるパイレーツである。北アメリカ、東インド、マダガスカルなどが彼らの活動領域となった。もちろん、西インド諸島から海賊が完全に姿を消したわけではないが、それはもはやバカニーアではなかったのである。骸骨を描いた海賊の旗を立てたりするのも、新しいパイレーツの時代の特徴である。

■パイレーツの時代へ

 バカニーアの時代が終わった17~18世紀、あちこちの海で一匹狼の海賊が活躍するようになる。これがパイレーツである。

 バカニーアは、たしかに身勝手で残酷な海賊行為を行いはしたが、全体的に海賊共同体といったイメージを持っていた。彼らは特定の国家に所属するものではなかったが、裏側では国家を利用したりされたりといった関係もあった。
 しかし、パイレーツになるとこうした関係が一切失われてしまう。彼らは完全な一匹狼なのだ。
 現在も名の知られている有名な海賊は、だいたいがパイレーツであり、彼らこそ後世に残る海賊のイメージを作り上げたものである。
 18世紀初頭に書かれたチャールズ・ジョンソンの『イギリス海賊史』の中では、パイレーツが40人近くも紹介されている。なかでも有名なのは、以下の3人だろう。

・ムガール帝国(インド)皇帝の船を襲ったとされるジョン・エイブリー
・40門の砲を搭載した、アン女王の「復讐(リベンジ)号」に乗り、黒旗を掲げて海賊行為にあけくれた黒髭ことエドワード・ティーチ
・人頬の敵とさえ恐れられ、小説にも登場するキャプテン・キッド。

 ジョリー・ロジャーと呼ばれる海賊旗(ドクロマーク)を使用したのもパイレーツである。海賊の旗というと、すぐにジョリー・ロジャーが思い浮かぶが、パイレーツたちは常にこの旗を掲げていたわけではない。
 実際には赤旗、黒旗などいろいろな種類があったらしい。
 通常はどこかの国の国旗を掲げており、獲物を見つけると、突如としてジョリー・ロジャーの旗を掲げるのだ。武装が不十分な商船などは、この旗を見ただけで戦闘意欲をなくしてしまったということだ。

◆いろいろなジョリー・ロジャー


◆脚注◆
★15 ライスワイク条約
この条約により、仏は、英に対しウィリアム3世の王位、その相続者アンの継承権を承認、独に対し、ストラスブールなどを除く占領地を還付し、ライン右岸から撤退した。
カリブの海賊・バカニーア目次
●第一章:カリブ海を荒らしまわるバカニーア|1.カリブ海の無法者2.初期のバカニーアたち3.カリブ海に散らばったバカニーア
●第二章:バカニーアの冒険|1.スペイン船を狙え2.バカニーア時代の初期の船長たち3.バカニーアの掟4.総勢400人の大海賊船団5.バカニーアの悲惨な最期
●第三章:バカニーアの総本山|1.トルチュガ島の時代2.バカニーアの生活3.海賊都市ポート・ロイヤル
●第四章:バカニーアの船|1.バカニーアの船と17世紀の造船術
●第五章:残虐非道のヘンリー・モーガン船長|1.ヘンリー・モーガンの名声2.火船作戦で危機を脱出3.ヘンリー・モーガンのパナマ攻略
●第六章:バカニーア時代の黄昏|1.海賊の時代は終わった2.カリブ海を逃げ出した海賊とパイレーツ
海賊学

 小説
イオの末裔
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《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。
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