小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
販売開始しました。 |
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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カリブの海賊・バカニーア |
第二章 バカニーアの冒険
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5.バカニーアの悲惨な最期
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バカニーアは海の無法者である。幸運の女神が微笑んでいる間は略奪品で貴族のような生活を送れるが、一度幸運の女神から見離されると、その末路は途方もなく悲惨だった。トルチュガ島最大の海賊フランソワ・ロロノアの最期も悲惨なものだった。
ジブラルタルで大きな成果を上げたロロノアは、それまで以上の名声を手に入れた。そこでロロノアは、さらに大きな計画を企てた。ニカラグアへ行き、周辺の町々を連続して略奪しようというのだ。その計画が大胆で危険なものだということはだれの目にもあきらかだった。しかし、ロロノアを信頼し、尊敬して集まってきたバカニーアの数は、なんと700人に上ったのだ。
ロロノアは11隻から成る艦隊に部下とカヌーを乗せて出発した。しかし、今回の遠征は最初から運に見離されていた。
ロロノアの船団はトルチュガ島を出帆すると、エスパニョラ島、キューバ島などで食料を補給し、ニカラグアのグラシアス・ア・ディオスに向かった。ところが、不運なことに風が凪ぎ続け、船団は潮流に流されて、ホンジュラス湾に入ってしまったのだ。
その頃には食料も不足し始めたので、ロロノアたちはとにかく陸に上がって食料を補給するしかなかった。彼らはインディアンの部落やプエルト・カバロなどを襲って、略奪を行った。
それからロロノアたちは陸路でサン・ペドロに向かったが、途中でスペイン兵の砲撃を浴び、多くの部下が殺されてしまった。にもかかわらず、サン・ペドロでは略奪品はほとんどなかった。
しかたなくプエルト・カバロまで引き返したロロノアは、今度はグアテマラを攻撃する計画をたてた。ところが、ここにきて仲間割れがおこった。これまで大した収穫もなかったため、多くのバカニーアが今回の遠征は失敗であり、早くトルチュガ島に帰ったほうがいいと考えたのだ。もっと遠征を続けようという者たちも、グアテマラ遠征には反対した。ロロノアに賛成する者はごくわずかだった。しかも、反対派の者たちはさっさと離反して船を出してしまったのである。
ここにきてロロノアは完全に見捨てられてしまったわけだ。
さらに運の悪いことは、この頃からスペイン兵の攻撃が一層激しくなったことだった。
ロロノアたちは 2隻の船に分乗し、上陸しては食料を求めなければならなかった。この時、ロロノアたちは猿の肉まで食べたといわれている。そして数日後。ニカラグア河口付近に上陸したロロノアたちを待ち受けていたのは、スペイン人とインディアンたちの軍団で、海賊たちはここでほとんどが殺されてしまった。ロロノアはその場はどうにか逃げ延びたが、運に見離されていることは明らかだった。カルタナヘ付近のとくに残酷なインディアンに捕らえられたロロノアは、手足を八裂にされて殺され、火の中に投げ込まれてしまったのである。
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カリブの海賊・バカニーア目次 |
●第一章:カリブ海を荒らしまわるバカニーア|1.カリブ海の無法者|2.初期のバカニーアたち|3.カリブ海に散らばったバカニーア|
●第二章:バカニーアの冒険|1.スペイン船を狙え|2.バカニーア時代の初期の船長たち|3.バカニーアの掟|4.総勢400人の大海賊船団|5.バカニーアの悲惨な最期|
●第三章:バカニーアの総本山|1.トルチュガ島の時代|2.バカニーアの生活|3.海賊都市ポート・ロイヤル|
●第四章:バカニーアの船|1.バカニーアの船と17世紀の造船術|
●第五章:残虐非道のヘンリー・モーガン船長|1.ヘンリー・モーガンの名声|2.火船作戦で危機を脱出|3.ヘンリー・モーガンのパナマ攻略|
●第六章:バカニーア時代の黄昏|1.海賊の時代は終わった|2.カリブ海を逃げ出した海賊とパイレーツ| |
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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