海の冒険者たち◆ヴァイキングの来襲

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フランボワイヤン・ワールド

小説
イオの末裔
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《内容》
　教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆（鬼塚サヤ）の孫として生まれた鬼塚宏樹（主人公＝私）は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のＫ市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。

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ヴァイキングの来襲

第五章　ヴァイキングの生活

２．ヴァイキングの農場での暮らし

　農場では、４月になって雪が溶け、本牧草地の若草がそろい始めると、小屋に閉じ込められていた牛や羊、山羊、馬、犬、猫などの家畜が牧草地に放牧された。畑が耕され種がまかれた。夏の盛りには農場での男の仕事が減った。そこで男たちは手の空いた家族や配下を従えて、交易や略奪の旅に出ることもあった。旅行なども真夏に行われることが多かった。
　冬の始めには多くの家畜を殺さなければならなかった。取り入れた干し草には限りがあり、すべての家畜を冬の間飼育するのは不可能だったからだ。したがって秋は１年のうちで最も食料の豊かな時期となり、ヴァイキングたちは好んで宴会を催した。道具の修繕、家畜の皮なめし、船の修繕、大工仕事などは冬の間に屋内で行われた。

　ヴァイキングは客人があった時には大いにもてなした。それはヴァイキング社会のモラルだった。多くの場合、農場同士が非常に離れていたので、もしも旅人をしっかりともてなさないならば、旅人は生きることができなかったし、罪を犯す以外になかった。こうした社会だから、宴会は非常に重要な儀式だった。宴会が行われるのは、結婚式、葬式、秋の収穫祭の時だった。生肉が食べられるのは秋の収穫祭に限られていた。いずれの場合も、宴会には宗教的色彩が強く、犠牲の儀式などが行われた。

　ヴァイキングは食生活の多くの部分を貯蔵物に頼っていた。これは、どのような収穫物にしろ、収穫期が限定されているためだった。彼らはもちろん収穫期には新鮮なバター、チーズ、ミルク、肉、魚を食することができたが、そのほとんどは貯蔵された。貯蔵には塩漬けにする方法がとられたので、バターやチーズでさえ塩味だった。魚は干魚になることもあった。麦芽からビールを作ることもできた。パンも作られていた。
　
　ヴァイキングたちは基本的に自給自足の生活を送っていた。都市にはさまざまな専門的な職人が存在していたが、農場のヴァイキングたちは必要なものはほとんど自分たちの手で作ったし、それだけの技術を持っていたのである。

　豊かな農場主は専門職人を家人、あるいは奴隷としてかかえており、都市と同程度、もしくはそれ以上に高度な道具を農場内で手に入れた。農場で最も必要な道具といえばやはり農耕器具だったが、なかでも重要なのは鋤（すき）だった。日用品も必要だった。鉄製の平鍋や掛け鍵、ヤカン。裁縫をするための縫針、はさみ、縫合機。船、そり、荷車、武器、甲胃、馬具まで自分たちの手で作った。
　農場の鍛冶場にはハサミ、ノミ、ヤスリ、ヤットコ、ハンマーなどがあり、なんでも作れるようになっていた。木工所にも小刀、きり、斧、かんななどが用意されていた。

　ノルウェーなどスカンジナビアの北部地域では狩猟、魚労も重要だった。そこでは天然の食物が豊富だった。海には鰊（にしん）、鱈（たら）、海象（せいうち）、海豹（あざらし）、川には鮭（さけ）、鱒（ます）、山には野鳥、熊、猪、鹿、トナカイがいた。これらはヴァイキング自身の食料不足を補うと共に輸出品としても貴重だった。山中のヴァイキングたちはスキーと弓の名人だった。

　ヴァイキングとて常に船で移動するわけではなかった。水のない所では、どうしても陸路を行く必要があった。そこで、ヴァイキングたちは荷物を運搬するために荷車とそりを利用した。東方ルートに進んだヴァイキングたちにとって、これらの道具はなくてはならないものだった。

●荷車とそり

そりは通常、鉄のかんじきをつけた２頭の馬が引いた。オーセベル遺跡から発見されたそりは、滑走部と二大を分離することができ、滑走部だけ交換できるようになっていた。オーセベル遺跡からは荷車も発見されたが、これは４輪車だった。その上に装飾つきの車体があり、ながい牽引棒がついていた。４輪車はタペストリー直にもしばしば描かれており、スカンジナビア人の陸上輸送に大きな力を発揮したと考えられている。

◆コラム：ヴァイキングのファッション

　ヴァイキングたちは一般に、それが可能であるかぎりは自分の虚栄心を満足させようとしていた。彼らはかなり見栄坊であり気取り屋だったのだ。そういう意味では、男も女も身を飾ることを忘れなかったが、どちらかといえば男の方が華美だった。美容法のようなものも行われていた。しかし、彼らにとっては衣服だけでなく、肉体そのものも虚栄の対象だったのである。男たちは、働く時筋骨隆々たる自分の太股を人目にさらした。また、女たちの白い腕がエロチックであることはヴァイキングにとってとても大事なことだった。

●女性

●男性

①肌着はリンネルのスリップ。
②エプロンのような上着。上着は肩ひものついた２枚の長方形の布でできており、必ず１対の亀型ブローチで前後のひもを胸の上のあたりで留めた。
③ショールやマントをはおることもあった。
④髪の毛は束ねており、好みによってヘアー・キャップの下に収めた。
⑤指輪、腕輪、ペンダントなどの装飾品もいろいろと身につけた。

①下着はリンネルのパンツ、短袖シャツ。
②ズボンは細長いぴったりしたのやストレートタイプのもの、幅広でゆったりしており膝下あたりで、ひもで結ぶものなど、いろいろな種頬があった。
③上着は羊毛製で非常に厚く、まるでシャツのように上半身部分はぴったりしていたが、長さは膝下まで届くものもあり、ウエストから下は縁まで広がっていた。
④マントを着た。
⑤多数の装飾品で身を飾った。

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海賊学

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