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フランボワイヤン・ワールド
海の冒険者たち
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イオの末裔
〔Kindle版〕

販売開始しました。
《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。


ヴァイキングの来襲
第五章 ヴァイキングの生活

3.交易や略奪への旅

 いくら自給自足が基本といっても農場内だけですべてのものを入手できるものではなかった。
 そこで、ヴァイキングたちは夏場になるとしばしば交易や略奪の旅に出た。

 交易といっても自分の農場の余剰生産物を売るのではなく、どちらかというと略奪品を売るという色彩が濃いものだった。
 別な地域のヴァイキングが交易品を持って浜辺に到着すれば、彼らから必要な品物を買い取ることもあった。

 ヴァイキングの中の若年者の場合は、一人前になるために必ず海外放浪の旅に出た。これはスカンジナビアの慣例でもあった。
 首領クラスの豊かなヴァイキングの息子であれば、そのために乗員つきの船を 1隻与えられたし、そうでない場合にも他人の船に乗り込み、略奪や交易の旅に加わったのだ。

 交易は、ヴァイキングにとって農業・牧畜に匹敵するほど重要な活動だった。交易を主要な生業とするヴァイキングも存在していたほどだ。
 商人が存在すれば市が存在する。市は最初、商人が船に乗ってやって来たその場所、上陸地点で勝手気ままに立てられたかもしれない。しかしそれは、やがてまとまりを持つようになり、町へと発展した。デンマークのへデビュー(★12)、スウェーデンのビルカ、ノルウェーのカウパングなどの交易都市がスカンジナビアに誕生した。

 これらの都市は、船が入り込める場所に生まれた。商船が入り込めなければ、都市の意味はほとんどないからだ。しかし、なおかつ都市は海賊の襲撃から安全でなければならなかった。スカゲラック海峡、カテガット海峡、バルト海は海賊の巣窟だった。海賊はヴァイキングの活動の1つだったから、それはまったく当たり前のことだ。
 そこで、都市の多くは、数多くの船が碇泊可能でありながらも船の入りにくいところに形成されたのである。人為的な防塁や砦、見張り場が造られることもしばしばだった。

 スウェーデン人を中心としたヴァイキングたちは、初期の頃から東方への道を進んだ。
 ルートの途中にはヴァイキングの町が建設された。ノブゴロドやキエフがヴァイキングによって建設された町だった。ノブゴロドでは道路は木によって舗装され、学校も建設されていた。
 彼らはフィンランド湾からネバ川を逆上りラドガ湖に入り込むと、湖の南岸にアルデイギュボルグ (ラドガ)という町を作った。この町は 9世紀初頭にはすでに作られていた。ラドガから先には 2つのルートが開かれた。ドニエプル川を利用するルートとヴォルガ川を利用するルートだった。こうして、アラビア、ペルシャ、中国の産物までがスカンジナビアに運ばれたのだ。

 東方に進出したヴァイキングは、9世紀中には北ロシアにおいて大きな勢力を獲得していた。彼らは土地の人々にルースと呼ばれた。当時の記録によれば、ルースの生活はまったく交易者としての生活だったという。
 しかし、ルースの勢力が拡大したといっても、ロシアの地にどれくらいのヴァイキングが進出していたかははっきりしていない。ノブゴロドやキエフにしても、ヴァイキングはほんの一部分であり、大部分はスラブ人だったと考えられている。その結果、ヴァイキングたちは、やがてその土地に完全に同化されていくことになった。

●ヴァイキング(ルース)の進出経路
 ドニエプル・ルートとヴォルガ・ルートは目的によって使い分けられた。東ヨーロッパと付き合いたければドニエプル・ルートを利用したし、イスラム世界と付き合いたければヴォルガ・ルートを利用した。どちらかといえば、ヴォルガ・ルートでの交易が活発だった。ヴァイキングはヴォルガ川を下り、カスピ海を横断すると、そこからはラクダを使ってバグダードまで進んだ。

◆脚注◆

★12 へデビュー
 面積約24万平方メートル、町の周りには見事な半円形の土塁が築かれていた。土塁は時代を経るにつれ補強され、10世紀には10m近くなった。土塁には北と南と南西に門があり、立派な石で舗装された街路があった。交易商人たちの手で、この町にはいろいろな商品が集まり、売られ、各地へ送られていった。フランク族の剣、スラブの奴隷、スカンジナビアの毛皮などが主要な商品となったと考えられる。
ヴァイキングの来襲目次
●第一章:略奪者ヴァイキング//|1.ヴァイキング時代の開幕2.ヴァインキングの正体は?
●第二章:ヴァイキング、東へ西へ//|1.ヨーロッパ中に出現したヴァイキングの猛威2.数回にわたり同じ都市に来襲
●第三章:ヴァイキング船、来襲す!//|1.船はヴァイキングの誇り2.ゴクスタッド船3.ヴァイキングの航海方法4.いろいろなヴァイキング船
●第四章:ヴァイキングの戦い//|1.ヴァイキングの武器と防具2.ヴァイキングの戦闘方法3.ヴァイキングの軍事基地
●第五章:ヴァイキングの生活//|1.ヴァイキングの農場2.ヴァイキングの農場での暮らし3.交易や略奪への旅
●第六章:ヴァイキングの社会と法律//|1.スカンジナビア社会の状況2.家族のきずなと復讐劇3.ヴァイキングの集会4.決闘と追放
●第七章:エピローグ//|1.ヴァイキング時代の幕切れ2.平和喪失者と植民活動…もうひとつのヴァイキング
海賊学

 小説
イオの末裔
〔Kindle版〕

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《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。

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