海の冒険者たち◆ヴァイキングの来襲

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フランボワイヤン・ワールド

小説
イオの末裔
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《内容》
　教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆（鬼塚サヤ）の孫として生まれた鬼塚宏樹（主人公＝私）は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のＫ市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。

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ヴァイキングの来襲

第六章　ヴァイキングの社会と法律

１．スカンジナビア社会の状況

　ヴァイキング時代を通じて、スカンジナビアの社会は非常に不安定な状態にあった。その理由は公権力が不在だということだった。
　確かに地方領主や王は存在していた。しかし、農場を経営するヴァイキングと領主との関係はまったく個人的な契約だった。ヴァイキングは完全に自由であり、税金を納めることもなければ、契約を破棄することも可能だったのだ。
　ヴァイキングが特定の領主と契約するのは、彼らが利益をもたらすからにほかならなかった。有力な領主は海軍力が豊かで、ヴァイキング活動による収入が大きかったし、よそ者が襲撃してきた時にもその力が役立ったからだ。しかも、このような領主や王はスカンジナビアの至るところに存在し、支配拡大のために絶えず争いを繰り返したのである。最終的にスカンジナビア三国は、それぞれが唯一の王に支配されるようになったが、国内には有力な対抗勢力が常に存在していたのである。

　スカンジナビアには支配者、自由人、奴隷という３つの階級があった。ボーンディは自由人でありスカンジナビア社会の中核となる存在だった。奴隷は、主に戦争や海賊行為や交易によって手に入れることができたもので、ヴァイキングが進出したあらゆる場所から連れてこられた。返済不能の債務者や死刑を宣告された者たちも奴隷となった。奴隷は主人の完全な所有物だった。『サガ』の物語の中にはヴァイキングの青年が刀の切れ味を試すという、ただそれだけのために奴隷を殺すという話が登場している。しかも、青年の父はそのことで子供を非難したりしないのである。

　しかし、ヴァイキングたちは、自分たちの所有物である牛や馬を大事にするのと同じ意味で奴隷を大事に扱った。奴隷を殺してはいけないというような道徳観念が欠けていたことは確かだが、多くの場合、無意味に殺すこともなかった。
　通常の場合、奴隷の数は１人か２人だったが、多い場合には３０人ほどいる場合もあった。また、豊かな世帯には自由人身分の家人や従僕がいることもあった。『エギルのサガ（１０章）』に登場するソーロールヴというボーンディは、物語的な誇張があるにせよ、１２０人の家人・従僕をかかえていた。ボーンディ、家族、奴隷を含めて平均的な世帯は約２０人で構成されていた。

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海賊学

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