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フランボワイヤン・ワールド
海の冒険者たち
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イオの末裔
〔Kindle版〕

販売開始しました。
《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。


大航海の時代
第一章 豊かなるインド

2.イスラム商人の時代

 ヨーロッパ人がやって来るまで、インド洋はイスラムの海だった。インド洋の商船貿易はイスラム商人たちが独占していたのだ。

 イスラム世界の航海者というと、すぐにシンドバードが思い出されるが、実際イスラムの港町には、シンドバードのような航海者が数多く存在していた。アッバース朝時代(★3)(750~1258年)にペルシャ湾の中継貿易港として繁栄したシーラーフの海上商人の中には、40年もの間、シンドバードのように全財産を船に積み込んで海上貿易に従事した者がいたという。
 しかし、すでにアッバース朝時代には、イスラム商人たちの貿易活動は極めて組織的で大規模なものになっていたと考えられる。イスラム商人たちは、インド洋のモンスーン(★4)を利用して定期的に航海を行った。
 商船がアラビアへ向かうのは2月、インドへ向かうのは8~9月の時期だった。
 シーラーフではナボーザーと呼ばれる船舶経営者が、船団の編成や貿易先などを決定した。船にはナボーザーのほかに、ルッバーン(水先人)、バーバーニ(水夫)が乗り込んだ。
 シーラーフ以外にも数多くの交易都市があった。アッバース朝時代には、ペルシャ湾が航路として利用されたため、シーラーフ、スハールなどが繁栄した。
 北アフリカにファーティマ朝(★5)(909~1171年)が興ってからは、紅海航路が利用され、カイロやサワーキン、アデンなどが繁栄した。これらの交易都市は、単なる中継点ではなく、市場、埠頭、貯蔵庫、給水施設、外国商人の居留区などの高度な都市機能を備えていた。
 商人たちの居留地は、インドにも作られていた。商人たちは、現地の権力者と密接な関係を結ぶ必要があったし、必要に応じて長期間滞在することもあった。ターナ、サイムール、クーラム・マライなどがインドに作られたイスラム商人の居留地だった。

 イスラム商人たちがインドや中国にまで航海したのは、いうまでもなく、そこに彼らの求めるものがあったからだった。
 東アフリカ、アラビア、西アジアの特産物を、インド、中国の特産物と交換するというのが交易品の主な流れだった。もちろん、インドで買い入れたものを中国で売るといったことも行われた。

 インド洋貿易圏で取り引きされた物品は、時代によって多少異なるが、物品のリストを簡単にまとめると次のようになる。
●インド洋をめぐる貿易品目

◆コラム◆船乗りシンドバード

「船乗りシンドバードの物語」は『アラビアン・ナイト』の中でも、最も有名な物語のひとつだ。
 カリフのハールーン・アル・ラシードの時代、バクダードに住んでいた船乗りシンドバードは、もともと大商人の息子だったが、今では親をはるかにしのぐ大金持ちになっていた。
 そんな彼も、若い時には父の遺産を食いつぶし、わずかな家財道具以外なにも残っていないというほど落ちぶれたことがあった。
 にもかかわらず再び大金持ちに戻れたのはどうしてだろう? ここでシンドバードは、自分が若かった時に経験した不可思議で破天荒な7回の航海について語り始めるのだ。

 シンドバードによれば、彼の航海は必ず奇妙な事件に出くわした。
 嵐に遭うなどは日常茶飯事。間違えて巨大な鯨の背中に上陸してしまったり、ロクという怪鳥に襲われたりするのである。それでも彼は、いつも奇跡的に命拾いをし、見知らぬ土地にたどり着くのだった。ところがそこで待ち受けていたのも数々の冒険だった。人間を串刺しにして焼いて食う化け物に捕まったり、土民に井戸の中に閉じ込められたり…。

 このように、シンドバードは九死に一生を得るというような冒険を繰り返すのだが、見知らぬ土地で手に入れた品物が、はからずもシンドバードをどんどんと金持ちにしていったのだ。ダイヤや真珠、すばらしい香などが未知の土地に存在していたからである。

 そんな危険な航海ならば一度きりで止めてしまえばよさそうなものだが、シンドバードはバグダードでじっとしていることができず、旅の味を求めてついに7回の航海を成し遂げたのである。

◆脚注◆

★3 アッバース朝
ウマイヤ朝没落後にイスラム世界を支配した王朝。750年にアブー・アルアッバース・アッサファーフによって創始された。2代カリフのマンスールの時にバクダードを首都とし、その繁栄を築いた。千夜一夜物語で知られるハールーン・アル・ラシード(在位786~809年)の頃が最盛期。

★4 モンスーン
季節風のこと。大陸と海洋の気圧の差によって吹く。インド洋では夏は西風、冬は東風となった。

★5 ファーティマ朝
北アフリカ、エジプトなどを征服したイスラムの王朝。当初はアッバース朝に従属していたが、10世紀半ばに完全に独立した。首都はカイロ。
大航海の時代目次
●第一章:豊かなるインド//|1.世界で最も盛んな貿易圏2.イスラム商人の時代3.ヨーロッパ世界と東洋
●第二章:航海者たちの迷信//|1.怪物からプレステ・ジョアンの国まで2.ヨーロッパ人の世界地図
●第三章:大洋を越えた航海者たち//|1.イタリア商人の影響2.航海者エンリケ王子3.ポルトガル王の派遣した航海4.西に向かったスペイン
●第四章:カラベル船とキャラック船//|1.大航海時代を可能にしたカラベル船2.キャラック船とサンタ・マリア号3.大航海時代初期の武器
●第五章:船乗りたちの生活//|1.古い船乗りと新しい船乗り2.船乗りたちの日課3.最低レベルの生活条件
●第六章:スペインの繁栄//|1.ポルトガルの衰退2.スペインの繁栄
●第七章:レパントの海戦//|1.オスマン・トルコ2.キリスト教神聖同盟の結成3.最後のガレー船による戦い
大航海時代

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《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。

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