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フランボワイヤン・ワールド
海の冒険者たち
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イオの末裔
〔Kindle版〕

販売開始しました。
《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。
大航海の時代
第二章 航海者たちの迷信

2.ヨーロッパ人の世界地図

 たとえそれが現実的な利益を求めるものであれ、プレステ・ジョアンの国のような宗教的な動機に基づくものであれ、大航海時代初期の航海者たちが目指した場所は「東洋」だった。当時のヨーロッパ人たちは、エチオピアやエジプトも東洋にあると考えていた。

 目的の場所が決まれば、後はどのようにして東洋に至るかが問題になるだけだった。
 しかし、それがどこにあるのかだれも知らなかった。15世紀の地理的知識は、大航海を企てようとする航海者たちにとってまったく役にたたないものばかりだったのである。
 ヨーロッパの地理学は、ギリシア・ローマ時代以降ほとんど進歩していなかった。たとえば、2世紀のアレクサンドリアに登場したプトレマイオスの地理学は、15世紀のヨーロッパでも大きな影響力を持っていた。
 プトレマイオスによれば、世界にはヨーロッパ、アジア、アフリカの3大陸が存在していたが、それぞれの大陸は両端が陸続きになっており、インド洋は内海であると考えられていた。ルネッサンス期になってからもこのように考える地理学者が存在し、プトレマイオスに基づく世界地図が印刷されたのである。

 もちろん、15世紀のヨーロッパ人はプトレマイオスをうのみにしたわけではなかった。すでにマルコ・ポーロなどから多くの情報を手に入れていた多くのヨーロッパ人は、少なくともインド洋が内海だとは考えなかった。プトレマイオスを基本としながらも、最新の情報によってそれを修正したのが当時のヨーロツパの地理学だったのである。
では、大航海時代の航海者たちが実際に信じていた世界地図はどのようなものだったのだろう? ここでは、コロンブスの航海に直接的な影響を与えた高名な地理学者トスカネリ(★9)の場合を見てみよう。

 トスカネリは、プトレマイオスとマルコ・ポーロを折衷した世界を想定していた。その世界は、まるで始めから西周りでインドに到達することを前提して描いたと思えるほど、西周り航路に都合のいいものだった。
 トスカネリはアジアの位置についてはマルコの説を、地球の大きさについてはプトレマイオスの説を採用したのである。その結果、カナリア諸島から日本までは1500海里 (約2778km)、中国東岸までは5000海里(約9260km)という実際よりもはるかに短い距離になってしまったのである。(実際は1万8000km以上ある)。

 1492年、コロンブスが西周りで東洋を目指したのは、決して彼が無知だったからではなかった。彼は非常な勉強家で、ラテン語も、書くことはできなかったものの自由に読むことができ、頭の中には地理や世界形状誌の最新の知識が詰め込まれていた。むしろそうであるからこそ、コロンブスは西周り航路を目指したのである。
 彼は、1474年頃からはトスカネリとも文通を行い、更に西周り航路の確信を深めたといわれている。
 しかし、東洋までの距離を実際よりもはるかに短く計算することにおいて、コロンブスはトスカネリ以上の情熱を発揮してしまった。コロンブスは中国までの距離を3500海里、日本までの距離を2400海里と計算したのである。
 2400海里というのは、カナリア諸島から西インド諸島内にあるバージン諸島までの距離とほぼ一致する。結果的にアメリカ大陸を発見したコロンブスが、終生、自分の到達した場所が東洋だと信じて疑わなかったのも、こうした信念に裏づけられていたからなのである。

◆脚注◆

★9 トスカネリの世界地図
 トスカネリの地図にはアメリカ大陸は影も形も存在しない。アフリカ西岸から西航することで直接東洋に到達できると考えていたことがよくわかる。
大航海の時代目次
●第一章:豊かなるインド//|1.世界で最も盛んな貿易圏2.イスラム商人の時代3.ヨーロッパ世界と東洋
●第二章:航海者たちの迷信//|1.怪物からプレステ・ジョアンの国まで2.ヨーロッパ人の世界地図
●第三章:大洋を越えた航海者たち//|1.イタリア商人の影響2.航海者エンリケ王子3.ポルトガル王の派遣した航海4.西に向かったスペイン
●第四章:カラベル船とキャラック船//|1.大航海時代を可能にしたカラベル船2.キャラック船とサンタ・マリア号3.大航海時代初期の武器
●第五章:船乗りたちの生活//|1.古い船乗りと新しい船乗り2.船乗りたちの日課3.最低レベルの生活条件
●第六章:スペインの繁栄//|1.ポルトガルの衰退2.スペインの繁栄
●第七章:レパントの海戦//|1.オスマン・トルコ2.キリスト教神聖同盟の結成3.最後のガレー船による戦い
大航海時代

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イオの末裔
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《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。
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