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フランボワイヤン・ワールド
海の冒険者たち
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 小説
イオの末裔
〔Kindle版〕

販売開始しました。
《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。
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イオの末裔
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大航海の時代
第三章 大洋を越えた航海者たち

4.西に向かったスペイン

 1460年頃から、ポルトガルの隣に位置するスペインも海外に目を向け始めていた。
 ポルトガルの躍進に比べる時、1492年までのスペインは、ほとんど何もしていないのと同じだった。しかし1492年に、スペインの海外進出を飛躍的に進展させ、やがてはポルトガルをはるかに凌駕する海洋国家へと発展させる基礎が築かれる。
 コロンブスが登場したからだ。

 クリストファー・コロンブスは、実際にはアメリカ大陸を発見したものの、心の中ではインドを目指した航海者だった。彼は20代の時、すでに相当な海上経験を持っていたが、個人的にも勉強を積み重ねており、インドへ到達するための最良の方法を自分なりに研究していた。彼は西周り航路こそ、最もやすやすとインドへ到達できる方法だと信じていたのである。

 コロンブスはジェノバ生まれだったが、 25歳の時に乗船が沈没するという不運に見舞われ、それ以来、その時に泳ぎついたポルトガルに住んでいた。そこで、コロンブスは長い間暖め続けたインドへの西周り航路を実現するため、まず始めにポルトガル王室を訪ねた。1482年のことだった。
 しかし、当時のポルトガル国王ジョアン2世は、東周り航路に夢中になっており、コロンブスの意見を採用しなかった。1485年、コロンブスは、今度はフェルナンド王とイザベラ女王のスペイン王室を訪れた。数年間も待たされたあげく、コロンブスはやっとイザベラ女王から発見航海の権限を与えられた。こうして、コロンブスの歴史的な航海が始まるのである。

 1492年8月3日、コロンブスの船団がスペインの小港パロスを出帆した。旗艦「サンタ・マリア号」「ニーニャ号」「ピンタ号」の3隻だった。ニーニャ号とピンタ号はカラベル船、サンタ・マリア号はキャラック船だった。

いずれの船も長さが20余メートルだったが、サンタ・マリアが100トン程度の船だったのに対して、ほかの2隻は50トン程度の積載量しかなかった。
 コロンブスの航海は全体的に平穏無事だった。船団は、まず始めにカナリア諸島に立ち寄り、9月6日に大西洋をまっすぐ西に向かう航海に出た。あまりにも長い間、陸地を見ることができない船員たちが、航海の途中で反乱を起こしそうにもなったが、その数日後の10月12日に陸地が発見された。バハマ諸島のサン・サルバドル (ワトリング)島である。

 コロンブスは、この後3か月間に渡って、キューバ島、エスパニョラ島などを探検したが、探検の末期になって座礁のために旗艦サンタ・マリア号を失った。そこでコロンブスは、ハイチ岬近くに砦を作ると40人ほどの乗員を植民者としてそこに残すことにした。こうしてコロンブスは、1493年3月4日、ニーニャ号に乗ってリスボンに帰還したのである。

 この航海でコロンブスが発見したのはアメリカだったが、彼は自分が発見したのはインドだと信じていた。スペイン中がそうだと信じていた。そして、コロンブスは国王によって「大洋の提督」「インド地方副王」に任命されたのである。
 コロンブスは、全部で4次に渡るアメリカ航海を行っているが、第1次航海以外は、どちらかというと失望の方が大きい航海だった。コロンブス自身は、最後までそこがインドだと信じてはいたが、東洋に存在すべき黄金の国ジパング(★11)も香料諸島もそこには存在しなかった。
 1504年、イザベラ女王が死ぬと、もはやコロンブスには庇護者は1人もいなかった。コロンブス以降、矢継ぎ早に5回の航海が行われた。これにより多くの人々が、そこはインドではなく、もっと別な場所なのだということに気づき始めた。そして、1504年にはアメリゴ・ヴェスプッチがその陸塊を新しい大陸だと確信し、「新世界」という言葉で呼んだのである。
 1513年にはヴァスコ・ヌ二エス・デ・バルボアがパナマ地峡部を横断し、太平洋を発見している。

 こうした数々の発見によって、スペインの西周りでインドに到達しようという希望は完全に閉ざされたようだった。インドは太平洋のはるか彼方、驚くほど遠い場所にあると考えられたからだ。

●スペイン人による主な航海(地図)

 ところが、それでもまだ西周りでインドに簡単に到達できると考える者がいた。フェルデナンド・マゼランがその人だった。
 マゼランは、どういうわけか晩年のコロンブスに近い考えを持っていた。たとえば、マゼランはアメリカが独立した大陸だとは考えていなかった。マゼランは、1492年に作成されたマルティン・ベハイムの世界地図と同じように、アメリカは東洋の東端にあって、南の方向に大きく突き出した巨大な半島だと考えていた。したがって、その半島の最南端を迂回することができれば、簡単に東インドに到達できると考えたのである。

 スペイン王カルロス1世は、マゼランの考えにインドへ到達するための最後の望みをかけることにした。1494年のトリデシリャス条約で定められた西経46度(東経134度)のスペイン領とポルトガル領の分割線が、地球の裏側で仮にも香料諸島を横切るならば、スペインもまた香料諸島の権利を主張することができるからだ。
 しかし、カルロス1世がマゼランのために用意した船団は、おせじにも立派なものとはいえなかった。航海が成功するかどうかわからなかったし、たとえ成功したとしても、香料諸島がスペイン領に含まれるかどうかはわからなかったからだ。
 こうしてマゼランは、1519年9月、最悪の船5隻と最低の乗員を引き連れてグァダルキビル河口の港を出帆した。

 しかし、この航海はこれまでに成し遂げられたどの航海よりも無残で壮絶なものだった。マゼランの率いる船団は、3年かけて世界で初めて地球を1周したが、スペインを出発した時には総勢270名、船団の数は5隻だったのが、帰ってきた時にはぼろぼろになった1隻の船にたった18人だけになっていた。提督のマゼランもセブ島 (フィリピン)で起こった現地人との争いの最中に惨殺されてしまった。

 マゼランは、1511~1512年にポルトガルのアブレウにしたがって、東周りでフィリピンよりも東方まで航海したことがあったから、西周りでフィリピンに到達した時点で、だれよりも早く世界周航を実現していたことになる。しかし、船団を率いてスペインに帰還し、世界周航の国家的栄誉を受けることはできなかったのである。

◆脚注◆

★11 ジパング
マルコ・ポーロがヨーロッパに伝えた東洋の島で、日本だと考えられている。黄金に満ち満ちていると伝えられたため、以来ヨーロッパ人のあこがれの島となっていた。
大航海の時代目次
●第一章:豊かなるインド//|1.世界で最も盛んな貿易圏2.イスラム商人の時代3.ヨーロッパ世界と東洋
●第二章:航海者たちの迷信//|1.怪物からプレステ・ジョアンの国まで2.ヨーロッパ人の世界地図
●第三章:大洋を越えた航海者たち//|1.イタリア商人の影響2.航海者エンリケ王子3.ポルトガル王の派遣した航海4.西に向かったスペイン
●第四章:カラベル船とキャラック船//|1.大航海時代を可能にしたカラベル船2.キャラック船とサンタ・マリア号3.大航海時代初期の武器
●第五章:船乗りたちの生活//|1.古い船乗りと新しい船乗り2.船乗りたちの日課3.最低レベルの生活条件
●第六章:スペインの繁栄//|1.ポルトガルの衰退2.スペインの繁栄
●第七章:レパントの海戦//|1.オスマン・トルコ2.キリスト教神聖同盟の結成3.最後のガレー船による戦い
大航海時代

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