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フランボワイヤン・ワールド
海の冒険者たち
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 小説
イオの末裔
〔Kindle版〕

販売開始しました。
《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。
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イオの末裔
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大航海の時代
第六章 スペインの繁栄

2.スペインの繁栄

 1529年、スペインはポルトガルと条約を結び、香料諸島の権利を完全に放棄した。マゼランの世界周航が行われたように、スペインもまた香料諸島に進出したいと考えていた。しかし、スペインにはインドにもアフリカにも拠点がなかった。そうなると、西周りでインドに到達した後、太平洋を東周りで戻ってくるという航路を開く必要があった。ところが、太平洋を東に進むのは、ほとんど不可能なことだった。太平洋上では常に東から西に強い風が吹いているからだ。このことは、マゼラン船団の1隻トリニダード号が香料諸島から東周りで太平洋横断を試み、失敗したことでわかっていた。こうしてスペインは、ついに香料諸島から手を引くことを決断したのだ。
 ただし、スペインが比較的あっさりと香料諸島から手を引いたのには、ほかにも理由があった。この頃には、スペイン人の目は遠い香料諸島ではなくもっと身近なアメリカ大陸の方を向いていたのである。

 コロンブスによる発見直後から、スペイン人たちはこぞってアメリカへと向かった。彼らは、そこが東洋だと信じていたから、どこかにあるに違いない黄金の国ジパングを求めて、アメリカへと渡ったのである。大貴族以外、あらゆる階層、職業の人々が、一攫千金を求めてアメリカへ足を運んだ。
 これらのスペイン人たちが最初に植民を行ったのは、カリブ海域の島々、なかでも大きな島が連なった大アンティル諸島だった。スペイン人たちは、そこで原住民たちを酷使し、金山の開発や砂金の採集に熱中したのだ。
 しかし、彼らの夢とは裏腹にカリブ海域の島々には黄金が存在しないということがわかった時、スペイン人たちの視線は広大なアメリカ大陸へと向かったのである。彼らは最初、大アンティル諸島で必要となる奴隷を狩るために大陸へ進出した。ところが、1517年、暴風雨のためにユカタン半島北端にたどり着いたエルナンデス・デ・コルドバの一行が、まったく偶然に高度な原住民の文明に出会ったことが、スペイン人の大陸進出に拍車をかけたのだった。

 それからのスペイン人たちは、ただひたすら黄金を求めて大陸へ進出した。黄金のためにならスペイン人たちはどんなひどいことでもやってのけた。アメリカ大陸には、アステカ、インカなどの原住民の高度な文明が存在していたが、この時期に大陸に進出したスペイン人は、これらの文明をことごとく破壊してしまったのである。これが、後世になってコンキスタドーレス(征服者たち)と呼ばれるスペイン人たちの活動だった。
 コンキスタドーレスの活動は、絶対に非難されるべき性質のものだったが、それによってスペインの運命が大きく変わったことは確かだった。何といっても、アメリカ大陸は大きかった。数十年の間に、そのほとんどがスペインの領土になったのである。それはブラジルを除く南米のすべて、メキシコから現在の合衆国の一部分を含むほどの広大な土地だった。スペイン人の目的も徐々に変更されていった。大陸征服当初は原住民から黄金財宝が略奪され、それに続いて金山や銀山が開発された。
 しかし、黄金に限界があることがわかると、奴隷を使った大々的なプランテーション(★17)を建設するようになった。これが、スペイン本国に永続的な富をもたらし、スペインの繁栄が作り出されたのである。

◆脚注◆

★17 プランテーション
おもに奴隷を使い、タバコ、米、藍などの商品作物を生産する大農園のこと。


◆コラム◆悪名高き征服者たち―コンキスタドーレス


 カリブ海域からアメリカ大陸本土へ向かったスペイン人たちは、1510~1550年の間に、原住民たちと戦いながらアメリカ地峡部、メキシコ、ペルー、新グラナダを次々に征服していった。こうした一連の征服者たちのことを、コンキスタドーレスと呼んでいる。
 ここで、コンキスタドーレスの征服の一例として、フェルナンド・コルテスのアステカ王国の征服を見てみよう。

 アステカ王国の征服は、1517年のエルナンデス・デ・コルドバによるマヤ文明の発見から始まった。この報告を受けたキューバ総督ベラスケスは、すぐにもフェルナンド・コルテスを指揮官に任命し、500人を越える兵士たちをその地に派遺したのだ。
 スペイン人の騎兵隊は、あっというまにマヤ族の地を征服すると、更に西へと進んだ。マヤ人のロからメキシコ中央高原にある黄金にあふれたアステカ王国のことを知ったからだ。
 1519年日11月8日、コルテス率いる征服軍はアステカ王国の首都テノチティラトンに入った。そこは湖の中に作られた町で、非常に美しく、人口は20万人を数えたと伝えられている。
 コルテスは最初、アステカ人が何の抵抗もしないのをいいことに、国王のモクテスマを捕虜にすると、アステカ王国全土から黄金を集めさせたが、やがてアステカ軍が反乱を企てると一度はテノチティラトンを逃げ出した。
 しかし、1521年の春になると、コルテスは武力でアステカを制圧するために再びテノチティラトンにやってきた。そして、今度こそ完全にテノチティラトンを破壊してしまったのだった。凄惨な殺し合いの後、テノチティラトンは、どこもかしこも焦土と化していた。

 破壊行為だけでなく、征服後の統治方法においてもコルテスは徹底していた。アステカ王国の文化や宗教はことごとく破棄され、何もかもがスペイン式に行われるようになった。首都の廃虚の跡には、スペイン人の手でメキシコ市が築かれ、アステカ王国はヌエバ・エスパ二ャ(新スペイン)王国となって、昔日の面影を消してしまったのである。
大航海の時代目次
●第一章:豊かなるインド//|1.世界で最も盛んな貿易圏2.イスラム商人の時代3.ヨーロッパ世界と東洋
●第二章:航海者たちの迷信//|1.怪物からプレステ・ジョアンの国まで2.ヨーロッパ人の世界地図
●第三章:大洋を越えた航海者たち//|1.イタリア商人の影響2.航海者エンリケ王子3.ポルトガル王の派遣した航海4.西に向かったスペイン
●第四章:カラベル船とキャラック船//|1.大航海時代を可能にしたカラベル船2.キャラック船とサンタ・マリア号3.大航海時代初期の武器
●第五章:船乗りたちの生活//|1.古い船乗りと新しい船乗り2.船乗りたちの日課3.最低レベルの生活条件
●第六章:スペインの繁栄//|1.ポルトガルの衰退2.スペインの繁栄
●第七章:レパントの海戦//|1.オスマン・トルコ2.キリスト教神聖同盟の結成3.最後のガレー船による戦い
大航海時代

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