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フランボワイヤン・ワールド
海の冒険者たち
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 小説
イオの末裔
〔Kindle版〕

販売開始しました。
《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。
大英帝国を築いた海賊たち
第二章 ドレークを育てたイギリスの大航海時代

1.イギリス人による北西・北東航路の探究

 フランシス・ドレークの世界周航によって、イギリス人の航海熱は一気に高まった。ドレークと同時代にはジョン・ホーキンズという有名な奴隷商人がいたし、その後にはヴァージニア植民で名高いウォルター・ローリーが登場する。彼らは、エリザベス期のイギリスに大きな功績を残した人物たちであるが、これらの偉大な成果は、ある日突然、唐突に生まれたわけではなかった。

 イギリスの大航海時代が幕を開けたのは、ちょうどドレークが少年時代だった1550年代のことだった。
 といってもイギリスのような小国がスペインのような大国に真っ向から挑戦するわけにはいかなかった。
 イギリス海峡で活躍する私掠船(★7)の中には、相手がスペイン船でもかまわずに略奪行為を行うような無謀な連中もいたようだが、イギリスとしては、スペインと表立ってことを構えるわけにはいかなかった。英西間には1489年にメディナ・デル・カンポ条約(★8)が結ばれており、イギリスはスペインの恩恵を受けていたのである。
 こうしたことから、1550年代に始まるイギリスの海外進出は、スペインの所有する中南米を避けて別な方向に進まないわけにはいかなかった。イギリスが目指したのは北方航路の探求だった。

 北方航路には、北西航路と北東航路があった。いずれも北西または北東に進むことで中国などのアジアに到達しようという試みだった。

 北東航路の探検として有名なのは、1553年のサー・ヒュー・ウィロビ、リチャード・チャンセラーらの航海だ。彼らは中国に到達することはできなかった。ノルウェー沖で嵐に会った船団は、散り散りになり、北極圏のラップランド海岸で冬営しようとしたウィロビは部下と共にその場所で凍死してまった。
 しかし、チャンセラーの1隻だけは、どうにかロシアにたどり着き、モスクワ公国のイワン雷帝に合うことができたのである。

 北西航路の探求は、マーティン・フロビッシャーによって実行された。
彼は1576、77、78年と3次に渡る冒険を試みた。もちろん、中国にたどり着けるわけもなかったが、彼は現在フロビッシャー湾と名づけられているあたりまで航海し、エスキモーを連れて帰ると、中国のタタール人(★9)だと後援者たちにホラを吹いたのである。後援者たちは大喜びだったという。
 これらの航海で、フロビッシャーは黒い鉱石を大量に運んできたが、これに金が含まれている可能性があるというのも大きな話題になった。専門家が集まって何度も分析試験が行われた。しかし、結局のところ金が含まれているかどうかはわからなかったという。

◆脚注◆

★7 私掠船
 国家の許可を得て略奪を行った海賊のこと.当時ヨーロッパの各国は激しく対立しており、手段を問わず敵国に打撃を与えたかったのである。

★8 メディナ・デル・カンポ条約
 1489年にイギリス・スペイン間で結ばれた通商条約。これによって、イギリス商人はカナリア諸島などのスペイン領での貿易を許されていた。

★9 タタール人
 現在はロシア領内に住むトルコ系の諸種族を総称してタタール族と呼ぶが、ここではモンゴル系の韃靼(だったん)人のことをいっている。
大英帝国を築いた海賊たち目次
●第一章:海賊が作った大英帝国の基礎|1. 60万ポンドをもたらした大遠征2.サー・フランシス・ドレークの誕生3.エリザベス期のイギリス人の野心と現実
●第二章:ドレークを育てたイギリスの大航海時代|1.イギリス人による北西・北東航路の探求2.最も危険な南西航路
●第三章:ジョン・ホーキンズと悪名高い奴隷貿易|1.ドレークを育てた港町プリマスとジョン・ホーキンズ2.サン・フアン・デ・ウルアの事件
●第四章:ドレークの時代と世界周航|1.復讐のための聖なる略奪2.不屈の執念で成し遂げた財宝略奪3.フランシス・ドレークの世界周航計画4.ドレーク海峡の発見5.カカフェゴ号とドレーク流の略奪6.ドレーク湾の銘板と最大の危機
●第五章:ガレオン船の時代|1.キャラック船からガレオン船へ2.ガレオン船とイギリス艦隊とゴールデン・ハインド号
●第六章:無敵艦隊を打ち破る|1.ドレークの先制攻撃2.無敵艦隊とイギリス艦隊3.ドレークの個人行動4.カレー沖の火船作戦5.無敵艦隊の敗走とイギリスの勝利
●第七章:フランシス・ドレークの最期|1.プリマス市長そして最後の遠征
●第八章:英国の政界制覇への道|1.オランダの台頭と二大海洋国家の激突
海賊学

 小説
イオの末裔
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《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。
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