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フランボワイヤン・ワールド
海の冒険者たち
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 小説
イオの末裔
〔Kindle版〕

販売開始しました。
《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。


大英帝国を築いた海賊たち
第三章 ジョン・ホーキンズと悪名高き奴隷貿易

2.サン・フアン・デ・ウルアの事件

 2回に渡る奴隷貿易の成功に気をよくしたホーキンズは、当然のように3回目の航海を計画した。そして、この3回目の航海にフランシス・ドレークも参加することになるのである。

 ドレークは、ホーキンズの3回目の航海に参加する直前に、生まれて初めての本格的な航海を経験していた。ドレークはホーキンズの手引きによって、1566年にジョン・ロベル率いる奴隷船航海にパーサー(主計長)として参加したのだ。これは西アフリカで入手した奴隷をマルガリータ島やリオ・デ・ラ・アチャで売りさばく航海だったが、プリマスに帰り着いたドレークは、数日してすぐにホーキンズの航海に参加したのである。

 しかし、ホーキンズの3回目の航海は大成功の夢とは裏腹に、イギリスとスペインの対決ムードを一気に高める結果となってしまったのである。

 1568年、ホーキンズ率いる第3回目の奴隷船団は、合計6隻の船でプリマスを出帆した。ドレークは、当初ホーキンズを船長とする船団の旗艦「ジーザス・オブ・リューベック号」に乗り込んだが、航海の途中でフランスの奴隷船を捕獲してからは、早くも「ジュディス号」(★13)の船長に出世していた。船団は西アフリカ沿岸で約500人の奴隷を積み込み、カリブ海に向かった。

 航海に暗雲が漂い始めたのは、船団がカリブ海に入ってからだった。スペインの態度は以前よりもはるかに硬化しており、どうにか半分程度の奴隷をさばくのがやっとだったのだ。リオ・デ・ラ・アチャでは、ほかならぬドレークがスペイン人との間に小さな武力衝突を起こしてしまった。
 ほかの船よりも一足早く到着したジュディス号に向けて、スペイン人が発砲したのがきっかけだった。もともとスペイン人嫌いのドレークは、すぐに大砲を発射、砲弾2発が総督邸に命中してしまったのだ。そのため、ホーキンズたちがやってきた時には、すでに一触即発のムードだったのである。

 さらに悪いことが続いた。リオ・デ・ラ・アチャを後にし、フロリダ海峡を航海中、船団は猛烈な嵐に襲われ、ホーキンズの乗る旗艦がひどく傷められてしまったのだ。こうして、船団は船の修理を行うため、やむをえずメキシコ湾岸の小港サン・フアン・デ・ウルア(★14)に寄港したが、これこそ不幸な事件の始まりだった。
 2日後にスペインの定期輸送船団がその港に到着した。そこは、メキシコ銀がスペインに向けて積み出される重要な港だったからだ。慌てたホーキンズは、スペイン人と取引を行い、武力による対決は行わないことを約束した。しかし、スペイン人たちは卑怯にも数日後の夕方、ホーキンズ船団に奇襲攻撃を仕掛けてきたのである。このため、ジーザス・オブ・リューベック号は炎上、ホーキンズはミニオン号に乗り込み、やっとのことで逃げ出したのである。ドレーク船長のジュディス号もどうやら逃げ出したようだったが、 2隻は離ればなれになってしまった。
 残されたイギリス人たちは、スペイン人の手で殺されたり、奴隷としてこき使われることになったのである。

 ところで、サン・フアン・デ・ウルアでホーキンズ艦隊が攻撃された時、ドレーク船長のジュディス号だけがほかの船を見捨てて逃げ出してしまったといわれている。ホーキンズは、帰国してからこのことでドレークを責めている。これが本当かどうかはわからないが、ドレークにはどうもそういう身勝手なところがあったようである。後にスペイン無敵艦隊がイギリスに攻めてきた時にも、彼は重要な役割を放棄して勝手な行動を起こし、ほかの船長を危機に陥れている。自分のことは自分で考えろ、それがドレークの哲学なのかもしれない。

◆脚注◆
★13 ジュディス号
 ジュディス号は、ホーキンズ所有の3本マストのガレオン船だった。18ポンドカルバリン砲16門、9ポンドデミカルバリン砲10門搭載、排水量736トン、120人乗り。

★14 サン・フアン・デ・ウルアの港
 サン・フアン・デ・ウルアは陸から1kmほどの海上に長さ300mほどの人工の防波堤を築き、その内側に船舶係留用の鉄輪を並べただけの簡単な港だった。
大英帝国を築いた海賊たち目次
●第一章:海賊が作った大英帝国の基礎|1. 60万ポンドをもたらした大遠征2.サー・フランシス・ドレークの誕生3.エリザベス期のイギリス人の野心と現実
●第二章:ドレークを育てたイギリスの大航海時代|1.イギリス人による北西・北東航路の探求2.最も危険な南西航路
●第三章:ジョン・ホーキンズと悪名高い奴隷貿易|1.ドレークを育てた港町プリマスとジョン・ホーキンズ2.サン・フアン・デ・ウルアの事件
●第四章:ドレークの時代と世界周航|1.復讐のための聖なる略奪2.不屈の執念で成し遂げた財宝略奪3.フランシス・ドレークの世界周航計画4.ドレーク海峡の発見5.カカフェゴ号とドレーク流の略奪6.ドレーク湾の銘板と最大の危機
●第五章:ガレオン船の時代|1.キャラック船からガレオン船へ2.ガレオン船とイギリス艦隊とゴールデン・ハインド号
●第六章:無敵艦隊を打ち破る|1.ドレークの先制攻撃2.無敵艦隊とイギリス艦隊3.ドレークの個人行動4.カレー沖の火船作戦5.無敵艦隊の敗走とイギリスの勝利
●第七章:フランシス・ドレークの最期|1.プリマス市長そして最後の遠征
●第八章:英国の政界制覇への道|1.オランダの台頭と二大海洋国家の激突
海賊学

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イオの末裔
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《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。

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