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フランボワイヤン・ワールド
海の冒険者たち
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 小説
イオの末裔
〔Kindle版〕

販売開始しました。
《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。
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イオの末裔
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大英帝国を築いた海賊たち
第六章 無敵艦隊を打ち破る

2.無敵艦隊とイギリス艦隊

■無敵艦隊とイギリス艦隊

 スペイン無敵艦隊がイギリス海峡入口にあるプリマス港沖に姿をあらわし、イギリス艦隊がそれを迎え撃つという形で相対峠し、歴史に残る海戦が始まるのは、1588年7月30日だった。
 フランシス・ドレークは、この海戦に先立ってイギリス艦隊副指令長官に任命されていた。総指令長官は、貴族で海軍長官のハワード卿だった。

 この任命はドレークにとって心外だった。ドレークは、無敵艦隊を打ち倒すべきイギリス艦隊の指令長官には、海戦に長けた自分こそが適任だと自負していたのだ。しかし、なんといってもそれは女王の任命だった。ドレークは不満を押し殺し、積極的に働いた。

 無敵艦隊は、ガレオン船、キャラック船、ガレアス船、ガレー船といった種々雑多な124隻の船で構成されていた。
 5月9日にリスボン港を出た時には129隻だったが、途中で嵐に遭い、あちこちうろうろしているうちにガレー船4隻を含む5隻が脱落していた。
 この艦隊はドレークたちを驚かした。船の数はもちろんだが、それ以上にその装飾の派手さはイギリス人には信じられないほどだった。ありとあらゆる帆には華麗な絵が描かれ、マストのてっぺんには極彩色の吹き流しが風に揺れていたのだ。これに対してイギリス艦隊は、ハワード卿とドレークの艦隊を合わせて102隻で、ガレオン船が主力。ドレークはリベンジ号、ハワード卿はアーク号、フロビッシャーはトライアンフ号、ホーキンズはビクトリー号に乗って参加していた。このほか、ヘンリー・セイモア率いる艦隊35隻がダウンズ泊地で待機していた。ウォルター・ローリーは陸軍を率い、スペイン軍が上陸した時に備えていた。

 これら両軍がプリマス沖で20カイリほど隔てて対峠したのである。

■無敵艦隊の半月型陣形

 最初に仕掛けたのはイギリス艦隊だった。
 両軍が対峠していた時、無敵艦隊は敵艦隊の風上に位置し、非常に有利だった。ところが、ガレオン船主体のイギリス艦隊は、その機動力を活かして風上方向に間切って進むと、無敵艦隊を迂回してあっというまに風上側の位置を占めたのだ。無敵艦隊は、近づく敵艦と一度は砲火を交わしたが、敵の動きを止めることはできなかった。
 しかし、これ以降は再びにらみ合いの状態が続いた。無敵艦隊が有名な半月型陣形をとったからだ。

 半月型陣形は中央部分に戦闘能力の低い輸送船団が密集し、その周りを重武装の船隊が囲み、イギリス艦隊に向かって翼を広げるような戦闘隊形だった。間違って、その中央部分に突っ込もうものなら、翼のように広がる船団にたちまち取り囲まれ、集中攻撃を受けるのは確実だった。
 これにはイギリス艦隊は驚かないわけにはいかなかった。これまでは、海戦のための陣形など考えたこともなかったからだ。イギリス艦隊は、ドレークのような海賊上がりが主力であり、自分勝手に敵船をやっつけることしか知らなかったし、経験もなかった。
 風上にいたイギリス艦隊は、とりあえず敵艦隊に追いつかないように注意しながら、その後を追うしかなかった。時々無敵艦隊に近づいては砲撃を浴びせてみたものの、大した損害を与えることはできなかった。
 初日の敵の損害のすべては、複雑な陣形内で味方の艦同士が衝突するなど、誤って自爆してしまったことによるものだった。自爆したのはサン・サルバドル号だった。遠征に妻を同伴した乗組員が、隊長と妻の浮気を目撃し、腹を立てて火薬樽に火をつけたためだった。

◆無敵艦隊の半月型陣形
◆無敵艦隊の編成
船隊 旗艦 司令官 船数
①ポルトガル・ガレオン船隊 サン・マルティン号 総司令官シドニア 12隻
②力スティリア・.ガレオン船隊 サン・クリストバル号 ヴァルデス 16隻
③ナポリ・ガリアス船隊 サン・ロレンソ号 モン力ダ 4隻
④ビスケイ湾大型商船船隊 エル・グラン・グリン号 リカルデ 14隻
⑤ギブスコアン大型商船船隊 サンタ・アナ号 オケンド 12隻
⑥アンダルシア大型商船船隊 デル・ロザリオ号 ヴァルデス 11隻
⑦レバント大型商船船隊 ラ・レガゾナ号 ベルテンドーナ 10隻
⑧小型快速船船隊 デル・ビラル・デ・サラゴサ号 メンドーサ 22隻
無敵艦隊は8個の船隊で構成されていた。当初は9個の予定だったが、ガレー船4隻が失われたため8個になった。これらの船隊のほかに、輸送船団23隻があった。

■無敵艦隊の作戦

 無敵艦隊とイギリス艦隊の戦いは、全般的ににらみ合いの状態が多かったが、これはスペイン側の作戦によるものだった。無敵艦隊は、ネーデルランドのダンケルクでパルマ公の軍隊と合流し、その後はイギリスに上陸することを考えていたのだ。パルマ公は、スペインから派遣されたネーデルランド総督で、3万人の歩兵を用意することになっていた。そのため、無敵艦隊はできるだけ海戦を避け、いち早く目的地に向かう必要があった。
 上陸作戦が基本だったから、無敵艦隊には水夫の数よりはるかに多く、陸上で戦うための兵士が乗り組んでいた。その内訳は次の通りだった。

◆無敵艦隊乗員の内訳
水夫 8000名
陸上兵士 19000名
奴隷漕手 2000名
その他(従者など) 700名
大英帝国を築いた海賊たち目次
●第一章:海賊が作った大英帝国の基礎|1. 60万ポンドをもたらした大遠征2.サー・フランシス・ドレークの誕生3.エリザベス期のイギリス人の野心と現実
●第二章:ドレークを育てたイギリスの大航海時代|1.イギリス人による北西・北東航路の探求2.最も危険な南西航路
●第三章:ジョン・ホーキンズと悪名高い奴隷貿易|1.ドレークを育てた港町プリマスとジョン・ホーキンズ2.サン・フアン・デ・ウルアの事件
●第四章:ドレークの時代と世界周航|1.復讐のための聖なる略奪2.不屈の執念で成し遂げた財宝略奪3.フランシス・ドレークの世界周航計画4.ドレーク海峡の発見5.カカフェゴ号とドレーク流の略奪6.ドレーク湾の銘板と最大の危機
●第五章:ガレオン船の時代|1.キャラック船からガレオン船へ2.ガレオン船とイギリス艦隊とゴールデン・ハインド号
●第六章:無敵艦隊を打ち破る|1.ドレークの先制攻撃2.無敵艦隊とイギリス艦隊3.ドレークの個人行動4.カレー沖の火船作戦5.無敵艦隊の敗走とイギリスの勝利
●第七章:フランシス・ドレークの最期|1.プリマス市長そして最後の遠征
●第八章:英国の政界制覇への道|1.オランダの台頭と二大海洋国家の激突
海賊学

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