小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
販売開始しました。 |
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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大英帝国を築いた海賊たち |
第六章 無敵艦隊を打ち破る
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1.ドレークの先制攻撃
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世界周航の業績によってナイトに叙任されて以降も、フランシス・ドレークは「海の男」として活躍し続けた。その中でも、スペイン無敵艦隊に対する彼の戦いぶりは、国民的英雄と呼ぶにふさわしいものだった。
1585年のスペイン軍によるアントワープ占領(★21)を期に、イギリスとスペイ
ンは完全に対立しなければならない関係になったが、1587年2月にメアリー・スチュアートが処刑されたことで、全面戦争はほぼ決定的となった。
スペインのフェリペ2世は、ついに無敵艦隊によるイギリス攻撃を計画すると、ポルトガルのリスボン港に大艦隊を結集し始めたのだ。
この情報はすぐにイギリスにも伝わった。エリザベス女王は長い間、スペインとの全面対決は避けたいと望んでいたが、事態がここまでくるとじっとしているわけにはいかなかった。またしても、ドレークが活躍する舞台が整えられたのである。
ドレークが考えたのは、無敵艦隊の出撃準備が整わないうちに先制攻撃を行うというものだった。エリザベス女王は、あくまでもドレーク個人の行為として、それを黙認した。
4月2日、23隻から成る艦隊がプリマス港を出帆した。この中には、女王直属の大型ガレオン船4隻も含まれていた。旗艦エリザベス・ボナベンチャー(600トン)、ゴールデン・ライオン(500トン)、レインボー(500トン)、ドレッドノート(400トン)である。
ドレークの先制攻撃は成功した。まず始めにポルトガルのカディス港を襲撃したドレーク艦隊は、碇泊中の商船数十隻を破壊した。無敵艦隊の主力艦はまだカディスに結集していなかったので、残念ながら破壊することはできなかったが。
次にドレークは、エンリケ航海王子で有名なサグレス城砦(★22)を攻略した。エンリケが残した数々の遺物が、ほとんど完全に破壊されたのはこの時だった。
セント・ヴィンセント岬周辺では、海賊のように海上を哨戒し、100隻以上の敵船を破壊した。さらにアゾレス諸島攻撃の際には、1500トン以上のキャラック船サン・フェリペ号を襲撃し、11万4000ポンド相当の金銀を略奪したのである。
この結果、スペイン無敵艦隊のイギリス遠征は約1年間も延期せざるを得ない状態に陥ったのだ。
◆先制攻撃の航路◆
先制攻撃艦隊は4月2日にプリマスを出帆、6月26日に凱旋した。
①カディス港襲撃
商船数十隻を破壊
②サグレス城砦攻略
エンリケの遺物破壊
③セント・ヴィンセント岬襲撃(サグレスの近く)
艦船100隻以上破壊
④アゾレス諸島襲撃
サン・フェリペ号から11万4000ポンド略奪。
◆脚注◆
★21 アントワープ占領
ネーデルランド独立戦争の最中の1585年、スペインのパルマ公に率いられた軍がオランダ商業の中心地であるアントワープを占領し、プロテスタントの信徒たちを国外に追放した事件。オランダと同様にプロテスタント勢力であるイギリスは、この時にオランダを援助し、カトリック教国であるスペインと戦争状態に入った。
★22 サグレス城砦
航海者エンリケ王子が、冒険航海を企画するため、1518年から居館を構えた場所。ここには、天文台や航海学校なども作られたといわれている。
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大英帝国を築いた海賊たち目次 |
●第一章:海賊が作った大英帝国の基礎|1. 60万ポンドをもたらした大遠征|2.サー・フランシス・ドレークの誕生|3.エリザベス期のイギリス人の野心と現実|
●第二章:ドレークを育てたイギリスの大航海時代|1.イギリス人による北西・北東航路の探求|2.最も危険な南西航路|
●第三章:ジョン・ホーキンズと悪名高い奴隷貿易|1.ドレークを育てた港町プリマスとジョン・ホーキンズ|2.サン・フアン・デ・ウルアの事件|
●第四章:ドレークの時代と世界周航|1.復讐のための聖なる略奪|2.不屈の執念で成し遂げた財宝略奪|3.フランシス・ドレークの世界周航計画|4.ドレーク海峡の発見|5.カカフェゴ号とドレーク流の略奪|6.ドレーク湾の銘板と最大の危機|
●第五章:ガレオン船の時代|1.キャラック船からガレオン船へ|2.ガレオン船とイギリス艦隊とゴールデン・ハインド号|
●第六章:無敵艦隊を打ち破る|1.ドレークの先制攻撃|2.無敵艦隊とイギリス艦隊|3.ドレークの個人行動|4.カレー沖の火船作戦|5.無敵艦隊の敗走とイギリスの勝利|
●第七章:フランシス・ドレークの最期|1.プリマス市長そして最後の遠征|
●第八章:英国の政界制覇への道|1.オランダの台頭と二大海洋国家の激突| |
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イオの末裔
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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イオの末裔
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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