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フランボワイヤン・ワールド
海の冒険者たち
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 小説
イオの末裔
〔Kindle版〕

販売開始しました。
《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。


大英帝国を築いた海賊たち
第四章 ドレークの時代と世界周航

5.カカフェゴ号とドレーク流の略奪

 サン・フリアンでドウティを処刑したドレークだったが、彼は決して流血を好むタイプの海賊ではなかった。当時の海賊たちは、略奪の後で敵船の乗組員を平気で海に放り込んだりしたが、ドレークはそんなことはしなかった。世界周航航海中、最大の海賊行為といえるカカフェゴ号襲撃の時も、ドレークは膨大な財宝を奪った後、乗組員たちを解放しているのである。

 それは1589年3月1日のことだった。ドレーク海峡発見後、ゴールデン・ハインド号は長期間に渡ってスペインの財宝を略奪するため、チリ沖を北上しながらスペイン植民地の重要な港をさまよった。そして、サンフランシスコ沖まで航海して来た時、ついにスペインの財宝運搬船ヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・コンセプシオン号、通称カカフェゴ号を発見したのだ。
 カカフェゴ号は、数多くの大砲を搭載した大型船だったから、ふつうの海賊ならそれを襲おうなどとは考えなかったに違いない。しかし、長いあいだ望むような獲物が見つからなかったドレークにしてみれば、このチャンスを逃す手はなかった。
 ドレークは、敵船を追い越してしまうことなしに夜を待つため、ゴールデン・ ハインド号からロープつきの空の樽を何個も海に投げ込んだ。これは、帆を減らすというような敵に気づかれやすい方法を避けて、船の速度を落とすためだった。カカフェゴ号の船長は、太平洋で海賊に合おうなどとは夢にも思っていなかったので、ゴールデン・ハインド号を見ても逃げ出そうとしないばかりか、逆にスピードを落とすほどのお人好しぶりだった。

 襲撃は想像以上に簡単だった。あたりが暗くなってカカフェゴ号が目と鼻の先まで近づくと、ドレークは樽に結んだロープを切り離し、一気に敵船の横に接舷し、引っかけ鈎を投げたのだ。スペイン人船長は、ただただ唖然とするばかりだった。

 カカフェゴ号襲撃によって、ドレークは40万ポンドの金銀を手に入れた。カカフェゴ号の船倉は空っぽになった。ここで、ドレークはそれまでの小さな略奪行為の際に捕虜にしていたすべてのスペイン人を解放したのである。カカフェゴ号の乗組員はいうまでもなかった。

 解放されたスペイン人船長はスペイン本国への報告でドレークのことを極めて紳士的な優れた船長だと伝えている。報告によるとドレークは紳士階級のイギリス人と頻繁に話し合いを行ううえ、銀の食器で食事をするという。食事の時に香水を使用することも忘れないというのである。
大英帝国を築いた海賊たち目次
●第一章:海賊が作った大英帝国の基礎|1. 60万ポンドをもたらした大遠征2.サー・フランシス・ドレークの誕生3.エリザベス期のイギリス人の野心と現実
●第二章:ドレークを育てたイギリスの大航海時代|1.イギリス人による北西・北東航路の探求2.最も危険な南西航路
●第三章:ジョン・ホーキンズと悪名高い奴隷貿易|1.ドレークを育てた港町プリマスとジョン・ホーキンズ2.サン・フアン・デ・ウルアの事件
●第四章:ドレークの時代と世界周航|1.復讐のための聖なる略奪2.不屈の執念で成し遂げた財宝略奪3.フランシス・ドレークの世界周航計画4.ドレーク海峡の発見5.カカフェゴ号とドレーク流の略奪6.ドレーク湾の銘板と最大の危機
●第五章:ガレオン船の時代|1.キャラック船からガレオン船へ2.ガレオン船とイギリス艦隊とゴールデン・ハインド号
●第六章:無敵艦隊を打ち破る|1.ドレークの先制攻撃2.無敵艦隊とイギリス艦隊3.ドレークの個人行動4.カレー沖の火船作戦5.無敵艦隊の敗走とイギリスの勝利
●第七章:フランシス・ドレークの最期|1.プリマス市長そして最後の遠征
●第八章:英国の政界制覇への道|1.オランダの台頭と二大海洋国家の激突
海賊学

 小説
イオの末裔
〔Kindle版〕

販売開始しました。
《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。
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