小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
販売開始しました。 |
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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大英帝国を築いた海賊たち |
第六章 無敵艦隊を打ち破る
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4.カレー沖の火船作戦
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戦いが最高潮に達したのはカレー沖だった。ここで、イギリス艦隊は火船作戦を実行し、無敵艦隊に大きな打撃を与え、勝敗の帰趨を決したのである。
8月6日、無敵艦隊はカレー沖で投錨した。ここに来るまで、両軍とも平均速度わずか2ノットでのろのろと進んだ。
カレーはフランス領で、ダンケルクまでは30海里しかなかった。パルマ公の軍隊と合流するには、ダンケルクが理想だったが、その付近は浅瀬になっており、吃水線の深い無敵艦隊には近づくことができなかった。
無敵艦隊の総指令艦シドニア公は、パルマ公が上陸用船艇でカレー沖まで来てくれることを期待した。食料や弾薬も不足していたので、ここで補給する以外になかった。
しかし、パルマ公はいつまで待ってもやってこないし、カレー総督は弾薬の補給を拒んでいた。
状況はあきらかにイギリス艦隊に有利だった。イギリス艦隊は無敵艦隊から1海里ほど沖合に投錨しており、風は沖から無敵艦隊の方に吹いていた。さらに、無敵艦隊は密集して投錨しており、そのあたりの潮流は不安定だった。
イギリス艦隊はすぐに火船作戦の準備を始めた。
8月7日、タウンズ泊地からセイモア率いる35隻がやって来たので、イギリス艦隊の規模は最大になった。オランダの船隊までがイギリス軍に合流し、無敵艦隊の動きを封じた。
夜1時、火船作戦の準備が整った。
150トンクラスの船8隻に、タールを染み込ませた布製、木製の燃えやすいものが積み込まれていた。さらにすべての大砲に砲弾が装填され、中心には大量の火薬があった。イギリス軍はこれらの船を横一列に並べ、火を放つと、無敵艦隊に向けて走らせたのだ。火船に乗った舵手たちは、ぎりぎりまで火船を操り、舵柄(だへい)を固定してからボートで逃げ帰った。
無敵艦隊は、暗闇の中に炎を上げながら近づいてくる火船を見ると、一気に混乱した。しかし、密集して投錨していたために、逃げようとしても味方同士で衝突するばかりだった。8隻の火船のうち両端の 2隻が脇へそれただけで、残りの6隻は無敵艦隊の真ん中に突入した。爆発が起こり、砲弾が乱れ飛び、夜の空を焦がすように火柱が上がった。
夜が明けてから、想像を絶する戦果だとわかった。敵艦の多くが多大な損害を受けているうえ、無敵艦隊の陣形は完全に乱れていた。ハワード卿はいまや150隻にふくれ上がったイギリス艦隊に総攻撃命令を発した。トランペットの高らかな響きを合図に、機動力に優れたガレオン船が逃げ惑う無敵艦隊に群がった。ドレークは4隻を率い、この時とばかりに、敵総指令官シドニア公が率いる6隻に襲いかかった。相手がドレークだと知ると、シドニアはあわてふためいて逃げ出した。
◆艦隊の移動経路◆
①初日(7/30)
イギリス:風上へ
スペイン:半月型陣形に
②2日目(7/31)
イギリス:ドレーク個人行動
スペイン:不動
③~⑦
両軍とも平均速度2ノットで移動
⑧8日目(8/6)
イギリス:火船作戦準備
スペイン:補給不可
⑨9日目(8/7)
イギリス:35隻参入、PM11:00火船作戦開始
スペイン:混乱
⑩10日日(8/8)
イギリス:早朝総攻撃開始
スペイン:敗走
⑪~⑬
イギリス:追撃
スペイン:敗走
⑭14日日(8/12)
イギリス:追撃終了、ロンドン帰還
スペイン:敗走
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大英帝国を築いた海賊たち目次 |
●第一章:海賊が作った大英帝国の基礎|1. 60万ポンドをもたらした大遠征|2.サー・フランシス・ドレークの誕生|3.エリザベス期のイギリス人の野心と現実|
●第二章:ドレークを育てたイギリスの大航海時代|1.イギリス人による北西・北東航路の探求|2.最も危険な南西航路|
●第三章:ジョン・ホーキンズと悪名高い奴隷貿易|1.ドレークを育てた港町プリマスとジョン・ホーキンズ|2.サン・フアン・デ・ウルアの事件|
●第四章:ドレークの時代と世界周航|1.復讐のための聖なる略奪|2.不屈の執念で成し遂げた財宝略奪|3.フランシス・ドレークの世界周航計画|4.ドレーク海峡の発見|5.カカフェゴ号とドレーク流の略奪|6.ドレーク湾の銘板と最大の危機|
●第五章:ガレオン船の時代|1.キャラック船からガレオン船へ|2.ガレオン船とイギリス艦隊とゴールデン・ハインド号|
●第六章:無敵艦隊を打ち破る|1.ドレークの先制攻撃|2.無敵艦隊とイギリス艦隊|3.ドレークの個人行動|4.カレー沖の火船作戦|5.無敵艦隊の敗走とイギリスの勝利|
●第七章:フランシス・ドレークの最期|1.プリマス市長そして最後の遠征|
●第八章:英国の政界制覇への道|1.オランダの台頭と二大海洋国家の激突| |
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イオの末裔
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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