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フランボワイヤン・ワールド
海の冒険者たち
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イオの末裔
〔Kindle版〕

販売開始しました。
《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。


大英帝国を築いた海賊たち
第八章 英国の世界制覇への道

1.オランダの台頭と二大海洋国家の激突

■新興国家オランダの台頭

 エリザベス1世の時代は、フランシス・ドレークだけでなく数多くの有能な船乗りに恵まれ、イギリス発展の大きな礎を築いた時代だった。
 しかし、1603年にエリザベス女王が没すると、イギリスの海外進出はしばらくの間、エリザベス時代の華やかさを失うことになった。エリザベス女王の後に続いた国王と議会が激しく対立し、ピューリタン革命(★23)に至る政治的混乱を招いたためだった。このため、1649年にチャールズ1世が処刑され、オリバー・クロムウェルの共和政が開始された時には、イギリスではなくオランダがヨーロッパ最大の海洋国家にのし上がっていたのである。

 オランダは、1581年にスペインから独立した新興国家だったが、それ以降の海外発展には奇跡的な勢いがあった。1602年には、世界初の株式会社として「オランダ東インド会社」が設立され、東インドにおける香料貿易の独占化に拍車がかかった。ポルトガルは1580年にスペインに併合されるほど勢力が衰退しており、もはやオランダの敵ではなかったのである。新大陸ではスペインとの対立が激しく、オランダの進出方法はもっぱら私掠船団によるものだったが、1648年のミュンスター講和(★24)によって平和的な貿易が可能になった。

 そうした理由で、1650年代のオランダはまさに絶頂期だった。オランダの船舶所有数はイギリス、スコットランド、フランスを合わせた数を凌駕し、アムステルダムには世界中の富が集中したのである。ある推計によれば、1630年代にヨーロッパ域内を航行するオランダ商船隊の総数は1750隻、総トン数は23万8600トンに達したという。ヨーロッパ全体には約2万隻の船があり、そのうち1万6000隻がオランダの船だったともいわれている。
 当時のオランダ商船の主流は100トン級のフライト船だった。フライト船は3本マストの帆船で、1595年に初めて建造されたといわれている。長さが幅の4~6倍ほどもある細長い船で、速度も早く、少人数で操舵できるという特長があった。また、船底が平らだったので浅瀬でも航行できるものだった。

■二大海洋国家の激突

 非常な勢いで海外発展を遂げるオランダは、イギリスにとって脅威と嫉妬と憤激の対象だった。オランダは、17世紀の半ばまでニシン漁とニシン貿易を独占していたが、オランダのニシン漁はイギリス沿岸で行われていた。東インドでもイギリスとオランダは17世紀前半から激しい対立関係にあり、1623年には、オランダ人がアンポイナのイギリス商館員全員を逮捕し、イギリス人、日本人、ポルトガル人を処刑するというアンポイナの虐殺事件(★25)が起こった。両国間の本格的な衝突は時間の問題といってよかったのである。
 1652年から1674年の間に3次に渡って交えられた英蘭戦争は、まさにヨーロッパの二大海洋国家が雌雄を決する戦争だった。

 しかし、この戦争にオランダは敗れた。

 オランダの繁栄は完全に海上貿易によるものだったが、それに力を注ぐあまり、十分な海軍力を持っていなかった。7つの連邦州から成る共和国だったオランダには、統一的な海軍が存在しなかったのである。もちろん海軍はあったが、それはそれぞれが州に属する5つの海軍本部で、各州の利害によってしばしば分裂してしまうようなものだったのだ。オランダは善戦したものの、ドレークの時代から海軍力を整備していたイギリスには、ついに及ぶことができなかったのである。
 英蘭戦争の結果、オランダの海運は完全に衰退したというわけではなかったが、もはやイギリスに対抗する勢力ではなくなっていた。以降、イギリスはすさまじい勢いで成長し、やがて「7つの海を支配する大帝国」を築くことになるのである。

◆脚注◆
★23 ピューリタン革命
 市民階級(議会派)が国王(王党派)の横暴をおさえるために起こした革命。革命は議会派の勝利に終わり、1649年にチャールズ1世が処刑され、共和政が樹立された。

★24 ミュンスター講和
 1648年、30年戦争終結条約として結ばれたウェストファリア条約のうち、ドイツのミュンスターで結ばれた条約。これによりオランダは独立国として認められた。

★25 アンポイナの虐殺事件
 1654年、オランダがイギリスに塵償金を支払うことでアンポイナ事件は決着したが、これによってモルッカ諸島の香料貿易はオランダによって独占されるようになった。
大英帝国を築いた海賊たち目次
●第一章:海賊が作った大英帝国の基礎|1. 60万ポンドをもたらした大遠征2.サー・フランシス・ドレークの誕生3.エリザベス期のイギリス人の野心と現実
●第二章:ドレークを育てたイギリスの大航海時代|1.イギリス人による北西・北東航路の探求2.最も危険な南西航路
●第三章:ジョン・ホーキンズと悪名高い奴隷貿易|1.ドレークを育てた港町プリマスとジョン・ホーキンズ2.サン・フアン・デ・ウルアの事件
●第四章:ドレークの時代と世界周航|1.復讐のための聖なる略奪2.不屈の執念で成し遂げた財宝略奪3.フランシス・ドレークの世界周航計画4.ドレーク海峡の発見5.カカフェゴ号とドレーク流の略奪6.ドレーク湾の銘板と最大の危機
●第五章:ガレオン船の時代|1.キャラック船からガレオン船へ2.ガレオン船とイギリス艦隊とゴールデン・ハインド号
●第六章:無敵艦隊を打ち破る|1.ドレークの先制攻撃2.無敵艦隊とイギリス艦隊3.ドレークの個人行動4.カレー沖の火船作戦5.無敵艦隊の敗走とイギリスの勝利
●第七章:フランシス・ドレークの最期|1.プリマス市長そして最後の遠征
●第八章:英国の政界制覇への道|1.オランダの台頭と二大海洋国家の激突
海賊学

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イオの末裔
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《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。

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