小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
販売開始しました。 |
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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大英帝国を築いた海賊たち |
第四章 ドレークの時代と世界周航
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3.フランシス・ドレークの世界周航計画
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■秘密裏に進められた世界周航計画
パナマ襲撃に続いてドレークが成し遂げた業績こそ、彼にとって最高で最大の航海となった世界周航だった。しかし、ドレークの世界周航は、最初からそれが目的だったわけではなかった。彼の目的は、太平洋岸からスペインの財宝を略奪するというもので、略奪の後は来た時と同じ経路を引き返す計画だった。エリザベス女王もこの計画に賛成だった。 1577年春、女王は秘かに、ドレークに対してスペインに報復することを命じたのである。
1577年秋、最終的に世界周航を成し遂げる航海が始まった。後にゴールデン・ハインドと改名される旗艦ペリカン(100トン)のほか、エリザベス(80トン)、マリゴールド(30トン)、クリストファー(15トン)、スワン(30トン)という全部で5隻の艦隊に160名が乗船、プリマス港を出帆したのである。
航海の表向きの理由は「地中海で海賊行為を働く」というものだった。なんといってもスペインが相手だけに、計画はすべて秘密裏に進められた。真の計画を知っているのは女王、ウォルシンガム卿、ドレークのたった3人だけだったのである。
航海の真の目的が乗組員たちに知らされたのは、プリマス出帆後、数週間を経てからだった。もはや後戻りはできないという時になって、ドレークはそれを部下たちに教えたのだ。
■船乗りの裁判
ドレークの世界周航は、出帆当初から嵐に襲われるなど、航海は苦難の連続だった。
しかも、敵は自然現象ばかりではなかった。その結果、ドレークはトマス・ドウティというジェントルマンを船乗りの裁判にかけて、処刑しなければならなかったのだ。
今回のドレーク艦隊には、荒くれた海の男ばかりでなく、いわゆる名門出身の紳士たちも乗船しており、それぞれが重要な仕事を担当していた。
こうした紳士連中の中に、公然とドレークに対して反旗をひるがえす者がいたのだ。彼らは口ではなんといっても、心の底では船乗りたちを軽蔑していた。最悪なのがトマス・ドウティだった。
ドウティは、少なくとも航海の前まではドレークの考え方に共感しており、ドレークがエリザベス女王に謁見できたのも、彼が手引きをしてくれたおかげだった。しかし、彼は航海中にドレークに対する裏切り行為を働いたのだ。
それがはっきりしたのは、艦隊が大西洋を横断し、南米ラ・プラタ河口を探検している最中だった。ここで、ドウティの指揮するスワン号が艦隊からの脱走を図ったのである。ドレークは、すぐにスワン号を発見するとドウティをペリカンに移し、自分の監督下に置くという措置をとったが、それでもドウティは態度を改めようとしなかった。ドウティはドレークのいないところで、ドレークのことを成り上がり者といって非難し、乗組員たちに不安をまき散らしていたのだ。乗組員たちの多くが、ドウティの魔術を恐れていた。
こうした状態では、航海の成功はおぼつかなかった。そこで、1578年6月、サン・フリアンにおいてドウティの裁判が行われたのである。裁判長ドレークのほか、副司令官ウィンターを代表とする 40人の陪審員が任命されたが、判決は全員一致でドウティの有罪、死刑というものだった。
サン・フリアンはマゼランが世界周航の時に反乱者を処刑した因縁の場所だった。その同じ場所で、ドレークもまた一人の反乱者を処刑しなければならなかったのである。
それから 1か月後、ドレークは乗組員たちに有名な次のような演説をした。「余は、船乗りと共に帆綱を取るジェントルマンのみを、ジェントルマンに伍して船を操る船乗りのみを必要としている」
この時、ドレークはその場で士官全員を解任し、演説の後でもう一度再任することで、乗組員の気持ちを完全に1つにまとめ上げたと伝えられている。
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大英帝国を築いた海賊たち目次 |
●第一章:海賊が作った大英帝国の基礎|1. 60万ポンドをもたらした大遠征|2.サー・フランシス・ドレークの誕生|3.エリザベス期のイギリス人の野心と現実|
●第二章:ドレークを育てたイギリスの大航海時代|1.イギリス人による北西・北東航路の探求|2.最も危険な南西航路|
●第三章:ジョン・ホーキンズと悪名高い奴隷貿易|1.ドレークを育てた港町プリマスとジョン・ホーキンズ|2.サン・フアン・デ・ウルアの事件|
●第四章:ドレークの時代と世界周航|1.復讐のための聖なる略奪|2.不屈の執念で成し遂げた財宝略奪|3.フランシス・ドレークの世界周航計画|4.ドレーク海峡の発見|5.カカフェゴ号とドレーク流の略奪|6.ドレーク湾の銘板と最大の危機|
●第五章:ガレオン船の時代|1.キャラック船からガレオン船へ|2.ガレオン船とイギリス艦隊とゴールデン・ハインド号|
●第六章:無敵艦隊を打ち破る|1.ドレークの先制攻撃|2.無敵艦隊とイギリス艦隊|3.ドレークの個人行動|4.カレー沖の火船作戦|5.無敵艦隊の敗走とイギリスの勝利|
●第七章:フランシス・ドレークの最期|1.プリマス市長そして最後の遠征|
●第八章:英国の政界制覇への道|1.オランダの台頭と二大海洋国家の激突| |
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イオの末裔
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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