小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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第一章 これだけでわかる錬金術の基礎 |
黄金変成を保証する四大元素の理論
古い時代の神話や信仰を吸収しながら徐々にその姿を現してきた錬金術だが、ただそれだけでは、まだまだ本格的な術とはいえなかった。錬金術が本格的な術として確立するには、なんといっても黄金変成を説明する物質の理論を手に入れる必要があった。
そこで、ここでは錬金術にとって必要不可欠な、黄金変成の物質理論について解説することにしよう。
錬金術が黄金変成の物質理論を手に入れたのは、紀元前3世紀~紀元後3世紀ころのエジプトの都市アレクサンドリアにおいてだった。
アレクサンドリアは紀元前332年、ギリシア世界の北方に位置するマケドニアの王アレクサンドロスによって建設された都市で、数多くの知的なギリシア人が植民していた。このため、アレクサンドリアではエジプト的なものもギリシア的なものもあったが、それだけではなかった。東洋的なものもユダヤ教的なものも、キリスト教的なものもそこにはあった。そして、あるものは実用主義的であり、あるものは神秘主義的であり、さらに論理的なものもあった。
この混ざり合いの中から、ギリシア人の手によって錬金術は生まれてきたようだ。だから、錬金術は生まれたときから、それが生まれた場所と同じくらい様々な要素が混ざり合った、複雑なものだった。
だが、これら様々な要素の中でも、特に錬金術の発達にとって大きな意味を持ったのは、黄金変成を保証する四大元素の理論といってよかった。
四大元素の理論は古代ギリシアで生まれた物質観で、この世の物質はすべて、火、気、水、土の四大元素から構成されているというものである。
アリストテレスがこの考えをさらに発展させていた。
それによると、すべての基本は第一質料(プリマ・マテリア)だった。これは、五番目の基本元素でもあるので、第五元素ともとも呼ばれる。
この第一質料に、{湿・乾}、{熱・冷}の4つの性質のうち、それぞれの{ }から1つずつ、計2つの性質が与えられることで、四大元素が現われる。つまり、次のようになる。
第一質料+熱+乾→火
第一質料+熱+湿→気
第一質料+冷+湿→水
第一質料+冷+乾→土
ここで大切なのは、すべての基本が第一質料であることから、その性質を変えてやることで、四大元素そのものが、それぞれ変成可能になるということだ。
そして、この世の物質はすべて四大元素の組み合わせでできている以上、その変成も可能になる。もちろん、☆卑金属☆{ひ/きん/ぞく}を黄金に変成することもである。
このような考えが、錬金術師たちの気に入らないはずはないだろう。これによって、少なくとも黄金変成の可能性が理論的に保証されるのだから。
残る問題はどのような物質をどれくらいずつ混ぜ合わせれば黄金が変成されるかということだが、これには様々な手順があるようだ。
ここでは、四大元素の理論とある種の数占いの方法によって、物質の量を算出する方法を紹介することにしたい。といっても、現実に使われた手順はあまりにも複雑なので、あくまでもこの本のために考えた手ごろな規則で、混ぜ合わせる金属の量を算出してみたい。
まず、英語のアルファベットにAから順に1から26までの数字を当てはめる。これらの数字のうち、奇数は「冷の性質の量」、偶数は「乾の性質の量」を表すとする。
すると、金、銀、☆水銀☆{すい/ぎん}、☆錫☆{すず}、銅、☆鉛☆{なまり}、鉄の冷:乾の比率は次のようになる。
金=kin=11、12、14→冷{11}:乾{12+14}=11:26
銀=gin=7、12、14→冷{7}:乾{12+14}=7:26
水銀=suigin=19、21、9、7、12、14→冷{19+21+9+7}:乾{12+14}=56:26
錫=suzu=19、21、26、21→冷{19+21+21}:乾{26}=61:26
銅=dou=4、15、21→冷{15+21}:乾{4}=36:4
鉛=namari=14、1、13、1、18、12→冷{1+13+1}:乾{14+18+12}=15:44
鉄=tetu=20、5、20、21→冷{5+21}:乾{20+20}=26:40
こうして冷:乾の比率が算出されたら、卑金属のいくつかを混ぜ合わせ、金と同じ冷:乾の比率になるようにすればいい。
たとえば、銀と錫ならば、簡単な比例計算によって、銀:錫=12.5:1の割合で混ぜ合わせれば、金と同じ冷:乾=11:26が得られることがわかる。
鉛と鉄の場合なら、鉛:鉄=2と24/47:1の割合で、金と同じ割合が得られることがわかる。
もちろん実際には、この世の物質は四大元素の組み合わせからできているので、その性質には、冷、熱、湿、乾の四種類すべてが登場する。使用される言語はギリシア語、アラビア語、ラテン語、ヘブライ語などである。用いられる数字も、数占いの様式によって異なってくる。
したがって、その計算ははるかに複雑なものである。
しかし、その方法である数値が出てくるということは、みなさんにもお分かりいただけたのではないだろうか。
こうして算出された数値は、錬金術師にしてみれば、ほとんどパーフェクトなものだったといっていいだろう。
何しろ、当時の人にしてみれば疑いようのない四大元素の理論と数占いによって算出されているのだ。これで黄金変成が実現しないはずがないではないか。
実際には、こんなことをしても黄金が変成されるはずがないのは今では常識である。
だが、錬金術師たちは決して自分の理論が間違っているとは思わなかっただろう。
彼らはこう思ったはずだ。どこかに間違いがあったとすれば、材料に使った物質が不純であったか、星座の位置がよくなかったか、あるいは金属の☆溶融☆{よう/ゆう}、蒸留{じょう/りゅう}、腐敗{ふはい}などといった実際的な作業に不手際{ふてぎわ}があったに違いない、と。
そして、錬金術師たちは、次の日からまたしても新たな探求に着手するのである。
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