ようこそ。ここは草野巧のホームページです。
フランボワイヤン・ワールド
錬金術師の話
フランボワイヤン・ワールド・トップ||錬金術師の話目次錬金術ミニ事典
 小説
イオの末裔
〔Kindle版〕

販売開始しました。
《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。

 小説
イオの末裔
〔Kindle版〕

販売開始しました。
《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。


第二章 一世を風靡した錬金術師の活躍

失敗に失敗を重ねた苦労人 *ドニ・ザシェール


 錬金術の達人ともなれば、賢者の石によって鉛や鉄を黄金に変えることも、不老不死を手に入れることも朝飯前である。だから、達人ともなれば、錬金術師にとっては憧れの的であり、まさに大スターといってよい。
 だが、実に当たり前のことだが、そうなるまでが大変なのである。達人になるまでの筆舌{ひつ/ぜつ}に尽くしがたい苦労こそ、錬金術そのものといってもいいくらいだ。
 では、錬金術師たちは一体どんな苦労を経験して、ついに達人となることができたのだろうか。
 ここで、ドニ・ザシェールの場合を紹介しよう。

 ドニ・ザシェールは様々な試行錯誤の末に、1550年の復活祭の日(イースター。春分後の最初の満月のあとの日曜日)に、☆水銀☆{すい/ぎん}を黄金に変成させることに成功した錬金術の達人である。
 金属変成を人前で実演したりするタイプではなく、どちらかというと地味な錬金術師だ。しかし、彼自身が当時の錬金術師の生活ぶりが詳しく描写した伝記を残しており、錬金術師の生活や苦労を知りたい人には大いに参考になるのである。

 ザシェールはフランス南西部ギエンヌの小貴族の出身で、20歳のころに、大学へ通うためにボルドーへ行ったという。
 このころ、ある錬金術師と知り合い、ザシェールはこの人物を自分の師と考えるようになった。間もなく故郷の両親は亡くなったが、学費は工面できたので、やがて法律を学ぶためにトゥルーズへ行った。師も一緒だった。
 トゥルーズに着くやいなや、部屋の中に、金属変成を行うため☆炉☆{ろ}を作り始めた。炉は小さなものから大きなものまで、いろいろなタイプがあった。蒸留、昇華、☆煆焼☆{か/しょう}、溶解、融解など、金属変成の作業ごとに使い分けるためである。こうして、ザシェールの部屋は炉でいっぱいになった。薬品やガラス容器も様々なタイプのものをそろえた。そして、毎日部屋にこもって作業を続けた。しかし、黄金はできなかった。
 ザシェールは金属変成の材料に、実際の金や銀を用いることもあった。牛が牛の子供を産むように、金は金の子供を産むという考えがあったからだ。だが、金属変成の結果、材料として使用した金や銀までが奇妙な化合物になってしまい、価値を失ってしまった。
 トゥルーズへ来たとき、ザシェールは2年間の生活費として200クラウン所持していたが、そのお金は1年間でなくなった。

 その年の終わりにはさらに悪いことが起こった。師が死んでしまったのだ。死因は、すすと煙を吸いすぎたことだった。
 喚起の悪い部屋の中で火を使った金属変成の作業を続けると、部屋の中はすすと煙でいっぱいになる。ザシェールと師は、そんな部屋にこもりっきりで、金属編成の作業に熱中したのである。そんなことを続ければ身体に悪いのは当然で、多分、こんなふうにして死んでしまった錬金術師はほかにもたくさんいるに違いない。

 生活費と師を失ったザシェールは一度故郷に帰り、父から譲り受けた屋敷を3年間他人に貸すことにし、400クラウンのお金を作り、再びトゥルーズに戻った。
 ここで、彼はあるイタリア人と知り合った。イタリア人は金属変成の方法が書かれた処方を持っており、実際にその処方によって黄金が作られたのを見たことがあると証言した。ザシェールはすぐにもイタリア人とともに金属変成の作業に取り掛かった。まず、2オンスの金と1マルクの銀を買い、様々な薬品を混ぜて溶解したり、煆焼したり、蒸留したりした。
 こんなことを2カ月間も続け、ザシェールは170クラウンも出費した。しかし、金はできなかった。
 2人は話し合い、きっとどこかに間違いがあるのだろうと考え、イタリア人がその処方の著者に会いに行き、直接、質問することにした。ザシェールはイタリア人に20クラウン与えて、旅立たせた。ところが、一冬待ち続けても、イタリア人は戻ってこなかった。20クラウン手にしたイタリア人はそのままどこかに姿をくらましてしまったのだ。
 翌年も、ザシェールは研究を続けたが、作業は少しもうまくいかず、手持ちの金は170クラウンに減っていた。

 その翌年、ザシェールはトゥルーズの修道院長と知り合った。当時の修道院には錬金術を行う人々がたくさんいたが、この修道院長もそうだった。そして、彼は信頼できる人物が所持していた金属変成の処方の写しを持っており、これは絶対確実だと主張した。そこで、ザシェールは修道院長と100クラウンずつ出し合い、新しい炉を作り、作業を始めた。しかし、1年経っても、金属変成には成功しなかった。

 金銭的に困ったザシェールは再び故郷へ帰り、今度は全所有地を期限付きで貸しに出し、800クラウンを作ってパリに行った。パリは錬金術師の溜まり場のような都会だったからだ。
 思ったとおり、パリに着くや、ザシェールはすぐにも100人以上の錬金術師と知り合った。
 彼はノートルダムにある仲間の溜まり場によく出かけた。ノートルダム大聖堂では、毎日、多くの錬金術師たちが集まり、前日の作業の結果を話し合っていた。当時、ノートルダム寺院を飾る様々な彫刻は、特別な錬金術的表象と考えられており、そこは錬金術師にとって特別な場所だったのである。
 しかし、ザシェールはそこに集まる錬金術師たちにあまり魅力を感じなかった。彼らの会話は、「もしあのとき、容器が壊れなければうまくいっただろう」とか、「もし☆鉛☆{なまり}の容器があれば、月の動き次第で水銀を固定できただろう」とか、前日の失敗の言い訳ばかりだったからだ。
 やがて、ザシェールはそんな錬金術師たちとの付き合いをやめた。
 それからしばらくして、ある学識ある人物が、「手に入る限り、古代の書物を読みなさい。そして、読み終わるまでは、作業に手を出してはいけない」とアドバイスしてくれた。ザシェールはそうすることにした。

 1546年の終わりごろから、ザシェールは小さな部屋に閉じこもり、ひたすら書物を読んで研究する生活を始めた。そうした書物の中には、13世紀の有名なヨーロッパの錬金術師ヴェルヌヴのアルノーやその弟子であるラモン・ルルの書物もあった。こうした書物を、ザシェールは繰り返し読み、毎日毎日、真正な金属変成の処方について考察をめぐらした。
 数年後、ある結論に達した。
 こうしてザシェールはついに真正な賢者の石の創造し、☆坩堝☆{る/つぼ}の中の水銀を黄金に変成することに成功したのである。1550年の復活祭の日のことである。

 しかし、言い伝えによれば、金属変成に成功したにもかかわらず、ザシェールはひどく不運な最期を遂げたといわれている。
 金属編成に成功したからといって、ザシェールはそれを自慢したりせず、余生をどこかで静かに暮らそうと考えた。彼は故郷の財産も売り払い、スイスに旅に出た。そこで結婚し、妻と召使いを連れ、ケルンを訪れた。
 このときのことだ。眠っている間にザシェールは召使いに殺されてしまったのである。
 そして、召使いは賢者の石の粉末とザシェールの妻を奪って逃走し、どこへともなく姿をくらましてしまったという。 
 錬金術師の話 目次
 第一章 これだけでわかる錬金術の基礎

究極の目的―賢者の石
古代の神話や信仰にはぐくまれた錬金術
黄金変成を保証する四大元素の理論
錬金術の三種の神器――硫黄、水銀、塩

第二章 一世を風靡した錬金術師の活躍

錬金術の始祖とエメラルド板 *ヘルメス・トリスメギストス
黄金と不死を手にした最も幸福な男 *ニコラ・フラメル
コスモポリタンと呼ばれた快男児 *アレクサンダー・セトン
他人が作った賢者の石で名を上げた男 *ミカエル・センディヴォギウス
失敗に失敗を重ねた苦労人 *ドニ・ザシェール
誰にもいえない職業上の苦労 * トマス・チャーノック
オリーブ油を万能薬に変える奇跡 *ファン・ヘルモント
〝死ねない男〟といわれた奇跡の怪人物 *サン・ジェルマン伯爵
一世を風靡した大ペテン師!? *アレッサンドロ・カリオストロ伯爵
歴史から消された悪魔の友 *ヨーハン・ゲオルク・ファウスト博士
医師としても業績を残した革新児 *パラケルスス

第三章 伝説や物語に見る錬金術の魅力

見果てぬ夢を追うための嘘 *メレシコーフスキー『レオナルド・ダ・ヴィンチ』
不老不死薬の実験台にされた娘 *チャペック『マクロプロス事件』
人造人間ホムンクルスの冒険 *ゲーテ『ファウスト』
人造人間ゴーレムと言葉の錬金術 *ユダヤの伝承
600年の呪いを生きた魔道師の物語 *ラヴクラフト『錬金術師』

第四章 薔薇十字団の錬金術

秘密結社・薔薇十字団と錬金術
薔薇十字団を創設した伝説的錬金術師 *クリスチャン・ローゼンクロイツ
ホムンクルス製造の物語 *ヴァレンティン・アンドレーエ『化学の結婚』

ブログ案内
小説『イオの末裔』〔Kindle版〕の販売に合わせて、同タイトルのブログ「イオの末裔」を始めました。よろしくお願いします。
 

知っていますか?
Kindle版の本は無料のKindleアプリを入手すれば、iPhone、iPadや各種のAndroid端末、及びMac、Windowsなどのパソコンでも読むことができます。

 小説
イオの末裔
〔Kindle版〕

販売開始しました。
《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。

 小説
イオの末裔
〔Kindle版〕

販売開始しました。
《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。

Copyright(C) 草野巧 All Right Reserved