小説
イオの末裔
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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第二章 一世を風靡した錬金術師の活躍 |
錬金術の始祖とエメラルド板*ヘルメス・トリスメギストス
数多くの有名な錬金術師の中でも、ここで紹介するヘルメス・トリスメギストスははっきりいって別格である。
実をいうと、この人は実在の錬金術師ではない。それどころか、最初は人間でさえなく、神だったといわれている人物である。
にもかかわらず、ヘルメス・トリスメギストスのことを数多くの実在の錬金術師の最初に紹介するのは、錬金術師たちの伝承によれば、彼こそが錬金術そのものの始祖{し/そ}、つまり生みの親だとされているからだ。
しかも、たんに錬金術を生み出しただけではない。ヘルメス・トリスメギストスは後の時代の錬金術、とくにヨーロッパのルネサンス時代の錬金術を支えた、実に壮大な魔術的思想を語ったといわれているのである。
古代アレクサンドリアで始まった錬金術は、アラビアを経由して12世紀ころにヨーロッパにもたらされると、17世紀ころまでヨーロッパでおおいに流行した。
とくに、15世紀ころから始まるルネサンスの時代は、錬金術にとっても特別な時代といってよかった。
古い時代の様々な信仰や宗教を取り込んで誕生した錬金術はもともとから、かなり霊的で魔術的な部分を持っていた。この霊的で魔術的な部分が、ルネサンスの時代には、たんなる錬金術師の信仰というレベルを超えて、ヨーロッパ全体を巻き込むような流行となったのである。
こうして、錬金術師はルネサンス時代の魔術的世界において、極めて重要な存在となったのだ。
ここで、ルネサンス時代に、錬金術はもとよりヨーロッパ中で流行となった、霊的で魔術的な宇宙観について、簡単に解説しておこう。
それこそ、ヘルメス・トリスメギストスによって語られたとされるもので、一般にヘルメス哲学と呼ばれるものだ。
それによると、この世界にまだ何も存在しなかった時代に、原初的宇宙にはただひとつの存在である神だけが存在していた。この神から光り輝く霊が流出し、この霊によって人間の住む宇宙(太陽系)が作られた。したがって、この宇宙に存在するすべてはただひとつの神の霊からできているのである。
アリストテレスはすべての物質の基本は第一質料だと考えたが、ヘルメス哲学ではこの第一質料が神の霊なのである。
錬金術師たちがしばしば「一は全なり、全は一なり」というのも、こうした考えに基づいている。
さて、こうして作られた宇宙はまさに地動説的宇宙で、真ん中に空気の層に囲まれた地球があり、その回りに、太陽、月、火星、水星、木星、金星、土星という7つの惑星のための7つの天があった。その外側が、決して動かない無数の恒星のための第八天である。
これが人間の住む宇宙の基本で、第八天の外側は神の存在する原初的宇宙ということになる。
ここで重要になるのは、この宇宙は一個の動物のように生きており、宇宙全体が一個の有機体のように考えられるということだ。そして、有機体である以上、どんなに遠く離れた部分にも必然的なつながりがある。
その結果、大宇宙(マクロコスモス)である天体と小宇宙(ミクロコスモス)である人間の間には完全な対応関係が成り立つとされる。天体の動きによって人間が支配されるのはこのためで、占星術は古くからこの考えに立っていたのである。手相によって人間の運勢が読めるのもこのためである。手相もまた小宇宙であって、人間を仲立ちとして、大宇宙とつながっているからなのである。
面白いのは、この考え方にたてば、大宇宙が小宇宙に影響を与えるだけでなく、小宇宙が大宇宙に影響を与えることも可能になるということだ。
錬金術師は☆坩堝☆{る/つぼ}の中やフラスコの中で様々な物質を反応させるが、そこで起こっている現象は決して小さな坩堝やフラスコの内部だけの問題ではない。この場合、坩堝やフラスコはひとつの小宇宙であり、大宇宙とつながっているのである。
こう考えてみれば、錬金術師たちが何十年にもわたって物質の変成作業に夢中になったのもうなずけるだろう。彼らが見ていたのはたんなる物質の変成ではなく、宇宙そのものの変成だったのである。神が宇宙を創ったのと同じよう、彼らもまたフラスコの中に宇宙を創造しようとしていたのである。
ヘルメス哲学が流行したことで、錬金術自体も大きく変化したといっていい。ヨーロッパに入った当初は、錬金術の中でも黄金変成を中心とした実用的な部分が注目されたが、ルネサンスの時代には、錬金術の中でも特に霊的な部分がクローズアップされることになったのだ。
つまり、錬金術はたんに☆卑金属☆{ひ/きん/ぞく}を金に変成させる術ではなく、人間の霊性を高め、人間に神のようなすぐれた霊性を与える術と考えられたのだ。
錬金術の中心がこのように移動したことによって、霊的錬金術師の中には、ただ黄金変成にばかり夢中になっている錬金術師たちを、〝ふいご吹き〟といって馬鹿にする傾向も生まれた。〝ふいご〟というのは、もちろん、☆炉☆{ろ}の中に空気を送り込む装置である。
といって、黄金変成に夢中になる錬金術師がいなくなったわけではない。
こうして、ルネサンス時代には様々な錬金術師たちが、あちこちで活躍することになったのである。
ルネサンス時代のヨーロッパで、古くから錬金術の一部分だったヘルメス哲学が脚光を浴びたことで、錬金術師自身も、錬金術にまつわるヘルメス的な伝説を盛んに議論するようになった。
なかでも、錬金術師にとって最も重要視されたのは、ヘルメス・トリスメギストスの『エメラルド板』に関する伝説だった。
この『エメラルド板』は、いうなれば錬金術師の聖書である。
錬金術の伝承によれば、すべての錬金術の起源はエジプトにあるという。古代エジプトの知恵の神トートがその知識を人間に授けたのである。
その後、ギリシアからエジプトのアレクサンドリアにやってきた植民者たちが、このトート神を古代ギリシアの冥界の神ヘルメスと同一視した。ここから、ヘルメス・トリスメギストスという偉大な錬金術の祖の伝承が生まれたのだ。
「トリスメギストス」とは「三重に最も偉大な者」という意味で、トート=ヘルメス神がそれほど偉大な神だということを表している。
したがって、ヘルメス・トリスメギストスはもともとは神だったわけだが、やがて人間化され、神話的な王だったと考えられるようになった。彼は、3226年間も地上に君臨し、3万6525冊の本を書いたなどともいわれる。
しかし、人間なのでやがては死ぬことになった。このとき、ヘルメス・トリスメギストスは自らが編み出した錬金術の奥義{おう/ぎ}をわずか数十行の☆寓意☆{ぐう/い}に満ちた文章に表し、エメラルドの小片に書き記した。これが一般にヘルメス・トリスメギストスの『エメラルド板』と呼ばれる文書である。
一説によると、『エメラルド板』はヘルメスのミイラの手におさめられ、ギゼーの大ピラミッド内部の深い穴の中に埋葬された。それを誰かが発見し、正確な複写を取った。
その後、『エメラルド板』の実物は失われてしまったといわれているが、その内容は繰り返し複写され、錬金術師たちに愛読された。そして、錬金術師たちはそこに書かれた短い、寓意に満ちた文章に独自の解釈をほどこし、錬金術の奥義を手に入れようと、必死の努力を続けることになったのだ。
こんなわけで、『エメラルド板』は錬金術に関する最も古い文書であり、極めて短い文章であるにもかかわらず、そこに錬金術の秘密のすべてが隠されていると信じられていたのだ。
いったい『エメラルド板』には何が書かれているのか。次にその全文をあげておこう。これを読めば、錬金術の謎めいた雰囲気もひしひしと感じられるはずだ。
これは偽りの事実ではなく、確実にして真実である。一なるものの奇跡をなしとげるにあたっては、下の世界にあるものは上の世界にあるものに似ており、上の世界にあるものは下の世界にあるものに似ている。
そしてすべては一つのものの和解によって、一つのものから生まれたように、すべては順応によって、この一つのものから生まれた。
このものの父は太陽であり、母は月である。
風はこのものをその胎内{たい/ない}に持ち、☆乳母☆{う/ば}は大地である。このものは世界にあるすべてを完成する父である。その力は、もしも大地に向けられるなら、完全無欠である。
なんじは、用心深くすみやかに、火から土の元素を、霊妙{れい/みょう}なものを粗雑なものから分離せよ。それは、すばやく大地から天空へ上昇し、再び大地へ下降して、上にあるものの力は下にあるものの力を受け取る。
かくして、なんじは全世界の栄光を手に入れ、一切の不明瞭は消え去るだろう。
このものは、すべての力あるものの中でも最も力あるものである。それはすべての霊妙なものに打ち勝ち、すべての固体に浸透するからである。
かくして大地は創造された。
それゆえに、このものを手段として、驚嘆すべき順応がなされるであろう。
そのため、わたしは全世界の哲学の三部分に通じるヘルメス・トリスメギストスと呼ばれる。
わたしが太陽の働きについていうべきことは、以上ですべてである。
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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