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 小説
イオの末裔
〔Kindle版〕

販売開始しました。
《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。
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イオの末裔
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アルゴー探検隊の冒険
第一章 世界最古の海洋冒険伝説「アルゴー探検隊」

1.ギリシア神話のアルゴー伝説

 アルゴー探検隊の伝説はギリシア神話(★1)の英雄伝説の中の1つである。地中海の海洋冒険の具体的なイメージを私たちに伝えている物語としては最も古い時代のものといえるだろう。

 前1250年頃のこと、ギリシア中から集まった50人もの名だたる英雄たちが「アルゴー号」という船に乗ってギリシアの港を出帆した。黒海東岸のカウカソスの地にあるという”魔法の金手毛皮”を手に入れるのが彼らの目的だった。しかし、そこは彼らにとって未知の世界だった。激しい嵐や打ち合わさる海峡、矢の羽で人を傷つける怪鳥、見知らぬ世界の野蛮な王たちが英雄たちを襲った。番人である火を吐く竜と戦って金手毛皮を手に入れてからも、追手との闘争やセイレーン(★2)の誘惑など、いつ終わるともない航海が続いた。

 英雄たちはアルゴー号に乗ってエーゲ海から黒海へ、そこから川伝いに一気にアドリア海へ、さらにティレニア海を経て、酷暑のリビア砂漠を、船を担いでさまよったりするのである。
アルゴー号の航路

 本当にこんな冒険があったのだろうか? いうまでもなく、陸地にはさまれた海峡がシンバルのように打ち合わさるなどということはありえないし、矢の羽で人を傷つける怪鳥も火を吐く竜も存在しない。黒海からアドリア海へ抜ける河も同じである。しかし、古代のギリシア人にとってそんなことは問題ではなかった。彼らにとってギリシア神話は歴史と同じだった。そこで起こる出来事は、ギリシア人の祖先が実際に経験したことだと信じられていたのである。すなわちアルゴー号の冒険は、先祖と海の関わりを物語るものだったのだ。実際、古代のギリシア人たちは非常に古い時代から、アルゴー探検隊のように海外への冒険活動を行っていた。ギリシア人たちの目的は、交易拠点や耕作のための土地を確保することだった。そのためにギリシア人たちは、地中海沿岸部にとどまらず黒海沿岸部にまで多数の植民市を建設していった。
ギリシアの植民市建設

 このような植民市建設の動きは、ほぼ3回に渡って波状的に行われたと考えられている。
 ギリシア神話が隆盛を極め、ギリシア人の多くがそれを歴史として信じたのは、第3回目の植民時代、ちょうど大植民市建設時代の頃だった。
 ギリシア神話の原形のようなものは、もちろんそれ以前から存在していたが、まさに大植民市建設時代を通じて、それは現在のような形に整えられたのである。
 前9世紀頃のホメロス(★3)、前8世紀頃のヘシオドス(★4)といった叙事詩人が神話の伝承と創造に大きな力を発揮した。
 アルゴー探検隊の伝説が、古代ギリシア人の海洋冒険のイメージを知るための非常に重要な材料となるというのも、このような歴史と密接に結びついているからである。


表:古代ギリシアの時代区分

 ■エーゲ文明時代 (前300年~1000年)
  ミノア時代 (前1l500年以前)/ ミケーネ時代 (前1600年~前 1200年)
前1500年頃   テラ島の大噴火。クレ夕島の艦隊が壊滅状態になる。
前1450年頃   ミケーネ人がクレタ島を攻撃し、ミノア時代が終わる。
(前1250年頃   アルゴー探検隊の遠征)
前1200年頃   トロイア陥落
前1100年頃   ドーリア人がギリシアに移住
 ■暗黒時代 (前1100年~前800年)
前900年頃   都市国家が成立し始める
 ■古拙時代 (前80年~前600年)
前800年頃   ホメロスの詩編が生まれる
前700年頃   へシオドスの詩編が生まれる
 前750年~前550頃  ギリシア人が地中海、黒海沿岸に活発に植民活動を行う。大植民地建設時代といわれる
 ■古典時代 (前550年~前350年頃)
前492年~前449年   第1、2次ペルシア戦争
前485年頃   ヘロドトス生まれる
前431年~前404年   ペロポネソス戦争
前339年   ソクラテスが毒杯の刑に服す
前338年   マケドニアが独立。ポリスの時代が終わる
・以降ヘレニズム時代、ローマ時代へ


【脚注】

★1 ギリシア神話
前9世紀頃から4世紀頃にかけてギリシア語圏の緒地方で語り伝えられていた物語、伝説の総称。世界の誕生から神々の由来、神々の子孫であり人間の祖先である英雄たちの活躍など、題材は非常に豊富で多岐にわたり、互いに矛盾し合うものも多数含まれている。それぞれの物語は宗教的、歴史的な意味を含み、古代ギリシア人の精神生活の基礎となっていた。

★2 セイレーン
上半身が美しい女性、下半身が鳥の姿をした海の妖精。美しい歌声で歌うが、それを聞いた船乗りは心を引きつけられ、我を忘れて海に飛び込んで死んだという。

★3 ホメロス
前80年頃のギリシアの叙事詩人で『イリアス』『オデュッセイア』の作者。詩人の生涯についてはまったく不明だが、小アジアのイオニア出身だといわれている。

★4 へシオドス
前70年頃のギリシアの叙事詩人。『神統記』『仕事と日』の作者。ホメロスが英雄や神々の活躍といった輝かしい物語を歌ったのに対して、へシオドスは農民たちの日常生活や仕事の尊さを歌った。ボイオティアで実際に農業を営んでいたといわれている。
アルゴー探検隊の冒険目次
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●第一章:世界最古の海洋冒険伝説「アルゴー探検隊」//|1.ギリシア神話のアルゴー伝説2.アルゴー探検隊はいつ遠征したか?
●第二章:英雄イアソンと伝説の王国イオルコス//|1.イオルコス王家の正統・英雄イアソン2.伝説の王国イオルコス(その1)3.伝説の王国イオルコス(その2)4.伝説の王国イオルコス(その3)
●第三章:アルゴー号の乗組員//|1.ギリシア中から集まった50人の英雄たち2.神と英雄3.犠牲の儀式と信託
●第四章:アルゴー号//|1.アルゴー号の建造2.ミノアの船3.古代船の建造方法4.古代船の艤装
●第五章:アルゴー探検隊の冒険航海//|1.アルゴー号の出帆2.女だけのレムノス島3.キュジコスの巨人4.ヘラクレスとポリュペモスの脱落5.拳闘家ポリュデウケスの活躍6.ピネウス王と怪鳥ハルピュイア7.ボスポラス海峡のシュンプレガデス8.黒海沿岸をどこまでも東へ9.アレス島とステュンパロス湖の鳥
●第六章:古代の大航海者たち//|1.古代の大航海の記録2.古代人の航海方法
●第七章:アイエテス王との闘争//|1.アイエテス王の館アイア2.王女メディアの恋と2つの試練3.金羊毛皮の獲得4.古代ギリシアの軍隊と武器
●第八章:アルゴー探検隊の帰還//|1.コルキス人からの逃走2.アルゴー号の最後の冒険
海賊学
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 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。

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