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イオの末裔
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《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。
アルゴー探検隊の冒険
第一章 世界最古の海洋冒険伝説「アルゴー探検隊」

1.アルゴー探検隊はいつ遠征したか?

 アルゴー探検隊には、トロイア戦争(★5)に登場するアキレウス(★6)や2人のアイアス(★7)の父親が登場することから、実際に探検が行われたとすれば、それはトロイア戦争(前1200年頃)以前、前1250年頃のミケーネ時代のことではないかと考えられる。
 もちろん、これはあくまでも伝説の時間であって、このことから即座にアルゴー探検隊の時代背景がミケーネ時代のものだと決めるわけにはいかない。
 このことはギリシア神話全体にいえる。たとえば、ホメロスの『イリアス』はトロイア戦争を題材にしたものであり、本来ならその時代背景はミケーネ時代のそれということになる。
 しかし、実際には『イリアス』の世界は、ミケーネ時代だけでなく、暗黒時代や古拙時代など複数の時代の緒要素によって構成されていることが一般に認められている。アルゴー探検隊の場合にも同じことがいえるだろう。
 たとえば、有名な英雄テセウス(★8)もまたアルゴー探検隊に加わっている。テセウスにまつわる物語にタレタ島のミノタウロスを退治する話があるが、これはタレタ島のミノス王(★9)がアテナイの少年少女7人ずつを、ミノタウロスの犠牲として徴収していたというもので、その内容を見たかぎりでは、タレタ人がエーゲ海において大きな力を持っていた時代のことだと考えられる。あるいは遅くともタレタ時代からミケーネ時代-の替わり目の頃ではないかと思われる。
 そうすると、アルゴー探検隊の遠征は、およそ前15世紀頃のことになる。
 また、アルゴー探検隊の遠征航路は、ポリス時代のギリシアの貿易航路と似ているし、植民市が建設された位置とも符合する。
 そうするとギリシア人が地中海や黒海沿岸に植民市を盛んに建設していた頃の冒険談のようにも思える。
 そんなわけだから、時代に関しては相当に広い範囲を考える必要がある。おそらくミケーネ時代を中心とし、その前後の2~3世紀ということになるだろう。
 その頃、ギリシア本土にはいくつもの王国があり、貴族同士が激しい覇権争いを繰り広げていた。人里離れたところには強盗や人殺しが身を潜めていた。そのうえ、周辺は言葉の通じない他民族に取り囲まれていたのだ。


【脚注】

★5 トロイア戦争
 前1184年。へレスボントス海峡近くにあった城市トロイアとギリシア諸国間で起こったとされる戦争。ギリシア軍が10年がかりで、トロイア城市を陥落せしめたと伝えられている。ホメロスの『イリアス』はこの戦争最後の50日間を英雄アキレウスの活躍を中心に描いたもの。

★6 アキレウス
ギリシア神話の英雄。ホメロスの『イリアス』における最も主要な人物。

★7 2人のアイアス
ホメロスの『イリアス』に登場する英雄たち。一般に大アイアス、小アイアスと区別される。大アイアスはサラミス王テラモンの子で身体も大きく、アキレウスに次ぐ英雄として描かれている。小アイアスはロクリス人の大将だが身体は小さい。 2人のアイアスは常に一緒に戦いに参加する。
★8 テセウス
ヘラクレスと同様、神話中に数多くの冒険詩を持つアテナイの英雄。

★9 ミノス
クレタ時代にタレタ島を支配していたとされる伝説上の王。彼の妻が雄牛と交わって生んだのが牛頭人身の怪物ミノタウロス。
アルゴー探検隊の冒険目次
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●第一章:世界最古の海洋冒険伝説「アルゴー探検隊」//|1.ギリシア神話のアルゴー伝説2.アルゴー探検隊はいつ遠征したか?
●第二章:英雄イアソンと伝説の王国イオルコス//|1.イオルコス王家の正統・英雄イアソン2.伝説の王国イオルコス(その1)3.伝説の王国イオルコス(その2)4.伝説の王国イオルコス(その3)
●第三章:アルゴー号の乗組員//|1.ギリシア中から集まった50人の英雄たち2.神と英雄3.犠牲の儀式と信託
●第四章:アルゴー号//|1.アルゴー号の建造2.ミノアの船3.古代船の建造方法4.古代船の艤装
●第五章:アルゴー探検隊の冒険航海//|1.アルゴー号の出帆2.女だけのレムノス島3.キュジコスの巨人4.ヘラクレスとポリュペモスの脱落5.拳闘家ポリュデウケスの活躍6.ピネウス王と怪鳥ハルピュイア7.ボスポラス海峡のシュンプレガデス8.黒海沿岸をどこまでも東へ9.アレス島とステュンパロス湖の鳥
●第六章:古代の大航海者たち//|1.古代の大航海の記録2.古代人の航海方法
●第七章:アイエテス王との闘争//|1.アイエテス王の館アイア2.王女メディアの恋と2つの試練3.金羊毛皮の獲得4.古代ギリシアの軍隊と武器
●第八章:アルゴー探検隊の帰還//|1.コルキス人からの逃走2.アルゴー号の最後の冒険
海賊学
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《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。

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