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 小説
イオの末裔
〔Kindle版〕

販売開始しました。
《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。
アルゴー探検隊の冒険
第五章 アルゴー探検隊の冒険航海

9.アレス島とステュンパロス湖の鳥

 ピネウスの予言によると、アルゴー探検隊は目的地コルキスに到着する前に、最後の寄港地としてアレス島という不毛な島に上陸することになっていた。
 アレス島は実在する島ではないが、伝説ではコルキスの地からアルゴー号でまる2日間くらいの距離にあることになっている。アレス島という名前は、おそらく戦の神アレスと関係があるのだろう。というのは後で登場する怪鳥ステュンパリデスは、かつてアレス神に飼育されたといういい伝えがあるからだ。

 さて、アルゴー号がこのアレス島の近くまでやってきた時、奇怪な数羽の鳥が姿をあらわし、アルゴー号の上で旋回すると大きな翼を激しく振って矢のように尖った羽を英雄たち目掛けて落とした。
 尖った羽は英雄オイレウスの肩に刺さった。それはステュンパロス湖の鳥(ステュンパリデス)だった。ステュンパリデスはペロポネソス半島アルカディアのステュンパロス湖畔に無数の群れを成して住み、田畑を荒らすだけでなく人間までも食らったという猛鳥だ。しかし、ヘラクレスの第6の功業でその地を追い払われ、カウカソス地方のアレス島に移り住んでいたのである。

 そこで、英雄たちは、すぐにステュンパリデスが飛んで来た方へとアルゴー号を進めた。ステュンパリデスがいるなら、それはアレス島に違いないからだ。アレス島の海辺には無数のステュンパリデスが群れ集まっていたが、アルゴー号の船上から英雄たちは楯と槍を打ち鳴らし、さらに全員で鬨(とき)の声をあげて海辺に集まっていたステュンパリデスを追い払った。こうして、英雄たちはアレス島に上陸した。コルキスの地はもう目と鼻の先だった。
アルゴー探検隊の冒険目次
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●第一章:世界最古の海洋冒険伝説「アルゴー探検隊」//|1.ギリシア神話のアルゴー伝説2.アルゴー探検隊はいつ遠征したか?
●第二章:英雄イアソンと伝説の王国イオルコス//|1.イオルコス王家の正統・英雄イアソン2.伝説の王国イオルコス(その1)3.伝説の王国イオルコス(その2)4.伝説の王国イオルコス(その3)
●第三章:アルゴー号の乗組員//|1.ギリシア中から集まった50人の英雄たち2.神と英雄3.犠牲の儀式と信託
●第四章:アルゴー号//|1.アルゴー号の建造2.ミノアの船3.古代船の建造方法4.古代船の艤装
●第五章:アルゴー探検隊の冒険航海//|1.アルゴー号の出帆2.女だけのレムノス島3.キュジコスの巨人4.ヘラクレスとポリュペモスの脱落5.拳闘家ポリュデウケスの活躍6.ピネウス王と怪鳥ハルピュイア7.ボスポラス海峡のシュンプレガデス8.黒海沿岸をどこまでも東へ9.アレス島とステュンパロス湖の鳥
●第六章:古代の大航海者たち//|1.古代の大航海の記録2.古代人の航海方法
●第七章:アイエテス王との闘争//|1.アイエテス王の館アイア2.王女メディアの恋と2つの試練3.金羊毛皮の獲得4.古代ギリシアの軍隊と武器
●第八章:アルゴー探検隊の帰還//|1.コルキス人からの逃走2.アルゴー号の最後の冒険
海賊学

 小説
イオの末裔
〔Kindle版〕

販売開始しました。
《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。
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