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 小説
イオの末裔
〔Kindle版〕

販売開始しました。
《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。


アルゴー探検隊の冒険
第五章 アルゴー探検隊の冒険航海

7.ボスポラス海峡のシュンプレガデス

 ピネウスは救ってもらったお礼に、アルゴー探検隊がこれからどうやってコルキスまで航海すればいいかを占った。

 その中に最高の難所としてボスポラス海峡のシュンプレガデス(打ち合わさる岩)があった。

 ピネウスによれば、それは海上に突き出た2つの峻険な岩の島だったが、それらの島は海底に固定することなく海上に浮かんでおり、しばしば激しい勢いで打ち合わさっては通り抜けようとするものをこなごなに打ち砕いてしまうというのだ。
 いったいどうすればいいのか?
「鳩が飛ぶように素早く島の間を通り抜けるのじゃ」
 ピネウスはただこういうだけだった。

 アルゴー探検隊は、約2週間西北風のために足止めされた後、テュニア人の地を出発した。この時英雄エウペモスが一羽の鳩を抱えていった。シュンプレガデスは、ボスポラス海峡の入口付近でアルゴー探検隊を待ち受けていた。
 波は高くアルゴー号は激しく上下左右に揺り動かされたが、舵手ティピュスは慎重にゆっくりと海峡の難所に近づいて行った。

 シュンプレガデスがアルゴー号の目前に迫った時、エウペモスは抱えていた鳩を岩と岩の隙間に飛ばした。すると、通過しようとする鳩を捕まえようとするように 2つの岩は轟音を発して閉じた。しかし、鳩は尾羽根の先をはさみ取られただけで、ものの見事に2つの島の真ん中を飛び抜けた。
 これを見た英雄たちは、閉じていた岩が開き始めた瞬間に、鳩と同じスピードで船を漕いだのである。
 その結果、アルゴー号は船尾の一部分を岩にはさまれただけで、恐るべきシュンプレガデスを通過することができたのだった。

 伝説によれば、これは人間として初めての快挙だった。そして、もしも人間の船が通過することができた時には、シュンプレガデスはそれ以降永遠に開くといわれており、この時アルゴー探検隊が人間として初めてそこを通過したために、もはや永遠に閉じなくなったのである。
アルゴー探検隊の冒険目次
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●第一章:世界最古の海洋冒険伝説「アルゴー探検隊」//|1.ギリシア神話のアルゴー伝説2.アルゴー探検隊はいつ遠征したか?
●第二章:英雄イアソンと伝説の王国イオルコス//|1.イオルコス王家の正統・英雄イアソン2.伝説の王国イオルコス(その1)3.伝説の王国イオルコス(その2)4.伝説の王国イオルコス(その3)
●第三章:アルゴー号の乗組員//|1.ギリシア中から集まった50人の英雄たち2.神と英雄3.犠牲の儀式と信託
●第四章:アルゴー号//|1.アルゴー号の建造2.ミノアの船3.古代船の建造方法4.古代船の艤装
●第五章:アルゴー探検隊の冒険航海//|1.アルゴー号の出帆2.女だけのレムノス島3.キュジコスの巨人4.ヘラクレスとポリュペモスの脱落5.拳闘家ポリュデウケスの活躍6.ピネウス王と怪鳥ハルピュイア7.ボスポラス海峡のシュンプレガデス8.黒海沿岸をどこまでも東へ9.アレス島とステュンパロス湖の鳥
●第六章:古代の大航海者たち//|1.古代の大航海の記録2.古代人の航海方法
●第七章:アイエテス王との闘争//|1.アイエテス王の館アイア2.王女メディアの恋と2つの試練3.金羊毛皮の獲得4.古代ギリシアの軍隊と武器
●第八章:アルゴー探検隊の帰還//|1.コルキス人からの逃走2.アルゴー号の最後の冒険
海賊学

 小説
イオの末裔
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《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。
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