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イオの末裔
〔Kindle版〕

販売開始しました。
《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。


アルゴー探検隊の冒険
第七章 アイエテス王との闘争

1.アイエテス王の館アイア

 黒海を東へ進んだアルゴー探検隊は、ついに目的地のカウカソスに到達した。しかし、そこではアイエテス王との激しい闘争が待ち受けていた。イアソンの戦いが始まった。

 アレス島からまる一昼夜の航海を行うと、アルゴー探検隊の目の前に高くそびえるコーカサス山脈の頂が姿をあらわした。
 黒海とカスピ海の間を東西に走るコーカサス山脈は現在最高峰のエルフルス山が5642m、それに次ぐカズベク山が5047mという山岳地帯である。

 アルゴー号は、コルキスの地を流れるパシス河の河口に到着した。ここで帆を取り外し、それからは夜陰にまざれて櫂で漕ぎ、コルキス人の首都キタイアの近くまでパシス河を逆上った。やがてアルゴー号は左手に険しいカウカソス山とキタイアの町、右手に金羊毛皮が隠されているアレスの森が広がっているところまでやって来た。
 そこで英雄たちはコルキス人に発見されないように、人目につかない河の入江にアルゴー号を碇泊させ、朝までの間短い休息をとった。

 朝早く、イアソンはテラモンとアウゲイアスだけを伴ってアイエテス王の宮殿に向かった。アイエテス王に金羊毛皮を譲ってくれるように要求するためだった。
 アイエテス王宮はキタイアの町の奥にあった。町は深い霧に覆われていたが女神ヘラが通り道だけ霧に裂け目を作ったので、イアソン一行は無事に王宮に到着した。
 アイエテス王は、イアソンたちが金羊毛皮を獲得するために来たことを知ると、内心では腹を立てたが表面は穏やかな口調でいった。
「そなたたちの代表者が 2つの試練に打ち勝ったなら、私は喜んで金羊毛皮を譲ろう。というのは、もしもそなたたちが真の勇者であれば、 2つの試練など問題にならないはずだからだ」

 2つの試練とは次のようなものだった。
 第1の試練は、青銅の足を持ち、口からは火を吐くという凶暴な牡牛2頭を使って畑を耕すというもの。第2の試練は、王の所有する竜の歯を畑にまくというもの。竜の歯をまくと、そこから大勢の戦士が生えてくるため結局は彼らと戦わなければならないのである。「もし、そうしなかったら」とイアソンはいった。
「その時には、私の支配する数千人のコルキス人と戦わなければならぬ」とアイエテス王は答えた。
 数千人のコルキス人に打ち勝つことは不可能だったから、イアソンは王の条件を飲まないわけにいかなかった。
アルゴー探検隊の冒険目次
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●第一章:世界最古の海洋冒険伝説「アルゴー探検隊」//|1.ギリシア神話のアルゴー伝説2.アルゴー探検隊はいつ遠征したか?
●第二章:英雄イアソンと伝説の王国イオルコス//|1.イオルコス王家の正統・英雄イアソン2.伝説の王国イオルコス(その1)3.伝説の王国イオルコス(その2)4.伝説の王国イオルコス(その3)
●第三章:アルゴー号の乗組員//|1.ギリシア中から集まった50人の英雄たち2.神と英雄3.犠牲の儀式と信託
●第四章:アルゴー号//|1.アルゴー号の建造2.ミノアの船3.古代船の建造方法4.古代船の艤装
●第五章:アルゴー探検隊の冒険航海//|1.アルゴー号の出帆2.女だけのレムノス島3.キュジコスの巨人4.ヘラクレスとポリュペモスの脱落5.拳闘家ポリュデウケスの活躍6.ピネウス王と怪鳥ハルピュイア7.ボスポラス海峡のシュンプレガデス8.黒海沿岸をどこまでも東へ9.アレス島とステュンパロス湖の鳥
●第六章:古代の大航海者たち//|1.古代の大航海の記録2.古代人の航海方法
●第七章:アイエテス王との闘争//|1.アイエテス王の館アイア2.王女メディアの恋と2つの試練3.金羊毛皮の獲得4.古代ギリシアの軍隊と武器
●第八章:アルゴー探検隊の帰還//|1.コルキス人からの逃走2.アルゴー号の最後の冒険
海賊学

 小説
イオの末裔
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《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。
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