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イオの末裔
〔Kindle版〕

販売開始しました。
《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。
アルゴー探検隊の冒険
第五章 アルゴー探検隊の冒険航海

1.アルゴー号の出帆

 予言の能力と50の権を持つ快速船アルゴー号とギリシアの名高い英雄たち50人。このほかにも食料や水などは必要だろうが、とにかくこれでアルゴー探検隊の陣容は整った。
 いよいよアルゴー号の出帆である。

 明るい陽光と透明な空気の下、エーゲ海の穏やかな波がきらきら輝くのを見ながら、英雄たちはパガサイ湾の港からアルゴー号に乗り込んだ。ギリシアおよびペロボネソスは、山が海岸付近まで接近しており、海岸線の多くは入り組んだ岸壁状になっているので、パガサイ湾の港もそうした入江の 1つだったと想像できる。そして、英雄たちの漕ぐアルゴー号はオルペウスのハープの音に合わせてパガサイ湾の港を出帆した。

 アルゴー号が出帆した季節は詳しく語られてはいないが、初夏あるいは夏だったのではないかと想像できる。というのは、この季節がエーゲ海を航海するのに最も適しているからだ。エーゲ海は外海に比べると波も静かで比較的に航海に適した海だといえる。北方からギリシアやペロポネソスに進入してきたギリシア人は、本来航海民ではなかったが、エーゲ海が航海に適していることから、すみやかに航海民に転じたといわれている。しかし、このようなエーゲ海でも航海しやすいのは、初夏から夏にかけての時期とかぎられていた。冬場になると北からの激しいトラキアおろしが吹き荒れ、船がアフリカ沿岸まで流されてしまうこともしばしばだった。
 前8世紀頃のへシオドスは「航海に出ることは常識人のすることではない」とさえいっている。

 さて、こうしてアルゴー号は無事に出帆したわけだが、その後のアルゴー号はどのような航路をたどったのだろう。
 ある伝説によると、パガサイ湾を出たアルゴー号は、最初にギリシアの沿岸を北上してペリオン山に寄った。
 これは英雄たちが自分たちの師であるケイロンに別れを告げるためだった。この話によると、この時ケイロンのもとにペーレウスの息子アキレウスが預けられており、英雄たちとの別れを惜しんだという。
 しかし、いずれにしても出帆したアルゴー号が平穏な航海を続けたのはたった1日だけだった。2日目には早くも嵐が起こり、アルゴー号を不思議な島に押し流してしまうのである。
アルゴー探検隊の冒険目次
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●第一章:世界最古の海洋冒険伝説「アルゴー探検隊」//|1.ギリシア神話のアルゴー伝説2.アルゴー探検隊はいつ遠征したか?
●第二章:英雄イアソンと伝説の王国イオルコス//|1.イオルコス王家の正統・英雄イアソン2.伝説の王国イオルコス(その1)3.伝説の王国イオルコス(その2)4.伝説の王国イオルコス(その3)
●第三章:アルゴー号の乗組員//|1.ギリシア中から集まった50人の英雄たち2.神と英雄3.犠牲の儀式と信託
●第四章:アルゴー号//|1.アルゴー号の建造2.ミノアの船3.古代船の建造方法4.古代船の艤装
●第五章:アルゴー探検隊の冒険航海//|1.アルゴー号の出帆2.女だけのレムノス島3.キュジコスの巨人4.ヘラクレスとポリュペモスの脱落5.拳闘家ポリュデウケスの活躍6.ピネウス王と怪鳥ハルピュイア7.ボスポラス海峡のシュンプレガデス8.黒海沿岸をどこまでも東へ9.アレス島とステュンパロス湖の鳥
●第六章:古代の大航海者たち//|1.古代の大航海の記録2.古代人の航海方法
●第七章:アイエテス王との闘争//|1.アイエテス王の館アイア2.王女メディアの恋と2つの試練3.金羊毛皮の獲得4.古代ギリシアの軍隊と武器
●第八章:アルゴー探検隊の帰還//|1.コルキス人からの逃走2.アルゴー号の最後の冒険
海賊学

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イオの末裔
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《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。
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