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フランボワイヤン・ワールド
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 小説
イオの末裔
〔Kindle版〕

販売開始しました。
《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。
アルゴー探検隊の冒険
第七章 アイエテス王との闘争

3.金羊毛皮の獲得

 2つの試練を果たしたものの、金羊毛皮を手に入れることのできなかった英雄たちにとって、その夜は重苦しいものだった。アルゴー号の中で、これからどうするべきかを話し合ったが、満足できるような結論はでなかった。

 と、そんな時に再び王女メディアがやってきた。メディアは幼い弟のアプシュルトスを連れていた。
「大変なことになりました」
 メディアは深刻な表情でイアソンに打ち明けた。
「私の裏切りが父のアイエテス王にばれてしまったのです。私はもうこの国に住むことはできません。そこであなたに相談があります。もしもあなたが私を連れて逃げてくれるなら、なんとかして金羊毛皮を手に入れ、あなたに差し上げましょう。金羊毛皮はアレスの森にあり、火を吐く竜が眠らずに番をしているので、あなた1人の力では決して手に入れることができないからです」
イアソンは喜んでいった。
「私はあなたを正妻として迎えよう」
 こうして英雄たちは、メディアを中心にして作戦を立てることになった。

 メディアによればアイエテス王はすでに出撃の準備を進めており、明日の朝にはアルゴー号を襲うことになっていた。そこで、イアソンとメディアの2人がアレスの森に行き、ほかの英雄たちと弟のアブシュルトスはすぐに出帆できる状態で2人を待っていることになった。
 森の中はしんと静まり返っていた。イアソンとメディアはその中を奥へと進んだ。
 やがて暗闇の中にきらきらと輝く金羊毛皮が見えた。イアソンは思わず息を飲んだ。金羊毛皮のそばには巨大な竜がとぐろを巻いており、ぎらぎらする目で 2人をにらみつけていたからだ。竜は胴の太さが大木ほどもあり、その長さははかりしれないほどだった。しかし、メディアは少しも恐れる様子がなかった。彼女は隠し持っていた秘薬を取り出すと、あたりに振りまくようにしながら恐ろしい竜に近づいていった。すると、秘薬の雫を浴びた竜はすぐにも深い眠りに落ちてしまった。
「早く金羊毛皮を !」
 その時メディアがいった。
 イアソンは大木のような竜の身体によじ登ると、かしわの木にかかっていた金羊毛皮を取り、肩にかけた。それから2人は一目散にその場から逃げ出した。

「さあ、出発だ!」
 アルゴー号に戻ると、イアソンはいった。
「おう!」
 金羊毛皮を獲得した英雄たちは一斉に声を上げ、アルゴー号はパシス河を下り始めた。すでに夜明けは近かった。間もなくすべてを知ったアイエテス王がアルゴー号を追跡し始めるのは確実だった.英雄たちは力のかぎり船を漕いだ。
アルゴー探検隊の冒険目次
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●第一章:世界最古の海洋冒険伝説「アルゴー探検隊」//|1.ギリシア神話のアルゴー伝説2.アルゴー探検隊はいつ遠征したか?
●第二章:英雄イアソンと伝説の王国イオルコス//|1.イオルコス王家の正統・英雄イアソン2.伝説の王国イオルコス(その1)3.伝説の王国イオルコス(その2)4.伝説の王国イオルコス(その3)
●第三章:アルゴー号の乗組員//|1.ギリシア中から集まった50人の英雄たち2.神と英雄3.犠牲の儀式と信託
●第四章:アルゴー号//|1.アルゴー号の建造2.ミノアの船3.古代船の建造方法4.古代船の艤装
●第五章:アルゴー探検隊の冒険航海//|1.アルゴー号の出帆2.女だけのレムノス島3.キュジコスの巨人4.ヘラクレスとポリュペモスの脱落5.拳闘家ポリュデウケスの活躍6.ピネウス王と怪鳥ハルピュイア7.ボスポラス海峡のシュンプレガデス8.黒海沿岸をどこまでも東へ9.アレス島とステュンパロス湖の鳥
●第六章:古代の大航海者たち//|1.古代の大航海の記録2.古代人の航海方法
●第七章:アイエテス王との闘争//|1.アイエテス王の館アイア2.王女メディアの恋と2つの試練3.金羊毛皮の獲得4.古代ギリシアの軍隊と武器
●第八章:アルゴー探検隊の帰還//|1.コルキス人からの逃走2.アルゴー号の最後の冒険
海賊学

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イオの末裔
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《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。
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