小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
販売開始しました。 |
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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イオの末裔
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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アルゴー探検隊の冒険 |
第二章 英雄イアソンと伝説の王国イオルコス
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2.伝説の王国イオルコス(その1)
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■ミケーネ時代の王国
アルゴー探検隊伝説の最初の舞台となるイオルコスは、ミケーネ時代に実際に存在していた王国である。それがどのような王国であったかは、ミケーネ時代のほかの王国や、もっと後代のギリシアに存在した多数の都市国家から想像するしかない。
ここで、古代ギリシアの国家がどのようなものだったかを確認しておくことにしよう。
まずはアルゴー探検隊が出発する原因となった王権について見てみよう。
ミケーネ時代の王国社会がどのようなものであったか? わかっていることは少ない。しかし、ペロボネソス半島の西側にあったピュロスという王国の遺跡発掘によって、当時の社会が比較的複雑な官僚機構によって支配されていたことが知られている。
王国には1人の王と貴族が存在しており、彼らが大多数の農民を支配していた。貴族たちは王宮に住むこともあれば、遠くの支配地に自分の城砦を造って住むこともあった。
大多数の農民は、まったく奴隷のように搾取されるだけの存在だった。ピュロスの遺跡からは、農民たちから取りたてる租税の記録が発見されているが、それによれば牛1匹、羊1匹まで細かく管理されていたことがわかる。
ミケーネ時代のギリシアにはあちこちに王宮があり、その多くが分厚い塁壁を持つ城砦だった。イオルコスにもこのような城砦があったことは発掘によって確認されているが、その全体像についてはわかっていないことが多い。
ミケーネ時代の城砦で、最も代表的なものはミケーネ王の城砦である。
ミケーネ城砦は、アルゴリス湾から20kmほど離れた内陸の、荒涼とした丘の上に建っている。背後には岩山がそびえており、海の方にはアルゴス平野が広がっている。
この城砦の特徴はなんといっても巨大な石を積み上げた塁壁で、後代のギリシア人にはその建造方法が理解できず、キュクロプス(巨人族)によって造られたと考えたほどだった。
●ミケーネの城砦
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城砦の塁壁は、巨大な石(大きいものは12トンもある)を積み上げたもので、厚さは平均5m、高さは当初は10~12mあったと推定されており、内側の王城を守るように約1,000mに渡って続いている。塁壁の北西の一角に有名な獅子門がある。2個の門柱石の上に、幅5m、奥行き2.5m、厚さ1m、重さ約20トンの巨大なまぐさ石が乗っている。まぐさ石の上には三角形の石が乗せられており、そこに2匹のライオンが彫刻されている。 |
●ミケーネ城砦の獅子門(左)と城壁(右)
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●アトレウスの宝庫
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ミケーネの城外には「アトレウスの宝庫」と呼ばれる円形墳墓がある。これは、巨石を円形状に3階層積み重ねて造った円形ドームで、まだアーチ構造を知らなかったギリシア人は最上部を要石で塞いだ。内径は14.5m、高さは13.2mに達している。 |
ミケーネからそれほど離れていないティリンスの城砦は、典型的な城砦構造を持つものとして知られている。これは、ミケーネ王の支配下にあった城砦だろうと考えられている。
城砦は南北に延びる台地の上にそびえており、城壁の厚さは平均8m、当初の高さは20mあっただろうと考えられている。
城門が1つと裏門が2つあり、東側と北側の城壁に砲台がある。
内部も戦略的に計算された構造になっている。外側から王のいる中心部に向かって門をくぐると、通路は必ず上り坂になっており、内部の兵士が有利に戦えるようになっている。
通路上の敵を城壁の上から攻撃することもできる。
王の住居である本殿は、メガロン様式(★16)と呼ばれる建築で、主室には炉が置かれていたが、本殿の周りには従者の部屋、神殿など多数の建物があり、容易には中心部に到達できないだろうと考えられる。
ティリンス
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【脚注】
★16 メガロン様式
ミケーネ時代の1様式。柱のある玄関の次に前室、その次に炉を中心とした主室がある奥の深い住居形式のこと。主室だけをメガロンと呼ぶこともある。 |
アルゴー探検隊の冒険目次 |
●海の冒険者たちトップページへ
●第一章:世界最古の海洋冒険伝説「アルゴー探検隊」//|1.ギリシア神話のアルゴー伝説|2.アルゴー探検隊はいつ遠征したか?|
●第二章:英雄イアソンと伝説の王国イオルコス//|1.イオルコス王家の正統・英雄イアソン|2.伝説の王国イオルコス(その1)|3.伝説の王国イオルコス(その2)|4.伝説の王国イオルコス(その3)|
●第三章:アルゴー号の乗組員//|1.ギリシア中から集まった50人の英雄たち|2.神と英雄|3.犠牲の儀式と信託|
●第四章:アルゴー号//|1.アルゴー号の建造|2.ミノアの船|3.古代船の建造方法|4.古代船の艤装|
●第五章:アルゴー探検隊の冒険航海//|1.アルゴー号の出帆|2.女だけのレムノス島|3.キュジコスの巨人|4.ヘラクレスとポリュペモスの脱落|5.拳闘家ポリュデウケスの活躍|6.ピネウス王と怪鳥ハルピュイア|7.ボスポラス海峡のシュンプレガデス|8.黒海沿岸をどこまでも東へ|9.アレス島とステュンパロス湖の鳥|
●第六章:古代の大航海者たち//|1.古代の大航海の記録|2.古代人の航海方法|
●第七章:アイエテス王との闘争//|1.アイエテス王の館アイア|2.王女メディアの恋と2つの試練|3.金羊毛皮の獲得|4.古代ギリシアの軍隊と武器|
●第八章:アルゴー探検隊の帰還//|1.コルキス人からの逃走|2.アルゴー号の最後の冒険| |
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