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イオの末裔
〔Kindle版〕

販売開始しました。
《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。
アルゴー探検隊の冒険
第八章 アルゴー探検隊の帰還

1.コルキス人からの逃走

 アルゴー探検隊は、アイエテス王の娘メディアの助力で金羊毛皮を手に入れた。しかし、コルキス人の追跡隊に追われたために、アルゴー探検隊の帰途は思いもかけぬコースをたどることになった。アルゴー号の冒険はまだ終わってはいなかったのである。

 英雄たちが金手毛皮を奪ったうえに、王女メディアとその弟のアプシュルトスを連れ去ったことを知ると、アイエテス王は激怒した。
 彼はすぐに船団を組んでアルゴー号を追跡した。
 コルキス人の船は非常に軽快だった。そのうえコルキス人の兵士たちは、英雄たちを捕まえられなかった時には死刑にすると脅されていたので、死にもの狂いで船を漕いだ。こうしてコルキス人の船団は、3日目にはついにアルゴー号に追いついたのだった。

 アルゴー号は、黒海南岸パプラゴニアのハリュス河口を経た後で、一気に黒海を横断し、ダニューブ河口にやってきたが、そこで英雄たちはコルキス人の船団に取り囲まれた。
 敵船の数は数十隻に達していたので、まともに戦ったら勝ち目はなかった。
 英雄たちはどうするべきかを相談した。
 すると、メディアが秘かにイアソンにいった。
「私の弟アプシュルトスを殺し、ばらばらにして海に投げ込むのです。コルキス人たちはその死体を集めないわけにはいきませんから、その間に私たちははるか遠くまで逃げることができます」

 それはひどく残酷なやり方だったが、それ以外に方法がなかったので英雄たちはメディアの言葉にしたがった。
 イアソンは、コルキス人の目の前でメディアの弟アプシュルトスをばらばらに引き裂くと、それを海の上にばらまいた。
 すると、メディアの予想通り敵の船団は一気に混乱し始めた。アイエテス王が部下たちにアプシュルトスの身体を拾い集めることを命じたからだった。
 そこでアルゴー号は急いでダニューブ河を逆上り、追跡隊を大きく引き離すことができたのだった。ここで、アルゴー号がダニューブ河を逆上ったのは、ギリシア神話が隆盛だった古代ギリシアにおいて、ダニューブ河が黒海とアドリア海を結ぶ水路だと信じられていたためで、これによってアルゴー号は黒海から一気にアドリア海へと抜けるのである。

 ところが、アドリア海にはどういうわけか追手が先回りしており、イオニア海に出るのは不可能だった。
 そこでアルゴー探検隊は再び予定を変更し、今度はアドリア海に注ぐポー河を逆上り始めた。ポー河は内陸部でローヌ河とつながっており、アドリア海とティレニア海が水路で結ばれていると信じられていたからである。
アルゴー探検隊の冒険目次
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●第一章:世界最古の海洋冒険伝説「アルゴー探検隊」//|1.ギリシア神話のアルゴー伝説2.アルゴー探検隊はいつ遠征したか?
●第二章:英雄イアソンと伝説の王国イオルコス//|1.イオルコス王家の正統・英雄イアソン2.伝説の王国イオルコス(その1)3.伝説の王国イオルコス(その2)4.伝説の王国イオルコス(その3)
●第三章:アルゴー号の乗組員//|1.ギリシア中から集まった50人の英雄たち2.神と英雄3.犠牲の儀式と信託
●第四章:アルゴー号//|1.アルゴー号の建造2.ミノアの船3.古代船の建造方法4.古代船の艤装
●第五章:アルゴー探検隊の冒険航海//|1.アルゴー号の出帆2.女だけのレムノス島3.キュジコスの巨人4.ヘラクレスとポリュペモスの脱落5.拳闘家ポリュデウケスの活躍6.ピネウス王と怪鳥ハルピュイア7.ボスポラス海峡のシュンプレガデス8.黒海沿岸をどこまでも東へ9.アレス島とステュンパロス湖の鳥
●第六章:古代の大航海者たち//|1.古代の大航海の記録2.古代人の航海方法
●第七章:アイエテス王との闘争//|1.アイエテス王の館アイア2.王女メディアの恋と2つの試練3.金羊毛皮の獲得4.古代ギリシアの軍隊と武器
●第八章:アルゴー探検隊の帰還//|1.コルキス人からの逃走2.アルゴー号の最後の冒険
海賊学

 小説
イオの末裔
〔Kindle版〕

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《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。
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