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フランボワイヤン・ワールド
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イオの末裔
〔Kindle版〕

販売開始しました。
《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。


アルゴー探検隊の冒険
第三章 アルゴー号の乗組員

3.犠牲の儀式と神託

 英雄たちは、ギリシア人と同じようにオリンポスの神々を信じている。そのため彼らはギリシア人と同じように神々に犠牲を捧げ、神託にしたがい、しばしば神々に助けられる。『ギリシア神話』の中には、このような神々と英雄たちとの関係が繰り返し描かれている。それはギリシア人と神々との関係と同じだった。

 犠牲の儀式は、神々と人間とを結びつける宗教的儀式だった。家々のかまどに食事やワインなどを捧げる奉献も非常に素朴な犠牲の儀式だった。より大がかりな儀式は神聖な場所で行われた。そのための特別な建物は古い時代には存在しなかった。神聖な場所とは、泉、洞窟、山項などであり、家のかまども神聖な場所だった。ギリシア人は、そこに祭壇を設けて犠牲の儀式を行った。

 屠殺される動物は、あらかじめ健康で完全をものが選ばれた。その色は白か黒でなければならなかった。参加するギリシア人たちは身を清め、衣服を着、花冠をつけた。儀式を司るのは共同体内の最高職の役人か神官だった。

 儀式は祭壇の周りに水と大麦をまくことから始まった。次に布告俵と参加者の間で、「ここにいるのはだれか」「多くの善良な人たち」という決まり文句が交わされた。それから祈りが捧げられ、願いがかなった時にどのような報酬を捧げるかが誓約された。儀式の中心は動物の屠殺だった。楽器が奏され、歌が歌われた。それからいろいろな食べ物が捧げられ、神々と共に宴会が行われた。宴会を行わず、単に動物を屠殺して捧げるだけの儀式もあり、古い時代には人身御供も行われたといわれる。

 犠牲と同様に重要な意味を持つものに神託があった。アルゴー探検隊にはイドモンとモプソスという2人の予言者が登場するが、ギリシア人は戦争などの場合には必ず予言者を連れていった。彼らの仕事は神託を受けることだった。予言者の受けた神託によって重要な戦争が左右されることもあった。ペルシア戦争の最中の前480年、ペルシア軍とスパルタ軍がプラタイアで戦ったが、この時両軍は10日間もにらみ合いを続け、戦いを始めようとはしなかった。ギリシア軍もペルシア軍も攻撃は凶という神託を受け取っていたからだった。15万以上の兵士たちが、有利な神託を待ち受けていたのである。

●ギリシア世界随一の信託所として有名だったデルポイの聖域

 しかし、神託は国家的に重要な問題だけを扱うものではなかった。ギリシア人たちは、日常生活の細かな問題まで神託によって決定した。ゼウスの信託所として知られるドドナの森からは、ギリシア人たちがいろいろな相談事を記した鉛の小片が発掘されている。これらの小片の多くに、「なぜ子供ができないのでしょう」「A婦人についてもっと詳しいことが知りたい」「私はすぐに結婚したほうがいいでしょうか?」といった日常的な相談事が記録されていた。
 神託は、さまざまなしるしによって与えられた。せきやくしゃみ、夢、虫の音などだった。ドドナの森では聖なるかしわの木のざわめきが解答となった。このような解答を予言者が読み取るのである。アルゴー探検隊の予言者イドモンは伝説中でかわせみの声から予言を行っている。


◆脚注◆
★26 プラタイアの戦い
ペルシア戦争における戦闘の1つ。サラミス海戦に破れたペルシア軍はテッサリアに逃れて越冬したが、前479年にはプラタイア平野のキタイロン山麓に陣を敷いた。しかし、スパルタ王家出身のパウサニアス指揮下のギリシア軍がこれを破り、敵将マルドニオスは戦死した。

★27 ドドナの予言の森
ドドナはギリシア最古のゼウスの信託所で、神殿はなく、森の中にある樫の神木が風にそよぐ音で神託を下したといわれている。
アルゴー探検隊の冒険目次
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●第一章:世界最古の海洋冒険伝説「アルゴー探検隊」//|1.ギリシア神話のアルゴー伝説2.アルゴー探検隊はいつ遠征したか?
●第二章:英雄イアソンと伝説の王国イオルコス//|1.イオルコス王家の正統・英雄イアソン2.伝説の王国イオルコス(その1)3.伝説の王国イオルコス(その2)4.伝説の王国イオルコス(その3)
●第三章:アルゴー号の乗組員//|1.ギリシア中から集まった50人の英雄たち2.神と英雄3.犠牲の儀式と信託
●第四章:アルゴー号//|1.アルゴー号の建造2.ミノアの船3.古代船の建造方法4.古代船の艤装
●第五章:アルゴー探検隊の冒険航海//|1.アルゴー号の出帆2.女だけのレムノス島3.キュジコスの巨人4.ヘラクレスとポリュペモスの脱落5.拳闘家ポリュデウケスの活躍6.ピネウス王と怪鳥ハルピュイア7.ボスポラス海峡のシュンプレガデス8.黒海沿岸をどこまでも東へ9.アレス島とステュンパロス湖の鳥
●第六章:古代の大航海者たち//|1.古代の大航海の記録2.古代人の航海方法
●第七章:アイエテス王との闘争//|1.アイエテス王の館アイア2.王女メディアの恋と2つの試練3.金羊毛皮の獲得4.古代ギリシアの軍隊と武器
●第八章:アルゴー探検隊の帰還//|1.コルキス人からの逃走2.アルゴー号の最後の冒険
海賊学

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イオの末裔
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 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。
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