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 小説
イオの末裔
〔Kindle版〕

販売開始しました。
《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。


アルゴー探検隊の冒険
第五章 アルゴー探検隊の冒険航海

2.女だけのレムノス島

 英雄たちを乗せたアルゴー号は、イオルコスを出て2日目に早くも嵐に巻き込まれ、エーゲ海に浮かぶレムノス島に流された。レムノス島は女しか住んでいない島だった。それは、 1年前にこんなことがあったからだった。

 レムノス島の女たちは、アマゾン(★32)のように男を憎み、美の神アプロディーテ(★33)を正統に崇拝しなかったため、彼女の呪いによって悪臭を発するようになった。そのため、夫たちが寄りつかなくなってしまったのだ。
 しかも、夫たちはトラキアから妾を連れてきて一緒に暮らし始めた。ついに女たちは怒り、夫はもちろん妾たちまでことごとく殺してしまったのである。

 そんな女たちだったので、アルゴー号が流されて来たことを知ると、だれもが武器を取って海岸に押し寄せてきた。
 そこでアルゴー号の英雄たちは、レムノス島の女王に平和の使者を送った。この島で休ませてくれるように申し出たのだ。
 女王のヒュプシピュレは、レムノス島の女たちを説得し、英雄たちの申し出を受け入れた。というのは、彼女はレムノス島の女たちがみな夫を取らなくなってしまったことについて、どうやって子孫を残したものか悩んでいたからだった。
 こうして、英雄たちは無駄な争いをせずにレムノス島で休息することができた。英雄たちはレムノス島に数ヵ月間滞在したが、なかには島の女と結婚し子孫を残した者もいたという。


◆脚注◆

★32 アマゾン
北方の未知の土地に住むと考えられていた好戦的な女だけの民族。弓を引くときの邪魔にならないように右の乳房を切り取っていた。子孫をもうけるため他国の男と交わるが、男子が生まれると殺してしまった。

★33 女神アプロディーテ
全ギリシアで崇拝された愛、美、豊穣の女神。
アルゴー探検隊の冒険目次
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●第一章:世界最古の海洋冒険伝説「アルゴー探検隊」//|1.ギリシア神話のアルゴー伝説2.アルゴー探検隊はいつ遠征したか?
●第二章:英雄イアソンと伝説の王国イオルコス//|1.イオルコス王家の正統・英雄イアソン2.伝説の王国イオルコス(その1)3.伝説の王国イオルコス(その2)4.伝説の王国イオルコス(その3)
●第三章:アルゴー号の乗組員//|1.ギリシア中から集まった50人の英雄たち2.神と英雄3.犠牲の儀式と信託
●第四章:アルゴー号//|1.アルゴー号の建造2.ミノアの船3.古代船の建造方法4.古代船の艤装
●第五章:アルゴー探検隊の冒険航海//|1.アルゴー号の出帆2.女だけのレムノス島3.キュジコスの巨人4.ヘラクレスとポリュペモスの脱落5.拳闘家ポリュデウケスの活躍6.ピネウス王と怪鳥ハルピュイア7.ボスポラス海峡のシュンプレガデス8.黒海沿岸をどこまでも東へ9.アレス島とステュンパロス湖の鳥
●第六章:古代の大航海者たち//|1.古代の大航海の記録2.古代人の航海方法
●第七章:アイエテス王との闘争//|1.アイエテス王の館アイア2.王女メディアの恋と2つの試練3.金羊毛皮の獲得4.古代ギリシアの軍隊と武器
●第八章:アルゴー探検隊の帰還//|1.コルキス人からの逃走2.アルゴー号の最後の冒険
海賊学

 小説
イオの末裔
〔Kindle版〕

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《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。
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