小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
販売開始しました。 |
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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アルゴー探検隊の冒険 |
第七章 アイエテス王との闘争
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4.古代ギリシアの軍隊と武器
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アイエテス王の追撃のように、ギリシア神話にはしばしば戦闘シーンが登場する。この戦闘シーンはだいたいにおいてギリシア神話が隆盛だった古拙時代よりももっと古い時代の戦い方を伝えている。
アルカイック期のギリシアには、すでに重装歩兵が登場しているが、ギリシア神話には重装歩兵に特徴的な戦い方である密集戦闘隊形は登場しない。したがって、ギリシア神話はミケーネ時代的な戦闘シーンを伝えていると考えられている。
ミケーネ社会は比較的複雑な官僚社会であり、軍隊組織も整っていただろうと考えられている。軍隊の全体について触れている記録は残っていないが、ピュロスで発掘された粘土板には、軍隊組織についていくつかの事柄が記録されていた。
それによると海軍組織の場合、1部隊に600~700人の海兵がおり、海岸地帯の警備を行っていたらしい。
また、陸上の支配地域は10の地区に分けられており、連絡将校のような兵士が配置されていた。連絡将校もまた支配地域の警備にあたるのが仕事で、事が起こればすぐにも戦車(馬車)に乗って駆けつけ王宮に報告したと考えられている。
武器に関しては、後代のギリシア軍と同様に兵士たちが自分で用意したらしい。武器には鎧、短剣、長剣、投げ槍、突き槍、戦車があった。
●古代ギリシアの武器
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①鎧
ミケーネに近いアルゴリス地方のテンドラで発掘されたミケーネ時代の鎧は青銅製だった。この鎧は、膝から上のほぼ全身を守るようにできており、多数の部品で構成されていた。まず胸あてと背あてがあった。その下は前後2枚、縦3枚の湾曲した板で構成されており、組み合わせるとスカートのようになった。これら胴鎧の上から、肩あて、首あてを装備し、最後に兜をかぶる仕組みだった。
しかし、地中海の夏は暑いので、兵士たちがこうした青銅製の鎧を着ていたとは考えられていない。当時の鎧の多くはリンネルや皮革を何枚も重ね、さらに金属で補強したものだったらしい。
②剣
剣は全般的に長いものが多く、先が細かったがミケーネ時代後半には短剣が一般的になったことが発掘結果などからわかっている。
③槍
槍には軽い投げ槍と重い突き槍の2種類があったが、壁画などに描かれた兵士が使用しているのは突き槍の方である。ホメロスは戦いの場面で投げ槍を使う英雄を描いているが、これは時代錯誤という意見が多い。ミケーネ時代には投げ槍は狩猟専用だったらしい。槍は木製の柄に青銅製の穂先をつけたもので、50センチ以上の穂先も使われていた。
④戦車
戦士の移動には戦車が重要な役割を果たした。戦車は柳細工の車体と4本スポークの車輪を2個持っており、見るからに軽快な乗り物だった。これを引くのは2頭の馬だった。発掘された粘土板の記録によれば、クノッソスにもピュロスにもかなりの数の戦車が用意されており、クノッソスの場合には200台以上が出動可能だったと考えられている。
ホメロスの描く戦士たちは、あくまでも移動のために使用し、戦いの前には降りている。しかし、戦車が戦闘に使われなかったという有力な証拠は存在していない。
◆脚注◆
★39 クノッソス
クレタ島北岸にあったタレタ文明最大の中心地で人口8万人以上の大都市だった。その中心には巨大な宮殿があり、これが複雑な構造を持っていたため、ギリシア人にラビリントスの伝説をもたらしたともいわれている。ミケーネ時代になると、ミケーネ人が王宮の主人となった。
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アルゴー探検隊の冒険目次 |
●海の冒険者たちトップページへ
●第一章:世界最古の海洋冒険伝説「アルゴー探検隊」//|1.ギリシア神話のアルゴー伝説|2.アルゴー探検隊はいつ遠征したか?|
●第二章:英雄イアソンと伝説の王国イオルコス//|1.イオルコス王家の正統・英雄イアソン|2.伝説の王国イオルコス(その1)|3.伝説の王国イオルコス(その2)|4.伝説の王国イオルコス(その3)|
●第三章:アルゴー号の乗組員//|1.ギリシア中から集まった50人の英雄たち|2.神と英雄|3.犠牲の儀式と信託|
●第四章:アルゴー号//|1.アルゴー号の建造|2.ミノアの船|3.古代船の建造方法|4.古代船の艤装|
●第五章:アルゴー探検隊の冒険航海//|1.アルゴー号の出帆|2.女だけのレムノス島|3.キュジコスの巨人|4.ヘラクレスとポリュペモスの脱落|5.拳闘家ポリュデウケスの活躍|6.ピネウス王と怪鳥ハルピュイア|7.ボスポラス海峡のシュンプレガデス|8.黒海沿岸をどこまでも東へ|9.アレス島とステュンパロス湖の鳥|
●第六章:古代の大航海者たち//|1.古代の大航海の記録|2.古代人の航海方法|
●第七章:アイエテス王との闘争//|1.アイエテス王の館アイア|2.王女メディアの恋と2つの試練|3.金羊毛皮の獲得|4.古代ギリシアの軍隊と武器|
●第八章:アルゴー探検隊の帰還//|1.コルキス人からの逃走|2.アルゴー号の最後の冒険| |
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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