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フランボワイヤン・ワールド
世界の終わりの話
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 小説
イオの末裔
〔Kindle版〕

販売開始しました。
《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。


第二部 神話・終末文書に描かれた終末
第一章 円環的な歴史の中の終末
円環的な歴史の中の終末
概説

 終末と再生を繰り返すことで、時間が円環的に流れていくという歴史観は、人類の歴史の古くから存在している。それは、人類の歴史観の基本形といってもいいものだ。
 このような歴史観がどのように誕生したかは容易に想像がつく。それは明らかに植物の成長と関係している。春に芽生えた植物は、夏になると一斉に繁茂し、生命力を謳歌する。しかし、秋になると枯れてしまい、冬には姿を消してしまう。1年ごとに、この周期が繰り返されるのである。終わることはあり得ない。
 したがって、すべてのものは生まれては死に、死んではまた生まれてくるのである。
 こんな素直な感想に裏打ちされた古代の神話は多い。古代ウガリット(フェニキア)において植物の繁殖力を表した神バアルは、死神モトとの戦いを通して、冬の乾期の初めに死に、乾期が終わる春になると再生するとされた。しかも、彼らの戦いの勝敗には7年という長い周期を持つものもあり、世界は7年ごとに豊作と凶作の時期を繰り返すのである。
 古代ギリシア神話に登場する穀物の女神ペルセポネは冥界の王ハデスの妻として知られるが、彼らの結婚生活には特別なルールがあったとされている。ペルセポネは冬の間だけ冥界に下ってハデスの妻として過ごすが、春になると冥界を去り、地上での暮らしを再開するとされた。
 人類の文化が複雑化するに連れ、このように単純だった神話も、複雑な思想や宗教へと変化したのに違いない。やがて人類は、繰り返される死と再生の物語を、人類そのものや世界にもあてはめるようになった。千年か1万年かあるいはもっと長い周期の中でか、世界は終末と再生を繰り返す。人類も同様である。何度となく滅亡し、再び新しい人類が誕生するというわけだ。
 本章で紹介するのは、そのような物語の代表的なものである。これらの物語は植物神が死と再生を繰り返すという原初的な物語と比べれば新しいものであり、それだけ複雑で壮大な思想になっていることは断るまでもないだろう。しかし、どのように複雑に変化したといっても、世界が終末と再生を繰り返すという思想が、人類にとって基本的なものであることに変わりはない。それは、現代人の心にさえ、一種の懐かしさを感じさせる思考なのである。 
世界の終わりの話目次
第1部 世紀末と終末論
世紀末と終末論の基礎知識
歴史観と終末論の種類
世界の紀年法と暦法

第2部 神話・終末文書に描かれた終末
第1章 円環的な歴史の中の終末
概説
洪水神話
北欧神話の終末(ラグナレク)
ヒンズー教の終末(永劫回帰)

第2章 直線的歴史と終末
概説/ユダヤ・キリスト教の終末文書
ダニエル書の描く終末
ヨハネの黙示録の描く終末
死海文書が描く終末
エチオピア語エノク書に描かれた終末
シリア語バルク書が描く終末
シビュラの託宣が描く終末
エズラ記(ラテン語)に描かれた終末
マラキ書が描く終末
コーランに描かれた終末

第3章 異教の終末文書
概説
ゾロアスター教の終末
仏教と末法思想の終末
マヤ・アステカ神話の終末
グノーシス主義が描く終末
パウロの黙示録に描かれた終末

第4章 千年王国思想
概説
『神の国』の千年王国
フィオーレのヨアキムが語る千年王国
カンパネッラの語る『太陽の都』

第三部 19世紀の世紀末と終末観

近代にも生きている終末思想
進化の果てに訪れる絶望的世界―H.G.ウエルズ『タイム・マシン』―1895
世紀末の人工ユートピアを求めて―J.K.ユイスマンス『さかしま』―1884
あとがき―未来が終末を迎えた 

 小説
イオの末裔
〔Kindle版〕

販売開始しました。
《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。

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