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フランボワイヤン・ワールド
世界の終わりの話
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 小説
イオの末裔
〔Kindle版〕

販売開始しました。
《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。

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イオの末裔
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第二部 神話・終末文書に描かれた終末
第二章 直線的歴史と終末
ダニエル書に描かれた終末

■ダニエル書の予備知識

 ユダヤ教・キリスト教の黙示思想の最も古い形を含んでいるダニエル書は、旧約聖書正典の一書で、西暦紀元前164年(セレウコス暦第148年)の前半に書かれたといわれている。前323年にアレキサンドロス大王が死んでから、ユダヤの地はエジプトのプトレマイオス王朝の支配下に置かれ、比較的平和な時期を送っていた。前198年に、セレウコス朝シリアのアンティオコス3世がパレスチナを支配下に置いてから事情は一変した。前167年から164年にかけては、アンティオコス4世によるユダヤ教の大弾圧が行われた。これに対する、ユダヤ教徒側からの抵抗運動としてはマカバイの乱が有名だが、ダニエル書もまた、こうした状況下における抵抗の文学として、マカバイのグループとは別のある共同体によって書かれたというのが一般的な見方である。
 ダニエル書の物語の舞台はだいたいがバビロン捕囚時代(前586-539)のバビロンである。ダニエル書には、意図的に時代錯誤を犯している部分があるといわれており、物語の登場人物や国家は必ずしも史実と一致するものではないが、〈ユダの王ヨヤキムが即位して3年目〉という書き出しの部分から、物語が前606年に始まっていることが想像できる。物語によれば、この年にバビロンの王ネブカドネツァル(在位前605-562)がエルサレムを攻めて、ユダヤ人を捕囚としたという。間もなく、ネブカドネツァルはユダヤ人の王族や貴族の中から、才能と知識と理解力に富んだ少年を集めて教育し、4人の少年を自分に仕えさせた。この少年たちの中にダニエルがいた。これらの少年たちはみな特別に有能だったので、すぐにバビロンの宮廷で認められる存在になった。誰にも解くことができなかったネブカドネツァルの夢の謎を解いたダニエルは中でも別格だった。しかし、バビロンという異教の世界で、ユダヤ人がユダヤの信仰を守り通すことには多くの困難があった。ダニエル書の前半では、ダニエルを含む4人の少年たちがこれらの困難をいかにして乗り越えたかが語られている。こうした物語の後で、ダニエルに現れた幻が語られる。この幻が、黙示文学的といわれている部分であり、この中でユダヤの歴史と世界の終末及び救済が語られるのである。


■幻が語る救済までの歴史

 物語の中では、終末論的幻は合計4回、ダニエルに現れる。これらの幻の中で、この世界に順番に登場する4つの世界帝国とその滅亡、そしてその後に永遠の国が樹立することが語られている。
 4つの世界帝国と永遠の国の樹立について、最も概括的に語っているのはダニエル書7章でダニエルに現れた幻である。この幻に現れた預言の内容は、すべて特別な表象によって語られているので、ダニエル自身には解釈することができず、幻の中で大天使ガブリエル によって解釈され、ダニエルに説明されるという形になっているが、それはおよそ次のような内容である。
 この世に登場する4つの世界帝国はこの幻の中では4つの獣の姿を取って現れる。第一のものは、獅子のようで、鷲の翼が生えている。第二のものは、熊のようで、横様に寝ており、3本の肋骨をくわえている。第三のものは豹のようで、背に鳥の翼が4つあり、頭も4つある。第四のものはとくに何かに似ているとは記されていないが、それまでに登場したものよりもはるかに強大らしく、「ものすごく、恐ろしく、非常に強く、巨大な鉄の歯を持ち、食らい、かみ砕き、残りを足で踏みにじった」 とされている。この獣には10本の角があったが、そこに11本目の他よりも小さな角が生えてきて、尊大な振る舞いをしたという。
 天使ガブリエルの説明によれば、これら4つの獣がこの世に登場する4つの世界帝国を表していることになる。それは順番に、バビロン、メディア 、ペルシア、ギリシアという世界帝国である。ギリシアの10本の角とはアレキサンドロス大王から数えて10代の王を表しており、11本目の角が、ダニエル書が書かれた時代にユダヤ人を弾圧していたアンティオコス4世を表しているといわれている。これら4つの世界帝国はいずれも強大ではあったが、それぞれ滅亡し、最後に登場したギリシアの世界帝国も、アンティオコス4世の登場によって滅亡するというのが、この幻の意味なのである。
 こうして、4つの世界帝国が滅びた後にやってくるのが、永遠の国である。

■ダニエル書の語る終末と永遠の国

 ダニエル書に語られている終末論的思想は、ユダヤ教・キリスト教の終末論としては最も初期のものとされているが、終末時の出来事として、最後の審判や「人の子(メシア)」の来臨といった場面がすでに描かれている。
 第7章で、4番目の獣に11本目の小さな角が生えてきて、尊大なことを語っている間に、最後の審判の場が準備されるのである。審判の場に最初に準備されるのは王座だが、この王座は燃える炎でできており、燃える火の車輪がついている。ここに神が着座する。王座の前からは火の川が流れ出ており、また数多くの御使いたちが侍っている。そして、裁き主である神が「巻物」を繰り広げる。この「巻物」は人間の行為を記録するための《記録の書》だという。こうして、神の審判が下されると、4番目の獣は殺されて、火の中に投げ込まれ、ギリシアの世界帝国は滅びることになるのである。
 最後の世界帝国が滅びた後、ユダヤ人のための「永遠の国」が樹立されるわけだが、ダニエル書ではこれに先立って、「人の子」の来臨があるとされている。この「人の子」によって、「永遠の国」が樹立されるのである。この場面は次のように描かれている。

 見よ、「人の子」のような者が天の雲に乗り
 「日の老いたる者」の前に来て、そのもとに進み
 権威、威光、王権を受けた。
 諸国、諸族、諸言語の民は皆、彼に仕え
 彼の支配はとこしえに続き
 その統治は滅びることがない。

 後のキリスト教の終末論では、終末に当たって死者たちが復活するとされているが、死者が復活するという思想もすでにダニエル書に登場している。この考えは、ダニエル書では第12章に語られている。それによれば、長い苦難の歴史の後で最後の時が来ると、「多くの者が地の塵の中の眠りから目覚める。」のだという。ここで「地の塵」は「墓」や「冥府」のことだと解釈されている。天国や地獄については明確に語られていないが、目覚めた者の中で、ある者は永遠の生命に入り、ある者は永久に続く恥と憎悪の的となるとされている。

■ダニエル書が語る終末の時期

 ダニエル書は、アンティオコス4世によるユダヤ人の大迫害が行われた時期に、一種の抵抗文学として書かれているので、世界帝国の終末と「永遠の国」の到来はそれほど遠い未来のこととはされていない。ダニエル書によれば、それはだいたい3年半くらいの間にやってくるとされている。ここで3年半といっているのは、アンティオコス4世による大迫害が始まった前167年を基準にしている。ダニエル書が書かれたのは、大迫害の開始から3年目くらいのことなので、この迫害の終わりは間もなくやってくると預言されているのである。また、ダニエル書はアンティオコス4世が前164年に死んだ後にも手が加えられているので、迫害の長さは最終的に3年8カ月15日間とされている。したがって、3年半という長さを大迫害の期間とすれば、それは当然事実と一致することになる。もちろん、「永遠の国」が到来するのはいつかということになると、ダニエル書の預言は明らかに事実と異なることになるが。 
世界の終わりの話目次
第1部 世紀末と終末論
世紀末と終末論の基礎知識
歴史観と終末論の種類
世界の紀年法と暦法

第2部 神話・終末文書に描かれた終末
第1章 円環的な歴史の中の終末
概説
洪水神話
北欧神話の終末(ラグナレク)
ヒンズー教の終末(永劫回帰)

第2章 直線的歴史と終末
概説/ユダヤ・キリスト教の終末文書
ダニエル書の描く終末
ヨハネの黙示録の描く終末
死海文書が描く終末
エチオピア語エノク書に描かれた終末
シリア語バルク書が描く終末
シビュラの託宣が描く終末
エズラ記(ラテン語)に描かれた終末
マラキ書が描く終末
コーランに描かれた終末

第3章 異教の終末文書
概説
ゾロアスター教の終末
仏教と末法思想の終末
マヤ・アステカ神話の終末
グノーシス主義が描く終末
パウロの黙示録に描かれた終末

第4章 千年王国思想
概説
『神の国』の千年王国
フィオーレのヨアキムが語る千年王国
カンパネッラの語る『太陽の都』

第三部 19世紀の世紀末と終末観

近代にも生きている終末思想
進化の果てに訪れる絶望的世界―H.G.ウエルズ『タイム・マシン』―1895
世紀末の人工ユートピアを求めて―J.K.ユイスマンス『さかしま』―1884
あとがき―未来が終末を迎えた 

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 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。

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