小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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士師記 |
左利きの士師エフド(2) |
エグロン |
Eglon|「子牛のような」|ヘブライ語 |
■太鼓腹が剣を呑み込む
紀元前12世紀頃に死海の東方に住んでいたモアブ人の王。イスラエルが弱体化したのを良いことに、兵を集めてカナンに侵入し、エリコの町に王宮を築いて、18年間イスラエルを支配した。
彼はぶくぶく太った男で、何もかも自分の思いどおりになると過信していたらしい。ベニヤミン族の英雄であるエフドが使節を率いて貢ぎ物を献納しに来たときも、エフドの力を見くびったのか、彼が申し出ると部下たちを下がらせて王宮の屋上にあった部屋でエフドと2人きりになった。
しかし、これがエグロンの命取りになった。
「あなたへ神のお告げを持ってきました」というエフドの言葉に王が立ち上がったとき、エフドの隠し持った剣が、ぶくぶくとふくれた王の腹にずぶりと突き刺さったのである。
その腹はあまりに膨れていたので、エフドが突き刺したままにしておいた剣の刃を脂肪が固く閉じ込めてしまったほどだった。
こうして、モアブ人によるイスラエル支配は終わった。モアブ人たちは慌てて逃げようとしたが、エフドの軍に一網打尽にされてしまった。 |
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