小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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士師記 |
反逆者アビメレク(3) |
ガアル |
Gaal|「忌み嫌う」|ヘブライ語 |
■鼻息の荒い、口だけの男
シケムの町の王アビメレクに対する反乱の先頭に立った男。身のほど知らずな臆病者だが、鼻息だけは荒くて人々の人気を得た。
イスラエルの士師ギデオンの息子アビメレクは兄弟たちを殺してシケムの王となったが、3年後にはシケムの首長たちとの間に険悪なムードが漂い始めた。
このとき、反アビメレク派の先頭に立ったのがガアルである。
彼はたいした根拠もないのに妙に強気で、「アビメレクとは何者か、その彼に仕えなければならないとすると、我々シケムのものは何者だろうか。……この民がわたしの手に託されるなら、わたしはアビメレクを片づけてやるのに」と豪語した。
シケムの首長たちは大いに喜び、彼に賛同した。
シケムの町の長でアビメレク派のゼブルからこのことを聞いたアビメレクは、夜だというのにすぐにも行動を起こし、隊を率いてシケムに向かった。
ガアルは口ほどにもない奴で、遠くからやって来るアビメレク一派の影を見ただけでおろおろし始めた。
挙げ句の果てに簡単に討ち負かされると、自分はさっさと逃げ出してしまった。 |
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