小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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士師記 |
反逆者アビメレク(2) |
ヨタム |
Jotham|「ヤーウェは完全である」|ヘブライ語 |
■山頂から眼下の町を呪う
イスラエルの士師ギデオンの末子。兄弟思いで正義感の強い人だった。
同じ父を持つアビメレクが70人の兄弟たちを殺したとき、ヨタムは運よく逃げ延びて身を隠したが、兄弟殺しのアビメレクがシケムの町で王位に就いたと知るや、すぐにも町を見下ろす山に登り、大声で人々に訴えた。
「シケムの首長たちよ。わたしの言うことを聞いてください。そうすれば、神はあなたたちの言うことを聞き入れてくださる」。
それから彼は、たとえを用いてアビメレクと彼を王とした人々を非難した。
ギデオンの息子たちには王となる資格のある優れた者が数多かったのに、彼らは誰も王になろうとはしなかった。
それにも関わらず、いちばん無能な者を王とすれば、やがてアビメレクの過ちによって、シケムの人々も滅びることになるだろう。
たとえの中で、ヨタムはこのように予言したのである。
それからヨタムはすぐにその場から逃げ出したが、彼の予言は3年後に実現した。
シケムの人々の反乱を鎮圧するため、アビメレクはその住民を虐殺し、彼自身も挽き臼の上石に頭を割られて死んだのだ。 |
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