小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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士師記 |
士師時代の善悪 |
ミカ |
Micah|「ヤーウェに並ぶ偉大な者は誰か」|ヘブライ語 |
■取ったり、取られたり
エフライム族の男。預言書「ミカ書」の著者とは別人である。
士師の時代のイスラエルでは、人々は部族ごとに土地を求めたり守ったりする戦いを続けていた。いわば権威が衰退した時代であり、人々は善も悪も行った。ミカは、そのような時代の典型的な人物だった。
彼はエフライムの山地に住み、自分の神殿さえ持っているほど信仰心が強かったが、あるとき母が大事にしていた財産の銀を盗むという罪を犯した。
母が嘆くと彼はすぐに告白して銀を返したが、その後でその銀を使って神の彫像と鋳像を作り、禁じられていた偶像崇拝の罪を犯した。
また、旅のレビ人が訪れてくると、ミカはその男に給料を払い、祭司として雇った。
このように、ミカは彼なりに敬虔でありながら、無意識に罪も犯しながら暮らしていた。
ところが、ある日、土地を求めて移動するダン族の人々がやって来ると、ミカの神殿を見て、神の彫像と鋳像の他にレビ人の祭司までも奪い去ったのである。
ダン族の人々は、信仰心からそれらを奪ったのだが、このためにミカがすべてを失ったことは確かだった。士師の時代にはこうした事件がよく起こったのである。 |
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