小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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士師記 |
反逆者アビメレク(1) |
アビメレク |
Abimelech|「父は王である」|ヘブライ語 |
■「女に殺されたと、人々に言わせないでくれ」
イスラエルの士師ギデオンの不肖の息子。
アビメレクはシケムの町出身の女性を母にしていたが、ギデオンには数多くの側女がおり、他にも70人の息子がいた。
この頃、イスラエルはこれら70人の息子たちが統治していた。ただし、士師ギデオンは人々から王になってくれと頼まれたが、自分も息子たちも王にはならないと拒否したので、彼らは王ではなかった。
ところが、父ギデオンの死後、アビメレクは王になりたいと考え、シケムの町の首長たちを味方につけると、ならず者を雇い、兄弟70人を同じ石の上で殺させた。
末子ヨタムにだけは逃げられてしまったが、この残虐行為によって彼はシケムで王となった。
しかし、彼の支配が3年間続いたとき首長たちは離反し、シケム人ガアルを先頭に彼に戦いを挑んだ。
この戦いのさなか、塔の上に逃げ込んだ女が投げ落とした挽き臼の上石が、アビメレクの頭蓋骨を砕いた。
彼は瀕死の状態で従者にいった。
「剣を抜いてわたしにとどめを刺せ。女に殺されたと言われないために」
こうして、彼は従者の剣で死んだのである。 |
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