小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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創世記 |
人間の誕生(1) |
アダム |
Adam|「男」「人」|ヘブライ語 |
■一人では生きていけない、寂しがりやの「人間」
この世界に誕生した最初の人間。聖書の神は天地創造の6日目に土からアダムを形作り、その鼻に命の息を吹き込んで生きる存在とした。アダムを創る前に、神はこの世のすべてを完成させていた。そこで、神はアダムをエデンの園という緑豊かな楽園に住まわせた。
このときのアダムは、神からみればジオラマの上の模型のような存在だったかも知れない。が、アダムは素朴ではあるが間違いなく人間の心を持つ存在で、この世界に自分一人しか住んでいないということをとても寂しく感じた。アダムは素裸で楽園の中を歩き回ると、空の鳥や野の獣に呼びかけた。そうすると、その呼びかけた言葉がそのまま生き物たちの名前になった。
しかし、いくら呼びかけてみても、アダムが伴侶とすべき生き物はそこにはいなかった。アダムはがっかりした。そんなアダムを見ているうちに、神までが、人が一人でいるのはよくないと思うようになった。こうして、アダムは間もなく伴侶を手に入れ、子孫を残し、人類の祖になったのである。
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