小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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創世記 |
エジプトに売られたヨセフ(2) |
ポティファル |
Potiphar|「太陽神ラーの与えた者」|エジプト語 |
■家僕を誘惑した婦人
商人からヨセフを買い取って召使いにしたエジプト王の宮廷の侍従長。人の能力を正しく評価することのできる人物だが、彼自身はそれほどのやり手ではなく、多少気の弱いところがあった。
彼はヨセフが有能なことに気付くと、家や財産の管理をヨセフに委せてしまい、自分では食事以外のことは何も考えなかった。
これだけならまだよかったが、ポティファルの妻は幾分浮気っぽい上に身勝手な女性だった。ヨセフは顔も美しく、体つきもよかったので、彼女は気を引かれた。
彼女は家の中に誰もいないときを見計らってヨセフの上着をつかんで誘惑した。
ヨセフはもちろん拒否したが、彼女が上着を離さないので、それを脱ぎ捨てて外へ逃げ出した。
これに彼女は腹を立て、ヨセフが自分を襲おうとしたと家の者たちに主張したのである。このとき、ポティファルが事件の真偽を正しく見極められればよかったのだが、なんといっても妻の主張なので疑うことはできなかったのだろう。
ヨセフは牢獄に入れられ、2年以上もそこで過ごすことになったのである。
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