小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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創世記 |
アブラハムの家族(9) |
エサウ |
Esau|「毛深い」|ヘブライ語 |
■弟に蹴落とされた兄
イサクとリベカに産まれた双子の兄弟の兄。産まれたときから肌が赤く、全身に毛が生えていたのでエサウと名付けられた。激しやすい性格だが、正直で人を疑うことを知らず、弟のヤコブにしてやられることになった。
彼は長男だったので、本来なら父親の家督権を譲り受け、祝福を受けて族長になるはずだった。
が、あるとき彼は狩猟に出て、空腹で疲れきって家に帰った。家ではヤコブが煮物を作っていたので、エサウはそれを食べさせてくれるように頼んだ。
すると、ヤコブは家督を相続する長子権を譲ってくれるなら食べさせてやるといった。エサウはあまりに空腹だったし、単純な男だったから、すぐにもそれを承知した。
その後、本来なら長子が受けるべき父の祝福を、ヤコブに盗み取られるということもあった。このとき、エサウは父のために狩猟に出ていたが、この隙にヤコブが身体中に子山羊の毛皮を張り付け、毛深い兄に変装すると、歳老いて目が見えなくなっていた父から長子に与えられる祝福を受けてしまったのである。
エサウは大いに嘆いたが、もう後の祭だった。
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