小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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サムエル記 |
前王家の生き残り(1) |
ツィバ |
Ziba|「像」|ヘブライ語 |
■従順な顔に隠された貪欲
かつてのイスラエル王サウルに仕えていた従者。見かけは律儀だが、内心はがめつい男である。
英雄ダビデは、巨大な王国の王となったことで気持ちが落ちついたのか、かつての親友でサウルの息子ヨナタンのことを思い出し、もしもサウル家の血筋をひく者がまだ生きているなら、その者を優遇したいと考えた。
そこで、サウルに仕えていたツィバが呼び出された。
彼は、ヨナタンの息子で足の不自由なメフィボシェトが生きていることを知っていた。ダビデはすぐにメフィボシェトを迎えにやり、サウルの地所を返還し、以降は自分とともに食事をするという特権を与えた。
ツィバに対しては、一族郎党を引き連れてメフィボシェトの領地に住み、土地から得た収穫をメフィボシェトに収めることを命じた。
ツィバは従ったが、内心では気に入らなかったのかもしれない。
後にダビデの息子アブサロムが謀反を起こすと、ツィバはメフィボシェトも加担しているという嘘をダビデに密告し、その褒美として主人の土地すべてを奪ってしまった。
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