小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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■いま一歩の革命家
ダビデ王に反逆したベニヤミン人の男。
ダビデは最初にユダ族の王となり、その後全イスラエルの王となったことからもわかるように、ユダとそれ以外の部族連合(北イスラエル)は一枚岩の存在ではなかった。それはダビデを王とする一種の同君連合で、両者の間には緊張関係が存在した。
ダビデがアブサロムの乱を鎮圧した後、この関係は最悪の状態に達した。
このとき、最も大きな反乱ののろしを上げたのがシェバである。聖書には「ならず者」と紹介されているが、北イスラエルからみれば英雄のような存在だっただろう。だから、シェバの反乱はアブサロムの乱のような王権内の権力闘争とは違い、革命の性格を持っていた。「我々にとってビクリの子シェバはアブサロム以上に危険だ」とダビデがいったのもこのためだった。
しかし、シェバは北イスラエル人に人気を得たにも関わらず、民衆を組織化する才能に欠けていた。
ダビデがユダの全兵士を率いて討伐に向かうや、彼はガリラヤ湖北方の地までさっさと逃げ出し、結局はそこで殺されることになった。
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