小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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サムエル記 |
アブサロムの乱(9) |
バルジライ |
Barzillai|「鉄造り」|ヘブライ語 |
■裕福な老人の最後の望み
アブサロムの反乱に際して首都エルサレムから逃亡していたダビデ王一行を、経済的・物質的に援助したギレアドの地の名士。老齢ではあったが、それ故に人を見る目のある人物だった。
逃亡中のダビデ一行がマハナイムの地に滞在していることを知ると、バルジライはさっそく出かけて行き、食糧や飲物、寝具などをダビデ一行のために提供した。
ダビデもこの恩は忘れず、アブサロム軍に勝利した後、自分と共にエルサレムに来れば厚遇しようとバルジライに持ちかけた。
彼はすでに80才の高齢だということを理由に拒否したが、自分の息子キムハムを連れて行ってくれるよう頼むことは忘れなかった。
バルジライは裕福な老人であり、自分の出世などには興味もなく、故郷の町で余生を送ることだけが望みだったが、当たり前の親らしく息子の将来のことは大いに心配していたのだろう。
こうして息子キムハムはエルサレムでダビデに仕えることになり、ダビデの代だけでなく、ソロモン王の時代にもバルジライの家系に属する者たちは大いに優遇された。
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