小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
販売開始しました。 |
|
《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
|
トビト記 |
トビトの家族と天使ラファエルの活躍(6) |
ラグエル |
Raguel |
■娘の夫の墓を掘る
トビトの親戚でサラの父。娘思いの善良な男で、メディア地方に住んでいた。
トビトの息子トビアが訪れてくると大いに歓迎し、トビトが失明したことを聞くと家族で嘆き悲しんだ。
ラグエルは正直だったので、トビアが娘サラに結婚を申し込むと、サラには悪魔がとりついており、これまでに彼女と結婚しようとした7人の男がみな初夜の晩に死んだことを打ち明けた。
それでもトビアの意志が変わらないのを知って結婚を承諾した。
そして、トビアとサラのために初夜の部屋を用意したラグエルは、翌朝にはトビアが死んでいるだろうと考え、夜のうちに起き出して召使いと一緒に墓を掘った。
「たぶん、トビアは死んでいる。わたしたちはまた嘲笑の的となり、辱めを受けるだろう」。
しかし、トビアが死ななかったことがわかったので、その穴は夜明け前に埋め、ラグエルは妻エドナと一緒に神に感謝の祈りを捧げた。
婚礼の祝宴の後で、サラとトビアがニネベに旅立つとき、娘思いのラグエルは全財産の半分を彼らに与えて送り出した。 |
|
|