小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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ユディト記 |
美女ユディトの活躍(7) |
バゴアス |
Bagoas|「宦官」|ペルシア語 |
■ご主人様の首がない
アッシリア軍総司令官ホロフェルネスに仕えていた宦官。主君に忠実な小心な男で、軍司令官の身辺の世話一切を任されていた。
身辺の世話には女の世話も含まれたようで、イスラエルの美女ユディトがアッシリアの陣営を訪れ、ホロフェルネスが彼女に情欲を抱くと、バゴアスは彼女を説き伏せて主人の天幕に連れて来たのである。
このため軍総司令官は殺されたわけだが、バゴアスにとって、それは寝耳に水の大事件だった。
ユディトがホロフェルネスの首を持って町に戻った翌朝、天幕の中に首のない主人の死体を発見した彼は叫び、泣き、うめき、絶叫した。
彼はアッシリアの武将たちにいった。
「あの奴隷どもに謀られた。王家はたった1人のヘブライ女に恥辱を受けたのだ。見てください。ホロフェルネスは地に倒れ、しかもしかばねには首がありません」
事件はアッシリアの指導者たちに動揺をもたらし、兵士たちも恐怖した。
しかも、このときイスラエル軍が一斉に襲いかかってきたのだからたまらない。アッシリア軍は壊滅的な打撃を受けて逃げ出した。 |
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